【一〇八恋星☆水滸伝】呉用後伝 第十一章 第十一話~第十五話 | andante cantabileーまなみんの別カレ日記ー

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こんにちは!



ちょっと喉が痛くて熱っぽい、まなみんです!!



風邪ひくと、すぐ喉にくるな~(泣)




さて、クライマックスの呉用さん後伝です!


やっぱラストに向かう、この流れが好きだ~


ネタバレで行きます!




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郁里「嫌です!離して、馬麟さんっ!」



馬麟さんに引きずられるようにして、幕舎から連れ出された私は、声を張り上げた。



郁里「呉用さんと一緒に・・・!」

馬麟「・・・・・」



馬麟さんは、私の声など聞こえないかのように、黙って私を馬に乗せた。

黒い美しい毛並みを持った青毛の馬。

史進さんが率いる、黒龍騎士団の馬に違いない。



馬麟「私には、呉用先生に命じられた大切な役目があります」



淡々とした様子で馬麟さんが話し始めた。



馬麟「なぜ、呉用先生が私に黒龍騎士団と郁里さんを預けたのかわかりますか」

郁里「え・・・?」

馬麟「黒龍騎士団は、梁山泊でも最強の隊の一つです。その隊と共に行動すれば、よほどのことがない限り、郁里さんの安全は保障されます。きっと彼らは、命を賭して郁里さんを守ってくれるでしょう」

郁里「だからって・・・」

馬麟「呉用先生が何を考えてこのようなことをしているのかは、私にもわかりません。ただひとつ言えるのは、郁里さんをとても大切に思っている・・・無事でいてほしいと、願っているということです」



馬麟さんの言葉に、私の頬を涙が伝った。



郁里「そんなの・・・ちっとも嬉しくありません!」

馬麟「郁里さん・・・」

郁里「私は・・・一緒に生きたい、呉用さんと・・・私だけが助かったって、少しも嬉しくないのに・・・もし、呉用さんに何かあったら・・・」

馬麟「今は、呉用先生も無事に戻ってきてくださることを願いましょう。呉用先生に生きていて欲しいと思う気持ちは、私も同じですから」

郁里「・・・・・」



俯く私を見つめたあと、馬麟さんが兵たちに声をかけた。



馬麟「・・・行きましょう」




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【呉用から見た景色】




幕舎を抜け出し、少し離れたところから戦場を見つめていると、馬麟が郁里を伴って出立して行ったと、呂方が報告に来た。



呂方「本当に、いいんですか?」



どうにも腑に落ちないと言った様子で、呂方が尋ねてくる。



呉用「構わぬ・・・それに、私はお前にも無理強いをするつもりはない。今からでも遅くない・・・」

呂方「最後まで付き合いますよ、何しろ、おれは先生の共犯者ですから」



私の言葉を最後まで待たず、呂方が笑顔でそう言い切る。



呂方「ただ・・・」

呉用「なんだ?」

呂方「今頃、姐御は泣いているんだろうなと思って」

呉用「そうだな・・・」



一瞬、胸の奥がちくりと痛む。

しかし、呂方に気づかれないように無表情を装った。



呂方「姐御を連れて、逃げることだってできたのに」

呉用「・・・私にそんなことができると思っているのか?」

呂方「言ってみただけです」

呉用「・・・・・」

呂方「おれは、梁山泊に来た時から、呉用先生に一生ついていくって決めてたから。だから、こうして呉用先生と一緒に最後まで戦えてうれしいんです」



呂方のハツラツとした表情に、こちらも力づけられる思いがした。



呉用「・・・すまない」

呂方「えっ、やめてください。おれなんかに、謝らないでください!おれ、呉用先生に恩を返すためなら、なんだってしますから。先生を殺すこと以外なら・・・」



呂方の最後の言葉に、思わず口の端が上がりそうになる。

私は、まだ完治していない傷・・・呂方に斬られた傷に、そっと手を当てた。



呉用「この傷は、私に迫力をつけてくれたからな。なかなか、気に入っているんだ」

呂方「それはそれは・・・」



それ以上、真顔を保っていられず、呂方と笑みを交わす。

しかし、ここは戦場だ。

すぐに真剣な表情に戻る。



呉用「さて・・・行くぞ」




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【郁里から見た景色】




黒龍騎士団に守られるようにして、戦場を駆け抜ける。

その時、前方からこちらに向かってくる一団が見えた。



馬麟「方臘軍か・・・?」



馬麟さんが一瞬、警戒の色を見せる。

けれど、すぐにその表情が和らいだ。



林冲「馬麟くん!郁里ちゃん!」

郁里「林冲さんっ!よかった、無事だったんですね」



その一行の中には、林冲さんの他に宋江さんの姿もあった。



宋江「このような形になってしまって・・・申し訳ない」



私の姿を見た途端、宋江さんが頭を下げる。



郁里「梁山泊が・・・解散してしまうこと、ですか?」


wwwなんで上から目線やねんwww


宋江「・・・・・」

林冲「一体、いつから、そんなことを考えて・・・オレたちに相談してくれたって良さそうなものを」

馬麟「いや、それは無理でしょう。それで士気が落ちるようなことにでもなれば、勝てる戦も勝てなくなってしまいますからね」



馬麟さんの言葉に、林冲さんが小さくため息をついた。



林冲「でも、おかげで呉用さんに対して見当違いの怒りを抱えている兵もいるみたいなんだよね」

郁里「え・・・」

林冲「伝令を出して、さっさと自分は逃げた・・・って思ってるみたいでさ」

郁里「そんなっ!」

林冲「呉用さんとの付き合いは長いからね、オレはそんなことないって思ってる。でも、こんな風に潰走するハメに陥ったのは、呉用さんが朝廷の命を受け入れることに積極的だったからだ、って思っている奴は多い」


