マナベヴァイオリン工房 -27ページ目

ヴァイオリンまめ知識 Q&A

{楽器のお手入れ Q&A}

ここでは、お客様からよくご質問頂く点についてお話しします。

Q. 「演奏後の楽器のお手入れでいちばん気をつけたいポイントは?」

A. 演奏後に布で乾拭きし、楽器に付着した松ヤニ、汗、ほこりなどを取り除くことがいちばんのポイントです。これらの汚れは毎日毎日は気がつきにくいものですが放っておくと長い時間をかけて、楽器のニスの部分を傷めることになります。もしも汚れがひどくて取れない場合は、専門家にクリーニングをしてもらうと安心です。市販のクリーニング液はニスとの相性により使用できない場合もありますのでご使用はあまりおすすめできません。

Q. 「演奏後の弓のお手入れのポイントは?」 

A. まず、スティックをきれいに布で拭きましょう。布はなるべく弓毛に触れないようにします。次に、弓毛を緩めます。このとき、最後まで緩めずに毛がほぐれてスティックにからみつく手前で止めるのがポイントです。弓毛には汚れが付着しやすいので普段からなるべく触れないことが重要です。

Q. 「松ヤニは多めにつけた方がよいですか?」

A. 松ヤニは弦と弓毛の摩擦を高めるために使います。多くつけすぎると弓毛と弦の間に松ヤニの層ができてしまいあまり効果がありません。また松ヤニの白い粉が表板に降りかかり、放っておくとニスを傷めます。


Q. 「毛替えの時期はどのように判断したらよいでしょうか?」

A. おおよその目安として、毎日使われる方で1ヶ月~3ヶ月、それ以外の方で半年に1回の割で毛替えをすることをおすすめします。湿度の違いにより夏と冬では大きく弓毛の状態が変化します。(夏は弓毛が伸び、冬は縮みます。)また状態から判断する場合は
①弓毛が切れて少なくなったとき
②ほこりなどが付着して弓毛が汚れたとき
③弓毛が摩耗して滑りやすくなったとき
④弓毛の長さが伸びて長くなったとき
特に、弓毛が長くなってしまうと毛箱が後ろ寄りに移動しバランスが悪くなります。同時に親指が巻き皮にかからず直接スティックに触れることになり、スティックを傷めることにもなります。

Q. 「弓先のチップが欠けてしまいました。修理は急いだ方がよいですか?」

A. 弓チップの役目は、バランス、美観などの意味もありますが、第一に弓の頭部の保護にあります。したがって少々のヒビ、欠けなどは使用上ほとんど問題ないのですが、スティックを傷めないためにもできるだけ早く修理された方がよいでしょう。

Q. 「弦についているチューブは使った方がよいでしょうか?」

A. 弦に附属のチューブは弦が駒にくい込むのを防ぐためのものです。しかし一般的には駒のほうに薄皮を貼るなどの方法で弦のくい込みを防止します。また、雑音の発生源にもなるのでチューブはなるべく使用せず駒のほうに加工を施すことをおすすめします。

Q. 「糸巻きが緩い(固い)のですが?」

A. 糸巻きの不具合は基本的に糸巻きの棒の形とペグボックス(糸巻きが差し込んである部分)の穴の角度がぴったりと合っていないことが原因で起こります。症状の軽い場合は弦の巻き方によっても多少改善されます。糸巻きが緩くて止まりにくい場合は弦をペグボックスの壁にくっつけるようにして巻いていきます。また逆に、糸巻きが固くて動きにくい場合は弦をペグボックスの中心に少し寄せて巻くと良いでしょう。しかしこれらはあくまでも応急処置にすぎません。根本的には糸巻きを交換する、穴を埋めて開け直すなどの修理が必要になります。

Q. 「楽器を弾いた後に弦は緩めておいた方が良いのでしょうか?」

A. 通常の使用では使用後に弦を緩める必要はありません。ただし楽器にはたいへん大きな力がかかっている状態ですので、長期間(1ヶ月以上)楽器を使用しない場合は少しづつ(半音くらい)緩めておくと良いでしょう。このとき、あまり緩めすぎると駒、魂柱などの位置がずれてしまうことがあるので注意が必要です。年に一度くらいの割ですべての弦を緩め、楽器を弦の圧力から開放することも大切です。しかし、この作業は上記の理由から専門家に任せた方がよいでしょう。

