字を丁寧に書くことは、学力に影響する! | 学びスタジオ®︎ブログ〜教育あれこれ

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小さな個人塾を経営しています。「一緒に学ぶと、可能性が広がる」と考えています。教えるより、考えるように導きます。子どもと一緒に考えると、子どもが能動的に考えるようになります。そして、一緒に考える楽しさと、一人で考え抜く力を身につけていきます。

 

こんにちは、学びスタジオ®︎の奧川えつひろです。

 

"字"は、さまざま、その人の個性を表すと言われます。

 

では、どのように字を書くかで、

子どもの学力に大きな差が出るとしたらどうでしょう。

 

今回は、子どもの学力に直結する字を丁寧に書くことについて書きます。

 

❤︎丁寧に字を書くことは、学力向上につながる?

 

"字を丁寧に書く子どもは、学力が伸びる傾向である"ことが研究で報告されています。

 

その報告の中で、

「まだ字がうまく書けない子は、文字をきちんと書くことに意識が集中してしまい、自分が書いている内容に注意が向かなくなる」

と述べています。

つまり、字を書くことに精一杯で、内容の理解まで頭がついていかないということです。

 

だから、

字が丁寧に書ける状態がデフォルト(標準の状態)になれば、

書いていることの内容に意識を向けることができ、考える余裕が生まれるということです。

 

❤︎書くことは脳を刺激し、活性化させる

 

また、

字を書くという動作は、

単に手先の運動だけにとどまりません。

 

文字を文字として認識する能力

書きたい文字をイメージする視覚的な能力

これらは、

脳と運動器官をつなぐ神経などが連携して成せるかなり高度で複雑な技術なのです。

 

様々な部分や領域を刺激させる、

書く動作を繰り返すことによって脳が活性化し、

理解力や反応力が高まっていきます。

 

❤︎ 読めない字は、理解を妨げる

 

字が雑だと自分で自分が書いた文字がわからない、または読み誤ることがあります。

 

たとえば、

「0」「6」が紛らわしい子どもが多いです。

 

初めは0のつもりで書いたものの、

計算の途中で本人の中での認識が6に変わってしまい、答えを間違えます。

 

また、

作文など文章を書く活動で見直しや推敲をしようとしたとき、

「これは、なんて書いてあるんだ?」となって、

自分で書いた話の内容がわからなくなることもあります。

 

読めない字を書くというのは、

結局、書いた本人の理解を妨害してしまうのです。

 

❤︎字を書き始めたときの指導の仕方が大切

 

書き癖というのは、 大きくなってからは矯正が難しいです。

 

子どもが鉛筆を持って、

字を書き始めた頃の指導が、大切です。

 

その時期の書き方が、その後の字の形を決定づけます。

この先10年以上続く学生期を見据えて取り組んでほしいと思います。

 

❤︎子どもが字を丁寧に書くようになる4つの方法

 

❶ゆっくり書く

 

字を書く速さに気をつけることは、基本です。

 

字が上手に書けない子の大概は、

字を書くスピードがとても速いのです。

速いと鉛筆の制御が効きません。

 

特に「とめ」「はね」「折れ」というような、

一度止まるという書き方がおろそかになります。

 

また、

「あ」「わ」などのように大きく回るような筆運びもできない子も多いです。

 

ですから、

書き始めの時期はとにかくゆっくり字をなぞらせましょう。

 

❷濃く書く

 

字を書くときは、自分の書いた字がはっきり見える濃さの字で書かせましょう。

 

幼児期 や小学校低学年の子は手の力が弱いので字が薄くなりがちです。

HBではなく、2BやBの比較的芯が柔らかい鉛筆で書くといいです。

 

それでも字が薄くなる子は、4B、6Bを使いましょう。

 

だんだん筆圧が強くなって字が濃くなってきたら、段階的に変えてあげましょう。

 

❸下敷きを使う

 

字を書くときの基本として、平らで安定したところで書くことが重要です。

 

ノートは重なっている紙のふくらみがあると、妙に安定しませんし、

鉛筆で書いたページの裏は筆圧ででこぼこになっていることもあります。

 

下敷きを使うことによって、

この不安定な問題が解消されます。

 

おすすめの下敷きは、丸めることができるソフトタイプです。

 

鉛筆の圧力を程よく吸収し、

芯が滑るのを防いでくれます。

また、手が疲れにくいです。

 

❹自分の字が、人をどんな気持ちにさせるのかを教える

 

”字は人を表す”とよく言われます。

 

字形は、その人の性格や感情を如実に表すのです。

 

だから、

お子さんが丁寧に字を書いていれば、

「紙を大切にしてくれているのが伝わって嬉しいよ。」

「〇〇の字を見ると、心もポカポカしてくるわ。」……

と丁寧な字を書くことが人を喜ばせるのだと、子どもに伝えてましょう。

 

このようにして、

自分の字を見る人の気持ちを考えて字を書く習慣を身につけさせると、

相手を思いやる心も育てられますね。

 

❤︎まとめ。丁寧さを大切にする。

 

丁寧な字が書ける小学生は少数派と言われています。

 

その理由としては、

”書かない”のではなく、”書けない”ということです。

 

字を丁寧に書こうとすれば、

書くことに多くのエネルギーが必要となりますが、

一生懸命問題を解いていときは、

「考える」部分にエネルギーを使って、

丁寧に字を書くエネルギーは残っていないということです。

 

確かにそうかもしれません。

 

しかし、それは逆で、

字を丁寧に書くことが、デフォルト(当たり前の状態)になれば、

書くこのにエネルギーを使う必要はなく、

「考える」ことに十分にエネルギーが使えるはずです。

 

丁寧に字を書くことは、

学力向上につながり、

脳を刺激し、活性化します。

また、

見る人の気持ちを考えて書く

思いやりも育むことができます。

 

子どもたちに、”字を丁寧に書くことの大切だ”と思う気持ちは育てていきたいと思います。