
CM界の異端児、箭内道彦さんの本。
この人の魅力は、これまでのCM作りの概念を覆す考え方と、
それを実際に形として示すことができる実行力。
普通、広告に限らずクリエイターと呼ばれる人は
「こだわり」や「個性」が何よりも大切と言われる。
しかし箭内さんは「こだわりを追求するのをやめた」
「個性なんていらない」と断言する。
(箭内さん自身は見た目からかなり個性的だが(笑))
そんな彼が実践するのが、「クリエイティブ合気道」。
クライアントの「こうしてほしい」という言葉を
10倍ぐらいに膨らませて投げ返す、CM制作の方法論。
こんな風に、方法論にもキャッチーな名前をつけたりして、
世の中にものごとを広めていくのがすごくうまい。
これまで当たり前だとされてきたことの
逆を行こうとする箭内さんの仕事は、いつも刺激的だ。
この人を見ていると、坂本竜馬のある言葉を思い出す。
「衆人が皆善をするなら、己独りだけは悪をしろ。
逆もまたしかり。英雄とは自分だけの道を歩く奴のことだ。」
もしかすると箭内さんは、
広告界の坂本竜馬になるのかもしれない。
満足度
★★★★☆
マナブはミュージシャンとしても活動してます。
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