小学生の時、飼育係をして学校のニワトリの世話をしていました。
白色レグホン、チャボ、尾長(非常にプライドが高く美しい)などが居ました。
飼育係の顧問が教頭先生で元は理科の先生でした。
教頭先生というと普通はスーツを着て、机で事務処理をしているはずですが
わが校の教頭先生は、作業服に腕カバーという姿で
藤棚の剪定をしたり、スケッパーで鯉の池のタニシをこそげ取ったり、
誰もが最初は「用務員のおじさん」と勘違いしてしまいます。
理科の先生であったこと
伊豆大島の自然の中で生まれ育ったことなどから
校庭にあった綿花の木から
綿を紡いで、綿のわらじの編み方を教えてくださるような素敵な方でした。
そんな先生ですから
ただ飼育小屋でニワトリを飼うようなことは教えません。
お天気の良い日には よく陽に焼けた砂地に囲いをして
そこにニワトリを放して、砂浴びと砂を食べさせます。
日光に当たって暖まって羽の内側も殺菌し、
砂を食べて消化を促進させるためです。
後ろから忍び寄って脇からガッと羽の所を抱く
逃げない捕まえ方も教わりました。
また ニワトリはミミズが大好物だけど
食べると必ずお腹をこわして弱るから食べさせちゃダメだよ、と教えられていました。
でも、一度ミミズを食べるところを見たら
狂ったように喜んで食べて、本当に大好物なんだな~と思いました。
(猫のチャオチュールみたいな感じなんです。)
やはり下痢をしてしまうのですが、2~3日でしなくなりました。
天気が悪く外へ出せない日が続くときは衛生上ミミズは控え、
お天気が続くときは内緒でミミズをあげていました。
教頭先生には内緒で石畳下に濡れた土がある場所にビショビショに水を撒いて
ミミズの養殖もしておりました。
というのも
飼育係は交代で卵の持ち帰りが許されていたのです。
ミミズをあげるようになって下痢も落ち着くと
卵の味が濃く、美味しくなるような気がしました。
スーパーの鶏卵が10個¥128で売られていたりします。
以前は家計を気にして安いものを買っていたのですが
最近は10個¥198のものを購入しています。
安い卵と高い卵は
殻の硬さが全然違いますね。
黄身の濃厚さや白身の立ち具合も違います。
当然栄養価も違うのでしょうけど
最近は安い卵になんとなく不幸感というかストレスのようなものを感じます。
過ごした飼育環境での鶏の気分が卵に乗っているような気がします。
時折 高価な美味しい卵をいただくと
小学生時代の飼育小屋のニワトリたちを思い出します。