「言わなくても顔に書いてある」という表現があります。
言葉にして伝えなくても 表情から汲み取れる、
本人は気取られまいと必死に隠しているのに
周りから見て察しがつく、そんな状況でしょうか。
また 「目は口程に物を言う」という表現もあります。
”眼力”という言葉もあるくらいですから
発信者の強い意志表示の手段でもあります。
逆に 隠し事をしたいときに目が泳いだり
自分勝手で強引な人とは あまり目を合わせたくなかったりと
受信側も自分を守る手段として使います。
まさに 「目は心の窓」なんですね。
「嘘をつくと小鼻がピクピクする」
「好みの異性をみると鼻の下が伸びる」などの貴重なご意見もあることと存じますが
”鼻の部”につきましては 今回は割愛させていただきます。
さて いよいよ標題の唇の件にまいります。
聴覚障害の方は 手話や筆談の他に
読唇術を身につけている方もいらっしゃいます。
唇の動きをよく観察して、相手の方が何と言ったか読み取る方法です。
私は子供の頃に中耳炎が重症化し、
大人になってもメニエール病になり
健常者と聴覚障害者の中間位の難聴です。
日常会話は問題ありませんが
方言を隠して イントネーションなく標準語をしゃべる方など
声は聞こえるのに まったく何を言っているのか聴き取れず
悲しくなることがあります。
その上、歯並びや唇にコンプレックスがあるせいか
つい 口元の美しい方に見惚れてしまいます。
それは単なる自分だけの嗜好、癖だと思っていたのですが
無意識に読唇のマネゴトをしていたのかもしれません。
何度か先天性の聴覚障害の方と接する機会があり、
その方たちが 相手の人柄を見抜くのが結構お上手だなぁ~と
感心することがありました。
ふとその時
読唇=読心
口元には その人の心根が現れるのかな?なんて思いました。