さて、ぼちぼち更新しております、林冲ルートです。
いつこれが公開されるかわかりませんが、テーマ別から一気に読んだほうがいいかもしれません笑
では、ネタバレです。
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戴宗さんの攻撃スピードが上がり、林冲を襲う。
一方さっきまで余裕だった林冲は、いまひとつ精彩に欠ける。
(やっぱり、もう疲れてるんだ。このままじゃ、林冲がやられちゃう・・・)
1:応援する←
2:黙って見守る
3:助けを求める
私は声の限りに、林冲の名前を呼んだ。
郁里「林冲ーーっ!」
www無粋なやつwww
戴宗「子猫ちゃんが応援してる前で、無様な姿を見せるわけにはいかねぇな」
林冲「もちろん、そんな気はさらさらないよ」
そう言って、林冲は勇ましく矛を構え直した。
その時、胸の印がじんわりと熱を帯びた。
(そうだ・・・今の私なら、もしかして林冲を救えるかもしれない。自分の意思で!)
私は息をのむと、そっと印に触れてみた。
すでにそこは、焼けるように熱くなっている。
(今までみたいな動悸や、嫌な感じはないのに、印だけがやけに熱い。よし・・・落ち着いて、頭をからっぽにして、胸の印に意識を集中して)
意識を集中したまま、じっと林冲を見つめる。
戴宗「おらおら、どうしたっ!」
まるで猫が弱ったネズミをいたぶるように、戴宗さんが林冲を攻撃する。
www私、猫飼ってますが、そんな場面に遭遇したことがありませんwww
(私が、絶対に林冲を守ってみせる・・・)
戴宗「これで終わりだ、林冲!」
不意に林冲の動きが止まり、その隙を見逃さない戴宗さんが、大きくその腕を振りかぶった。
(林冲っっ!!!)
私の胸から放たれた大きな光が、戴宗さんの体を跳ね飛ばした。
野次馬がどよっとざわめく。
郁里「でき・・・た?」
術は自分の意思で発動しただけでなく、しっかりと戴宗さんだけを跳ね飛ばした。
頭の芯はクラクラするような気がするけど、気絶するほどでもない。
郁里「林冲!私、出来たよ!」
半ば拍手、半ばブーイングの中を、私は林冲に駆け寄って思わず抱き付いた。
郁里「・・・林冲?」
林冲「郁里・・・」
見上げた林冲の顔に、喜んでいる様子はなく、ただ険しい顔で私を見つめていた。
(せっかく妖術を習得したのに、どうして林冲は喜んでくれないの?)
林冲の険しい顔をじっと見つめる。
すると、林冲は表情を曇らせたまま、私の体をそっと離した。
林冲「疲れたから、先に休ませてもらうね」
郁里「・・・うん」
突き放すような物言いに、それ以上、私は何も言えず。
その場から立ち去る林冲の背中を、ただ見つめることしかできなかった。
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【呉用から見た景色】
宋江「なにやら外が騒がしいね」
宋江様が外を気にかけて言った。
呉用「そのようですね。林冲や郁里が、つまらぬもめごとを起こしているのでなければいいのですが」
www手遅れwww
戴宗「そりゃあ、心配かけて悪かったなぁ、軍師さんよ!」
高圧的な大声が広間に響き、戴宗が姿を現した。
呉用「とてもじゃないが、悪かったと思っているような態度には見えないがな。なるほど、騒ぎの元は君だったか」
戴宗「そう言いなさんなって。いい知らせを持ってきたんだぜ」
呉用「いい知らせ?」
戴宗「ああ・・・子猫ちゃんが妖術を習得した」
宋江「ほう、それはいい知らせだね」
宋江様が目を細めてうなずいた。
呉用「宋江様、喜ぶのはまだ早いですよ。それで戴宗、その習得の状態は?すぐに実戦で使えるのか?」
戴宗「ま、五分五分ってとこかな」
呉用「微妙だな」
戴宗「仕方ねえだろ?今さっき、初めてまともに使えたんだ。そもそも妖術の使い方なんて、実戦で磨いていくもんだ」
呉用「なるほど、一理あるな」
戴宗「ただ、実戦で使うには面倒な問題がひとつある」
呉用「なんだ、言ってみろ」
戴宗「随分と過保護な保護者がいてなぁ。そいつが、子猫ちゃんを離したがらない」
呉用「・・・林冲のことか」
戴宗「奴を説得するのは至難の業だぜ?なんせ、あいつは梁山泊イチ実直で頑固な奴だからな」
宋江「確かに、彼のまじめさと頑固さは、呉用に匹敵するものがあるね」
呉用「・・・それは褒めておられるのですか?」
宋江「もちろんだよ。私はそんなあなたを心から信頼しているんだからね」
呉用「・・・ありがとうございます」
wwwテレ顔、カワユス(´艸`*)www
宋江様の言葉に、複雑な気持ちで頭を下げた。
戴宗「それで、どうするんだい?」
呉用「そうだな・・・」
宋江「呉用」
穏やかに話していた、宋江様の声色が変わった。
先ほどよりも少し低く、鋭く、厳かな声に、姿勢を正してから答える。
呉用「はい」
宋江「準備はできているかね?」
呉用「はい。どんな状況にも対応できるような策を整えております」
宋江「そうか・・・」
宋江様が、大きく息を吸われた。
そして、何かを見据えたように、遠くをじっと見つめる。
宋江「機が訪れたようだよ。皆を集めてくれるかな」
“機が訪れた”
それはつまり、晁蓋様の仇討の時がきたことを表していた。
(宋江様の命、そして晁蓋様の仇討となれば、林冲も反対はできまい。彼女の力がどれほどの物なのか、お手並み拝見といこうか・・・)
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戴宗さんとの決闘のあと、いくら捜しても林冲の姿は見つからず、私はひとり、自分の部屋で過ごしていた。
郁里「林冲、どこに行ったんだろ?」
(私が、決闘を邪魔したから怒ってるのかな?ううん、そんなことぐらいで怒るような人じゃない。だったら、どうして・・・?)
