こんばんは!
一ヶ月で2キロも太ってしまった、まなみんです!!
あんまり食べてないのに太るということは・・・糖分の摂りすぎだぁー!
さて、来週にも終わりそうな呉用さん後伝です。
ちなみに前回は呉用さんが全く出てきませんでしたwww
ネタバレです。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
馬麟「それから、こちらはまだ動ける怪我人の名前を」
馬麟さんが書いていた戦死者の名前に視線を落とす。
ざっと見ただけでも、私が知っている人たちの名前が見つかった。
(う・・・そ・・・っ!)
wwwヒロインちゃんのリアクションが、いちいち癇に障りますwww←重症
馬麟「では、呉用さんが本営に戻ってきているようなので、報告に行ってきます」
郁里「・・・あ」
馬麟「郁里さん。これは戦です・・・戦、なんです」
郁里「・・・はい」
そう言って立ち去った馬麟さんの後ろ姿を見ながら、哀しい思いに満たされつつも、ホッと息をつく。
(ひどいな、私・・・こんなにたくさんの人が倒れているっていうのに・・・呉用さんが戻ってきてるって聞いて、すごくホッとした)
www恋愛脳だから、そんなもんでしょwww
他の人のことも、もちろん大事だ。
でも、呉用さんが生きているということに、何よりも安心してしまった。
そんな自分に、私は罪悪感を覚えたのだった。
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
【馬麟から見た景色】
馬麟「・・・以上が現在の戦況です」
呉用「史進の怪我は痛いな・・・」
馬麟「あの様子では、当分、戦場復帰は無理でしょう。もっとも、呉用先生が命じられれば、史進さんなら無理をしてでも出陣されると思いますが」
呉用「・・・・・」
呉用先生が考え込むような表情を見せた。
その顔には疲労の色が濃く浮かんでいる。
呉用「黒龍騎士団はどうしている?」
馬麟「今は、陳達さんが代わりに率いているようです。朱武さん、楊春さんもいますから、彼らは問題ないでしょう」
呉用「そうか・・・では馬麟、今から君は黒龍騎士団に合流しろ」
馬麟「私が、ですか!?そんな無茶を・・・第一、黒龍騎士団は、史進さんが鍛え上げた、梁山泊でも一、二を争う猛者の集団。私には、とてもまとめられません」
呉用「別に、黒龍騎士団で戦えとは言っていないだろう」
そう言った呉用先生の口元には、かすかに微笑みが漂っていた。
馬麟「えっ?」
呉用「守ってもらえ、と言っているのだ」
呉用先生の口から飛び出した意外な言葉に首を傾げる。
呉用「それから・・・郁里を呼んでほしい」
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
【郁里から見た景色】
郁里「呉用さん・・・郁里です」
呉用「ああ、入ってくれ」
馬麟さんに言われて、呉用さんの元へとやってきた。
幕舎の中に入ると、私はハッと息をのんだ。
(呉用さん・・・たった数時間会わなかっただけなのに、なんだかすごくやつれたような・・・)
呉用「どうした、私の顔に何かついているか?」
郁里「あ、いえ・・・随分とお疲れの様子なので」
呉用「こんなに厳しい戦は生まれて初めてだ。予想以上に参っている・・・」
かすれる声で呉用さんが呟いた。
呉用「怪我人の手当てのほうはどうだ?」
郁里「・・・手当てする側の人数も増やしてはいるんですけど、怪我人が増えるばかりで、追いついていない状態です。その間に、治療が間に合わなくて亡くなってしまう人も多くいますし・・・」
呉用「そうか・・・」
呉用さんが目を伏せた。
呉用「郁里には辛い役目を任せてしまったな」
郁里「いえ、戦に出て戦っている人たちに比べれば・・・それより、死ぬ間際に、声さえかけてあげられなかった人もたくさんいて、一人きりで逝かせてしまったことが、悔しくて・・・」
呉用「すまない・・・」
そう言うと、呉用さんは、私の体を抱きしめた。
郁里「呉用さん・・・?」
他に誰もいないとはいえ、こんな場所で突然だきしめられたことに、戸惑う。
同時に、嫌な予感が胸をよぎった。
呉用「郁里・・・最後に・・・君の、力を貸してほしい」
郁里「私の力、ですか?」
(それに、最後ってどういう意味だろう・・・)
呉用「ああ、皆に伝えてほしいことがある」
今は、それぞれの隊が散らばった場所にいる。
敵に追われ、退却を迫られた隊も多いようだけれど、逆に優勢に戦っている隊ももちろんある。
それでも、全体的に見て梁山泊軍が劣勢であることには変わりはない。
(この状況で、呉用さんがみんなに伝えたいことって?)
私の体を抱きしめる呉用さんの力が強くなる。
ゆっくりと、呉用さんの“思考”が私の中に流れ込んでくる。
けれど・・・。
(どうして呉用さんは、口で伝えてくれないんだろう。直接、体に触れて伝えようとしているってことは・・・何か、直接は言えないようなことなの?)
