伝書鳩として育てていたキジバトを二十数羽飼っていました。

駅や公園でよく見かける首の周りが青光りしている子はカワラバト(ドバト)です。

キジバトは羽に茶色のキジのような文様が入ります。

 

 

 

干したトウモロコシの餌をあげていました。

私が世話をしたときは、もう伝書鳩の訓練はしておらず

ただ餌をやり、庭の小屋で飼育しているだけでした。

 

キジバトは一夫一婦制で生涯連れ添うのですが

近所のドバトが餌を食べに紛れ込んだり、

強引に交尾をしてしまうこともあり、

段々雑種化し、どんどん増えてしまいます。

 

 

 

鳩小屋の建っていた庭の土地を売る準備なのか

増えすぎると困るからなのかわかりませんが

叔父が処分することを決め、

コンテナ車を借りて、当分飛んで帰ってこれないように羽を切り、

富士山に逃がしに行きました。

 

 

 

2年程経ち、鳩小屋も処分した土地は売り

新しく工場が建っていました。

叔父が

「2羽だけ(夫婦)戻ってきた」と言っていました。

伝書鳩だったので足に識別のタグが付いていました。

2年が経過しても、遠くに捨てられても

伝書鳩の帰巣本能って凄いな、と泣きました。

 

 

 

もうそれから40年以上経っています。

当然 その時の夫婦はもう生きていません。

でも 家の外に出ると いまだに2羽のキジバトがよく挨拶に来るのです。

家のベランダから見える

鳩小屋のあった跡地の工場のアンテナに止まって

こちらを見ていることもあります。

 

代が代わっても

ずっと私を親として帰巣してくれるのかな?なんて

妄想しながら眺めています。