
少し肌寒い、雨の日でした。ある講演を聴くため、小湊線・光風台駅近くを車で走っていると、広い田んぼの向こうにある桜の木が目にとまりました。
既に周りの桜は散っていました。ところが、この桜は、春の雨に濡れ、白く霞む木々、白く光る屋根や路面を背景に沢山のピンク色の花を咲かせていました。桜の花びらは思いの他白く、晴れた日は、なかなか桜をピンク色に撮ることはできません。
このような春色の景色を見ることができるのは、一年の内、ほんの僅かです。同じ風景を見るには、また1年待たねばなりません。そんなことを思うと、動く物は何もない静かな風景の撮影ですが、シャッターを押す瞬間、心の中で、「今だっ!」と叫びたくなります。