瑞々しい若葉が風に揺れる中、2回目の散歩に行きました。
木陰を吹き抜ける風が心地よく、まなの足取りも軽やかでした。
事務所の駐車場から、班長さんが草抜きの道具を持ちながら、坂を上るのが見えました。
まなと少し離れた所を歩いていると、班長さんに「散歩か。アスファルトの隙間の草を抜きよったんや」と声をかけられましたが、ビッシリ根が張っていて、手こずったそうです。
班長さんが箒で地面を掃くふりをすると、まなは箒に襲撃されると思ってか後退りし、身体を伸ばしていました。
一旦、班長さんと別れ、風通しの良い木陰へ直行しましたが、涼しいくらいでした。
花に詳しいおじさんが通路沿いで座りながら草抜きをするのを見て、まなは何の迷いもなく、おじさんの傍に歩み寄りました。
おじさんは「あ、来たね」みたいな感じで目を細め「お〜い、来たんか〜」とゴム手袋を外し、まなの耳の後ろを撫でてくれました。
おじさんは今日も空気がカラッとしていて作業がしやすいなとニコニコ笑顔でした。
おじさんの傍には今日もOS−1が置かれていました。
「医者に言われて作業の間にジュースを飲むのを止めたんや」と言っていましたが、OS−1は高い為、少しずつ飲んでいるそうです。
おじさんに「お疲れ様です」と告げて別の場所へ行く途中、案内のおじさんが事務所に戻るのが見えました。
まなが早足で、おじさんの傍へ駆け寄ると、おじさんは「こんにちは。
まなちゃん、散歩やね〜」と笑いながら、まなを優しく見つめていました。
おじさんは案内を終えて、事務所に戻るところでした。
また次の予約があったそうです。
「お疲れ様です」と告げ西の木陰に行くと、まなが大好きなおじさんが居て紫陽花に水やりをしていました。
「こんにちは。お疲れ様です」と声をかけると「こんにちは」と返ってきましたが、おじさんの表情も心なしか、少し和らいでいました。
紫陽花が多く植えられていて、水やりにも時間がかかるようです。
その後、慰霊碑の近くの広場?に行くと柴犬が好きなおじさん、市の職員、優しいおじさん、班長さんが前の側溝の掃除をしていました。
水の循環が不十分だからか暖かい時期は藻が溜まりやすいそうです。
少し経ち4人が休憩に入りましたが、柴犬が好きなおじさんが頻りにこちらにアイコンタクトを送っていました。
まなが一目散に歩み寄ると、おじさんはニコニコしっぱなしでした。
まなの首周りを撫でながら「冷たいから気持ちがええな」とクールネックに手を当て、市の職員や優しいおじさんも優しく見守ってくれました。
柴犬が好きなおじさんがスマホの時間を見て、前の駐車場の車もチラッと見ていましたが、どうやら決まった時間に鳩に餌やりをする年配男性が現れるとのことでした。
おじさんは年配男性の車種もナンバーも覚えているそうです。
私「パンを大きくちぎったものを地面にばら撒いていく人ですか」

おじさんが溜め息をついていました。
ポスターを貼っても看板を設置しても無駄で、自分達がいると離れた場所でパンをばら撒くと言っていました。

これからは虫も集るし臭いんや」
私「何か病んでいますね、その人」
おじさん達は仕事だからと割り切っているようですが、勝手にばらまく連中は正直言ってタチが悪いです。

陰で清掃をする人がいるからと餌やりと言う名のばら撒きは止めて貰いたいです。
でも、まなにとっては楽しいひとときを過ごせたね。