さて、昨日に引き続き、日野宮神社とオオカミとコレラのお話
日野宮神社は山際に建つ古社。
昔はオオカミがこの辺りにいて、たびたび里に下りてきていたのかもしれません
幕末、外国人が日本にやって来るとともに蔓延したコレラは、高い致死率で人々に恐怖をもたらしました。
現在のような医療技術も手軽に取り入れられる情報もなく…
なぜ、こんな疫病が流行するのだろう
大切な人は無事でいられるだろうか
幕府は何をやっているのだろう
こんな不満と不安が人々の心に渦巻き始め、社会不安が広がります。
目に見えない疫病に立ち向かわなければいけなくなったとき、心のより所となったのは同じく目には見えない神さまのちからです。
古くから日本各地の山間部では、田畑を荒らすイノシシ・シカ・キツネなどを捕食し、人間の営みを支えてくれるオオカミを大切にしてきましたが、この害意を払ってくれる身近な強い存在が次第に恐ろしい病を退けるちからを期待されるようになったのですね。
こうして日本中で「狼信仰」は流行し、領内に日野宮神社というオオカミの霊験あらたかな神社がある鯖江藩でも、疫病を払う効果が期待されたのでしょう。
安政6年(1859)9月5日、鯖江城下で日野宮神社の神職による疫病退散の祈祷が行われることが決まり、舟津神社の遥拝所にオオカミが連れて来られることになったのです。
現在、ニホンオオカミはすでに絶滅し、その姿を見ることは叶いません
神さまの使いとして大切にされたオオカミではありましたが、やはり人間を襲う存在でもあったため駆除の対象にもなりました。
また、狂犬病などの病気や自然環境の変化も絶滅の要因になりました。
そして、幕末の狼信仰による捕獲と殺害も要因の1つになったとされています。
恐怖や不安は往々にして負の連鎖を生みます
江戸時代にコレラを恐れた人々の恐怖はそのまま今の私たちの恐怖です。
予防しているつもりだけど正解がわからない
誰かのせいにしてストレスを発散させたい
自分や身近な人が罹患したらどうしよう
テレビもインターネットも重苦しい話題や批判で溢れ、日常生活にもたくさんの規制がかかって辛いですね
だけど、近いうちに必ず終わりはきます。
そのときを清々しい気持ちで迎えられるように、せめて自分の心は健康に保っていましょうね
では、みなさま
今日も健康第一で笑って過ごしましょう!