≪妖術のことは、もういいから≫
不意にいつかの言葉が蘇る。
(もしかして、私が妖術を使うのをよく思っていないの?)
確かにそんな気はしていた。
でも、それはただ、私のことを気遣っているだけで、本当の自分の気持ちを抑えているんだと、そう思っていた。
(でもどうして?私が力を上手く使えれば、誰も傷つかずに済む。林冲だって、それを望んでいるんじゃないの?)
大きなため息が零れたその時・・・。
戴宗「子猫ちゃんはいるかい?」
意外な声がして、私が返事をする前に扉が開く。
郁里「戴宗さん、まだ返事してませんよ!レディーの部屋に勝手に入るなんて」
戴宗「れでぃーって何だ・・・?ま、今は細かいことをとやかく言うな、緊急招集だ」
郁里「緊急招集?」
戴宗「大将・・・つまり、晁蓋さんの仇討の日取りが決まった。お前も来い」
郁里「・・・私も、ですか?」
戴宗「ああ、宋江さん直々のご指名だ」
戴宗さんの言葉と、表情からその意味を理解する。
(つまり、これは、出陣命令・・・?)
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戴宗さんについて大広間に入ると、すでにそこにはたくさんの人たちが集まっていた。
(呉用さんに、李俊さん、みんな勢ぞろいだな。それにしても、林冲はどこだろう・・・?)
林冲の姿を捜していると、前方から、人をかき分けてくる彼の姿が見えた。
郁里「林冲!」
林冲「郁里っ、なんでキミがここに?」
戴宗「オレ達の仲間だ、別に来ててもおかしくねえだろ?それに、宋江さんが直々に子猫ちゃんを呼んだんだ。文句あるか?」
林冲「・・・」
私より早く、戴宗さんが答えた。
その有無を言わせぬ物言いに、林冲が唇をかむ。
呉用「静粛に。宋江様のおなりだ」
呉用さんの声で、みんなに緊張が走った。
重苦しい空気の中、全員が整列し、宋江さんに注目する。
宋江「やあ、みんな忙しいところ、呼び立てて悪かったね」
宋江さんが現れて、いつもの温和な顔で話し始める。
でも、その表情は、次第に緊張を増していった。
宋江「晁蓋殿が曾家に殺された後、我が梁山泊は悲しみと怒りに耐え、粛々と仇討の機を探ってきた・・・そして今!」
宋江さんの声が張りあがり、その場にいた全員が息をのみ、次の言葉を待つ。
宋江「機は熟した。今こそ、晁蓋殿の無念を晴らす時。皆の者、我らの力を思う存分、曾家に見せつけてやろう。仇を!」
宋江さんが言い終わると同時に、大広間に歓声が響いた。
これだけで、みんながどれほどこの日を待っていたのか、晁蓋さんがどれほどみんなから慕われていたのかが分かる。
(林冲だって、この日をどんなに待ち望んでいたか)
そう思い、林冲を見てみる。
すると、林冲は予想外の表情をしていた。
林冲「・・・」
みんなのように喜んでいるどころか、険しい顔でじっと宋江さんを見つめている。
(あれほど、晁蓋さんの仇討をしたがっていたのに、どうして?)
www単なる色ボケwww
本人に確かめたくても、熱狂してるみんなに囲まれ、林冲に近づくこともままならない。
そんな中、宋江さんが話を続けた。
宋江「諸君も知っての通り、晁蓋殿は、死の間際、我らが仇、史文恭を倒した者を次の頭領に、との遺言を残している。もちろん、私も晁蓋殿の意思は尊重するつもりだ」
李逵「ってことは、もし、姉ちゃんが史文恭を倒したら、姉ちゃんが頭領ってことかい?」
(え?私?)
突然、自分のことを言われて驚いた私は、慌てて宋江さんを見た。
呉用「もちろんだ。史文恭を討ち倒すのは、並大抵のことではない。つまり、奴を倒すということは、それだけの才と力を持つことの証でもあるのだ」
宋江「左様。それに、女性の頭領というのも、なかなかだと思うよ。そうは思わないかい」
郁里「え・・・いや、そんな・・・」
あまりにも唐突な話に、ついていくことができず、私はただ口をパクパクとさせることしかできない。
その時・・・。
???「異議あり!!!」
人だかりの中から誰かの手が伸びたかと思うと、凛とした鋭い声が広間に響いた。
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胸から光が出るとか・・・なんか、想像したらマヌケで・・・
それに、あの程度で「習得」とまで言うのはどうかとwww