いつもなら、呉用さんに抱きしめられると体中が熱くなっていくのに、今は悪い予感がして、どんどんと体が冷たくなっていく。
そして、私のその予感は間違っていなかった・・・。
呉用『皆、よく聞いてほしい。梁山泊は、今をもって解体する』
(え・・・・・っ!!!)
私たちのいる幕舎の外から、物音が消えた。
みんなが、呉用さんの声に必死に耳を傾けているようだ。
呉用『もはや方臘に勝つことは、不可能だ。そして、方臘が討てなかった我々に待っているのは、朝廷からの制裁だ。方臘に勢力を削がれてしまった今・・・我々は禁軍にすら勝つことはできないだろう。皆に私からの最後の頼みだ・・・宋江様を守って逃げるのだ。その後は・・・各自、好きな道を選んで自由に生きてほしい。梁山泊の湖には銀を沈めてある。場所は李俊が知っている。それを皆で分けて、生活の足しにしてほしい。これは、前もって宋江様と私とで話し合って決めていたことだ。以上だ』
気がつくと、呉用さんの体が離れていた。
茫然と呉用さんの顔を見つめる。
郁里「今の伝令は、本当に・・・?」
www呉用さんがこんな最低なウソつくかwww
私の問いかけに、呉用さんは小さく、頷いた。
呉用「今頃、皆は怒っているだろうな。今更、逃げるなんてできるか!と」
???「当然です!」
誰かが、幕舎の中に入ってきて声を張り上げた。
見るとそこには、馬麟さんがいた。
馬麟「私だって、これには納得できません!」
呉用「納得できなくてもいい。早く逃げろ。私は今朝からずっと、引き際を考えていたんだ」
呉用さんが私の手を握った。
呉用さんの心の声が、どっと流れ込んでくる。
呉用『本気で、国を倒すことなどできると思っていたのか?』
馬麟「ご、呉用先生・・・?」
呉用『いくら弱体化したとはいえ、宋は強大な国だ。いずれ、梁山泊が討伐されることは目に見えていた。だから・・・私にとって、ほかの反乱軍を討伐せよという話が来たときは、渡りに舟だったのだ。これで、もう国を相手にしなくて済む、とな』
(こんな・・・こんな言葉、これ以上みんなに聞かせるわけにはいかない・・・っ!)
胸の奥が痛み、私は、呉用さんに握られた手を引き離そうとした。
けれど・・・呉用さんは決して私の手を離そうとはしなかった。
呉用『しかし、方臘がこれほどまでに強いとは・・・さすがの私にとっても、想定外だったよ。明日になれば、弱かった我々を一気に潰そうと総攻撃をしかけてくるだろう。逃げるなら、今しかないのだ』
そこまで言うと、ようやく呉用さんは私の手を離してくれた。
そして、サッとこちらに背を向ける。
今しがたまで握られていた手首が、ひどく痛んだ。
呉用「私も、もうここを後にする」
馬麟「呉用先生、本気ですか・・・?」
呉用「馬麟。先ほど言ったこと、頼んだぞ」
呉用さんが馬麟さんをじっと見つめて言った。
郁里「でも呉用さん、みんなが言うことを聞かなかったら・・・」
呉用「皆、宋江様のことは、何よりも大切に思っているからな。その宋江様を危険にさらしてまで、戦おうとはしないはずだ」
それだけ言うと、呉用さんは幕舎を出て行こうとした。
郁里「待ってください、呉用さん!」
私は思わず、立ち上がった呉用さんの着物を掴んでいた。
郁里「私も、一緒に連れて行ってください・・・!」
しかし、呉用さんはそんな私の手を振り払った。
呉用「駄目だ!」
郁里「なぜですか?」
呉用「郁里は・・・馬麟と共に行けっ!」
めったに声を荒げない呉用さんの言葉に、馬麟さんがハッと顔を上げた。
wwwそうか?けっこうよく声を荒げているような・・・www
呉用「いいな、馬麟」
馬麟「・・・承知しました。さあ郁里さん、行きましょう」
そう言って、馬麟さんが私を呉用さんから引き離そうと肩を掴んだ。
1:呉用さんと一緒がいい
2:何を考えてるんですか?←
3:離れたくない
郁里「なにを考えているんですか、呉用さん?」
呉用「先ほど、皆に伝えたことが全てだ」
郁里「そんなのウソに決まってます!」
呉用「生き延びる確率を高めたいだけだ。私だって、自分の命は惜しい」
郁里「ずっとそばにいようって、言ってくれたじゃないですか。一緒になろうって・・・」
再び着物をつかもうとしたけれど、するりと避けられる。
呉用「・・・早く行け、馬麟」
馬麟「・・・はい」
馬麟さんが私を引きずるようにして、幕舎を出ようとする。
郁里「呉用さん!嫌です!!」
呉用さんに向かって精一杯、訴えかける。
でも、呉用さんはこちらに背を向け、私のほうを見ようともしてくれない。
郁里「呉用さん・・・っ!」
すれ違いざま、何か覚えのある匂いが鼻をくすぐった。
胸の奥をくすぐるような、懐かしい・・・。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
本編もそうだったけど、やっぱ十一章は盛り上がるね~!
あんまりツッコミどころがないのが寂しいですがwww