{定期点検と調整のおすすめ}

 ここでは、楽器をながーく、大事にお使いいただくために当工房がお勧めする「楽器の健康診断」についてお話しします。

 「楽器の鳴りが悪い」、「雑音が発生する」、「音程がとりにくい」、「ウルフトーンがひどい」、「ネックが下がってきた」、「表板(裏板)がはがれてきた」などなど、楽器に関するトラブルは多々起こります。一つの症状に原因が一つであればよいのですがいくつかの原因が複雑に絡み合ってその症状を作っていることもあります。さらに症状自体も表に出るまでに時間がかかり、演奏される方がトラブルに気づいたときにはかなり悪化しているケースをたくさん見てきました。また、「楽器の鳴りが悪い、、、、」これは正しい調整がされていない場合がほとんどです。せっかく楽器本体に故障がなくとも、楽器の各部が一つとなって音色を奏でる準備ができていないと美しい音色はなかなか出せません。これをオーケストラに例えるなら、すばらしい演奏家がそろっているのに「音合わせ」ができていないような状態といえます。
 このような経験から、当工房では半年、または1年に一度の「楽器の健康診断」をお勧めします。専門的な目から楽器をくまなく点検し、
「楽器の持つ力を最大限発揮できているかどうか」
「美しい音色を出すためにさらにできることはないか」
「いずれ大きな症状となりうる隠れたトラブルはないか」
などを無料で拝見致します。修理、調整が必要な場合は、ご予算、演奏会、発表会などのお客様のご都合に合わせた「修理スケジュール」をご相談させて頂いております。


{ヴァイオリン購入 Q&A}

 ヴァイオリンの修理以外のことでよくお客様からお問い合わせ頂くのは楽器の購入に関することです。ここで少しお話ししてみたいと思います。

Q. 「初心者の人が初めて購入するヴァイオリンの予算はどれくらい?」

A. 現在、当工房も含めまして楽器店で販売されているヴァイオリンの中でいちばんお安いものはセットで6万円位の商品になります。ただ材料、製品の質などからできましたら本体10万円位、弓、ケースなどを含めて15万円位かそれ以上のものを購入されることをお勧め致します。しかし演奏が上達されるにつれ物足りなくなって何年か後にお買い換えされる方も多いようです。もしもご予算に余裕がおありでしたら初心者だからといって安い楽器、弓で十分ということでは決してありません。少しでも良いものをお選びになった方が上達も早いと思います。

Q. 「新作とオールドはどちらがよい?」

A. 新作ヴァイオリンにはいわゆる定価というものが存在します。ファクトリーメイドのものはほぼ価格と性能が比例していると思って頂いて間違いありません。手工品はいろいろなものがありますが、それぞれ製作者の個性が出ています。新作は日々音が変わっていきます。もちろん良い方向にです。演奏者が音を作っていく楽しみがあります。オールドはいわば即戦力です。これまでに積み上げてきた歴史があります。新作では味わえない雰囲気、音を持っています。オールドの場合は楽器の真贋、価格が適正であるか、メンテナンスがきちっとされているかが重要なポイントになってきます。どちらもそれぞれ持ち味があり、あとは演奏される方の好みかもしれません。新作とオールドと2台お持ちの方はとても幸せだと思います。ある程度の価格を超えると新作の選択肢はなくなります。

Q. 「手作りのヴァイオリンと工場製のヴァイオリンはどう違う?」

A. 工場製の楽器は各メーカーが様々な価格でたくさんの種類の製品を作っています。価格の違いは人の手が入る度合いと材料、部品のグレードで決まります。それぞれのメーカーによる違いはありますが、価格の差ほど音は違わないな気がします。手工品は製作者が一人ですべてを作り上げるものです。なかにはお弟子さんが途中を作ったりするものもありますが、行程ごとに製作者がきちっとコントロールしているものはその製作者の作品として認められます。やはり手間がかかっていますので、工場製のものよりは価格も高くなりますが、性能は申し分ないと思います。

