本日、娘が結婚しました! | 学びスタジオ®︎ブログ〜教育あれこれ

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小さな個人塾を経営しています。「一緒に学ぶと、可能性が広がる」と考えています。教えるより、考えるように導きます。子どもと一緒に考えると、子どもが能動的に考えるようになります。そして、一緒に考える楽しさと、一人で考え抜く力を身につけていきます。

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私ごとですが、本日、上の娘が結婚しました。

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娘が、産声を上げてから25年、これから家庭を持つことになりました。

いろいろな出来事を通して、小さな心が育ってくれたんだなと感謝しています。

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ふと、心がどのようにして発達するのか考えて見ました。

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ドイツ出身アメリカの発達心理者のエリクソンは、人間の一生の精神発達の過程を8つの段階に分け、各段階にある課題を克服することで精神的発達を遂げるとしています。

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それでは、

❤️エリクソンの発達段階論を説明します。

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 infancy016カ月ごろ)

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発達課題は、"基本的信頼↔︎不信"です。

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「きっと誰かに助けてもらえる」と信じる"希望"の力を身につけます。

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反対に、誰からも望みを叶えてもらえなければ、「誰も助けてくれない」という不信感へと繋がります。

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 early childhood16カ月~4才ごろ)

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発達課題は"自律性↔︎恥・疑惑"です。

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自分のことは自分ですることを通して子どもの自律性が育ちます。子どもは"意志"という力を獲得できます。

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頑張っても失敗するたびに叱られたら、「またダメだったらどうしよう」という羞恥心を覚え、チャレンジする意志を失ってしまいます。

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 play age46才ごろ)

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発達課題は"積極性↔︎罪悪感"です。

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好奇心のままに挑戦を繰り返すことで、子どもは自分の体力・知力・能力を確認してます。まるで、真理を探究する科学者のようです。

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危険がある行為は制止し、公共の場での振る舞いを教え、やりたがることを十分体験させれば、子どもは積極性と罪悪感のバランスをうまくとれるようになり、"目的意識"という力を獲得できます。

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「ダメ」と親に止められ、「これ何」と聞いても「静かにして」とうんざりされてばかりでは、子どもは、「やりたいことをすること、知りたがることは悪いこと」と、罪悪感を覚えてしまいます。

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 school age512才ごろ)

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発達課題は"勤勉性↔︎劣等感"です。

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子どもが、学びをきちんとこなす、友だちと協力しながら役割を果たすようになります。やがて自信をつけ、自分には"能力"があるのだとわかります。また、学びの経験を通して勤勉さを育みます。

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一方で、学びの習慣を作れなかったり、友だちと助け合ったり共感したりといった経験が不十分では、他の子との優劣ばかりを意識するようになってしまいます。

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 adolescence1218才ごろ)

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発達課題は"アイデンティティ↔︎アイデンティティの混乱"です。

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アイデンティティとは、自分とはどういう人間であるかを知ることです。自分が他人にどう見られているかということに関心を持つとともに、自分自身を客観的に見つめ、自分の価値や能力とともに短所も認識していきます。

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この時期は大人になるまでの猶予期間として社会的責任が免除された中、自己の生きがいを求めることが許されます。

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一方、アイデンティティを確立できず、自己嫌悪感と無力感を持ち、自らの人生において責任のある主観的選択ができなくなる状態がアイデンティティの混乱です。

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アイデンティティを確立するために必要なのは、価値観を共有できる親密な友人や尊敬する師の存在です。

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 young adult1840才ごろ)

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発達課題は"親密性↔︎孤立"です。

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親密性は、「相手に自分を賭けても自分を失わない関係」です。自己をしっかり確立したうえで、他者と親密な関係を結ぶ能力です。

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友人・恋人・配偶者などと、互いに信頼できる安定した関係を長く続ければ、"愛情"の力を得られます。

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しかし、アイデンティティが確立できていない場合、自分を失う恐怖から、他者と積極的に関わることができないので、表面的な付き合いしかできなかったり、人との関わりを拒絶したりして、孤独に陥ってしまいます。

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 adulthood4065才ごろ)

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発達課題は"次世代育成能力↔︎停滞性"です。

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次世代育成能力は、前の世代の文化を引き継ぎ、自分の代で新たな創造を加え、次の世代に譲り渡すことです。

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家庭や職場、習い事などで上の世代から学んだことを、子どもなど下の世代に伝えていけば、"世話"の能力を得ることができます。

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しかし、世代間のつながりをもたなかったり、次の世代のことなど眼中になかったりして、自分の世代・時代のことだけ考えていると、「停滞」と呼ばれる状況に陥ってしまいます。

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 mature age65才以上)

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発達課題は"自己統合↔︎絶望"です。

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自己統合は、宇宙・地球・人間のように大きな歴史の流れのなかで、自分の人生の意味を見いだすことです。"賢さ"を獲得できます。

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自分が存在した意味を、世代間のつながりのなかで位置づけます。自分に大切なものを託してくれた親や先生など先人の記憶が心に生き続け、自分の人生には意味があったのだと納得し、次世代に希望を託し、安らかに死を受け入ることができます。

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一方、前の世代から受け継いだものや次世代に残せるものもないと、自分が存在した意味を確認できず、絶望に陥ってしまいます。

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❤️人生は心の発達

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エリクソンの心の発達段階論を見てきました。

大切なのは、この順番だということです。前の段階の課題をクリアされていないと、次の段階に行けないということです。

クリアできていなければ、その段階まで年齢に関係なくもどってやり直さなければならないということです。

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わたしは、人の一生は、心の発達の一生だと思います。

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だからこそ、子ども一人一人の心の発達を大切にしていきたいと思います。

そんなことを、娘が結婚することで考えました。