(呉用さんが、悪者のように思われてるんだ・・・)



そう考えると、いたたまれなかった。



宋江「呉用は・・・」



それまで黙って私たちの話を聞いていた宋江さんが、口を開いた。



宋江「呉用は・・・守りたいものが多すぎたんだ。そして、望みもね」

郁里「え?それはどういう・・・」



宋江さんは、どこか遠くを眺めながら、淡々と話し始めた。



宋江「呉用の望みは、国の平和だ。そして、梁山泊や梁山泊の兵士、自分の仲間たち、なにより・・・郁里さん、君の幸せと無事を守りたいと願っていた。随分と悩んだ末に決心をしたようだった。すべてを守ると。すべての望みを叶えると」



宋江さんがこちらを向いて、ぎこちなく微笑んだ。



宋江「それが叶うなら、自分はどうなってもいい、とも言っていた」



その言葉に、私の中にあった嫌な予感が確信に変わっていく。



(もしかして・・・)


宋江「呉用は、全てを背負う気でいるんだよ。自分の心を偽って、ただ・・・願いを叶えるためだけに」



少しずつ、パズルのピースがはまっていく。



(呉用さんが、私を避けている時期があったのはどうして?手袋までして、私に気持ちを伝えないようにしていたのはなぜ?そこに何か、ヒントが隠されているような・・・あぁ、きっとそうだ!)


郁里「私は・・・私・・・・・はっ・・・!とても、とても大切なことを見逃してた!」

馬麟「郁里さん?」

郁里「少し前までは・・・呉用さんと触れ合えば、必ず呉用さんの心の声が私の中に流れ込んできていました。でも最近になって、何も聞こえないことがあったんです」


(そうだ・・・呉用さんの怪我が治ったあとぐらいからだ。聞こえなくなることが増えていたのって・・・)


林冲「それって・・・!」



私のつぶやきに、林冲さんがハッとしたような表情を浮かべた。



林冲「・・・どうもおかしいと思ってたんだ。コトの途中で、何も聞こえなくなるなんてさ・・・」


wwwコト、言うなwww


(・・・・・っ!林冲さん、わかるけど・・・その話題は・・・ちょっと恥ずかしいです)


郁里「呉用さんは、きっと・・・」



私は息をのんで、次の言葉を吐き出した。



郁里「自分で加減する訓練を積んでいたんですね・・・心の声が伝わらない方法を」



全員がシンと静まった。

頭の中で、疑問に思っていたことが次々と連結していく。



馬麟「・・・そう考えれば・・・いろいろと・・・つな・・・がる・・・!」


(じゃあ、なんで手袋なんか?あ・・・ひょっとして、あれはカムフラージュ・・・だったの?自分が本音を隠していることを、誰にも気づかれないように・・・)



全ては、梁山泊と・・・私を守るために。

呉用さんが自分の思いを隠して計画していたこと。

そのすべてがわかったわけではない。

でも、彼の行動はすべて、皆のためだった・・・。



(呉用さんのところへ行かなきゃ・・・!)



私はさっき来た方向へ向かって駆け出そうとした。

その時・・・。



馬麟「郁里さん!!」



私の前に、馬麟さんが立ちはだかる。



馬麟「駄目です、戻ってはいけません!」



1:呉用さんの本音を知りたい←

2:呉用さんのところへ行きたい

3:止めないで



郁里「呉用さんの本音を知りたいんです」

馬麟「知ってどうするんですか?あなたに知られたことで、結果が変わってしまっては、呉用先生が苦しむことになるかもしれないのですよ。呉用先生は、あなたに本音を知られたくなかったのではありません。皆に知られたくなかったのです、きっと」

郁里「・・・わかってます。わかってますって・・・ば・・・」



涙をこらえ、静かな声で答える。



郁里「呉用さんは、自分一人で・・・嫌なことをすべて引き受けるつもりだったんです。みんなに嫌われるような行動ばかりを・・・わざとっ」



あふれ出た涙を必死に拭きながら、言葉を紡ぐ。

そう言う間にも私は、懸命に思考を巡らせていた。



(みんなに嫌われて・・・みんなを戦場から遠ざけて・・・呉用さんは、一体どうするつもりだったの?)



不意に、別れ際に嗅いだ匂いのことを思い出す。



(あれはどこで嗅いだ匂いだったんだろう?確か・・・夏の夜に・・・みんなで河原に行って・・・そうだ・・・あれは花火の・・・っ!)



連想ゲームのように考えを転がし、そして辿り着いた答えに、ハッとする。



郁里「あの匂いは・・・火薬の・・・」




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次はいよいよ最終章です!!


後伝はエンドが二つなので、楽チンです!!←前にも言った