Q. 「楽器に合う弓はどのように選んだらよいでしょうか?」

A. 「ヴァイオリンがこの価格なら弓はこれくらいのものを」などのお話をよく耳にすることがあります。これはとても難しい問題です。私の考えとしては楽器と弓とは全く別個にお考え頂ければと思います。良い弓はどの楽器にも合うと思います。それよりも実際に演奏される方が持ちやすい、弾きやすいものをお選びになると良いと思います。楽器よりも価格の高い弓をお使いの方もたくさんいらっしゃいます。


 最後にごく簡単に楽器の選び方のポイントをお話しします。
 楽器をお選びになるときにはご予算の中で2~3台の中からお選びになると選びやすいと思います。5~10台と選択肢が多くなるほどその中でいちばん良いものが選ばれないケースが多いようです。
 試奏は必ず実際に楽器をお使いになる方がしましょう。やはりお使いになる方が気に入ったものがいちばんです。
 ヴァイオリンはとても高額な商品です。フルサイズでは「一生に一度の買い物」になる方がほとんどです。皆様が少しでも良い楽器をお選び頂くことを願っています。そのなかで当工房の商品も選択肢に入れて頂ければ幸いです。
(同じミュージックプラザ出身の鈴木聡ヴァイオリン工房HPより)


$マナベヴァイオリン工房

ヴァイオリンの見方、選び方

応用編 
神田侑晃著  レッスンの友社
*基礎編もあります

こちらの著書は(株)ミュージックプラザの社長さんの本です

ミュージックプラザ


弓の毛替え

毛替えの行程です☆

$マナベヴァイオリン工房

毛束を燃やし丸くして松やにを染みこませます
そうする事でぬけにくくしっかり固定します

$マナベヴァイオリン工房



$マナベヴァイオリン工房

木のチップでふたをしますが、弓によってカタチがちがうのでミリ単位で整えていきます

$マナベヴァイオリン工房



$マナベヴァイオリン工房

毛をならす部分も重要でヴァイオリンとコントラバスでは分量の置き方がまた違います


$マナベヴァイオリン工房



$マナベヴァイオリン工房

こちらもまたミリ単位で整え木のふたを作ります

$マナベヴァイオリン工房

一番重要なのが、毛束をくくる時
弓のそりなどがそれぞれ違う為、弓にあわせて手の感覚で調節します
一番難しい部分でもありますが「毛替えが大好き」と言うだけあって今まで数多くの弓を
扱ってきた為、マナベ氏の最も得意とするところです

$マナベヴァイオリン工房

毛束を丸め松やにをつける

$マナベヴァイオリン工房

木のふたでしっかり固定

$マナベヴァイオリン工房

こうして完成します

見ていると実に細かく感覚的な作業です
ストレスなく弾きやすい様にという思いで毛替えをしています

マナベヴァイオリン工房 092-722-1766


今月のオススメ楽器☆

炎暑が続き本当の秋が待ち遠しい毎日ですが
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
当工房では芸術の秋に備えて様々な楽器を取り揃えています。
今月のオススメ楽器としてチェロ、ヴァイオリン、ヴィオラをご紹介いたします。
いずれも当工房またはご自宅にて試奏していただけます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。


$マナベヴァイオリン工房

Violin
E.petraglia 1933
ブエノスアイレス(アルゼンチン)
制作者イタリア移民
数少ない南米生まれのモダンヴァイオリン

$マナベヴァイオリン工房

Old Cello
ラベル J.B.Collin-Mezin
1800年代後半~1900年代前半
オールドならではの深い音色をお楽しみ下さい


$マナベヴァイオリン工房

Viola
Jay Heide
maggini model
お手頃価格でありながら、作り音色共にお値段以上のグレード


☆ご来店が不都合な方には営業スタッフが配達、もしくは宅配便などで早急のサービスを行いますので、遠慮なくお申し付け下されば幸いです。
マナベヴァイオリン工房 092-722-1766
E-MAIL manabe_v@me.com