
要約教室で使用している"わくわく文庫"は、音声を聴きながら本を読む学習システムです。音声のスピードは0.5から10倍まで変えることができます。
生徒が少ない時間帯、私自身も生徒と一緒に読むことがあります。この日、私は、先日の読書感想文コンクール金賞の「しろばんば(井上靖)」を読みました。
受講を検討される保護者が
「読まずに"音"を聴いてしまうのでは?」
と疑問を持たれることがありますが、心配はありません。例えば、私の読むスピードは"4倍"です。この位のスピードですと、聴こえてくる音声から意味をくみ取ることはできません。スピードを落とせば認識できますが、文字で読むほどの情報は頭に残りません。さらに言えば、そのような状態を20-30分続けることは、とても苦痛です。
耳から聴こえる音声は、ちょうどペースの変わらないランニング伴走者のようなものです。
伴走者のペースが生徒の読書スピードと合うと、キョロキョロ・グラグラしていた生徒の体の動きがピタリと止まります。その様子を見れば、生徒を物語の世界へと導いてくれたことが分かります。