【一〇八恋星☆水滸伝】呉用後伝 第十章 第一話~第五話 | andante cantabileーまなみんの別カレ日記ー

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こんにちは!



猛暑につき、子供と家に閉じこもっております、まなみんです!!



こんなクソ暑い中、仕事以外で外出する人の気がしれないwww



さて、ようやく十章に到達しました、呉用さん後伝です。


ネタバレです。




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呉用「これは・・・どういうことだ?」



呂方くんに問いかける呉用さんの声が、珍しく震えていた。



呂方「官軍、です」

呉用「・・・・・」

呂方「使いは二人なんですが、何しろ、背後に控えているのはあの大軍なので・・・」

呉用「これでは、脅しではないか!」

呂方「皆もそう言ってるところです」



呉用さんがグッと唇を噛みしめた。



呉用「分からぬ奴らだ・・・。呂方、これから私が行くと、皆に伝えてくれ」

呂方「承知」

呉用「それから、郁里。広間まで、支えて行ってくれるか」

郁里「もちろん、そのつもりです」

呉用「・・・・・」




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呉用さんを支えて広間に行くと、既にみんなが顔をそろえていた。



宋江「すまないね、呉用。そんな大けがを負っているときに、無理をさせてしまって」

呉用「ご心配は無用です。それよりも、私が臥せっている間に、梁山泊に大事があっては、軍師としての私の名が廃りますから」

宋江「ははは、全くだ」



呉用さんと宋江さんは微笑み合ったけれど、張り詰めたその場の空気が緩むことはなかった。



宋江「外の様子はもう見たかな?」

呉用「ええ、壮観でしたね」

宋江「ふふふ、余裕じゃないか。戦場以外であの光景をみることになるとは、思ってもみなかった」

呉用「同感です。それで、朝廷はなんと言ってきているのです?」

宋江「方臘を早く討て、何をモタモタしているのだ、とね。もしや、梁山泊と方臘は通じているのではないか?それならば、官軍がこの場で梁山泊を潰すまで、とも言われてしまったよ」

呉用「ついに、脅しをかけてきたというわけですね」

宋江「その通りだ。官軍では、反乱軍を一つとして抑えることはできなかったというのに、随分と強気なことを言うものだな」



珍しく、宋江さんが皮肉めいたことを口にした。



(それだけ、怒っているということなのかも・・・)



いつもと変わらない宋江さんの横顔を見つめながら、そんなことを考える。



宋江「まあ、この状況の対策のため、皆に集まってもらったんだ」



宋江さんがぐるりと広間を見回した。



林冲「オレたちの意見を聞き入れてもらえるってことですか?」



まず初めに口を開いたのは、林冲さんだった。



宋江「そもそも、方臘の討伐は行うつもりでいた。なのに、このような形をとられてしまってはね。さすがの私も、少し気にくわないと言わざるを得ない」

李逵「おいら、朝廷のために働くなんて、ぜってーにいやだぃ!」


www口を閉じてろwww



突然、李逵さんが大きな声を張り上げた。



李逵「命令されてやるのだって、気にくわねえのに、なんで脅されなきゃなんねぇんだ」

李俊「それも、手の内のひとつだろ。あれだけの大軍を動かしたんだ。周辺の奴らだけじゃねぇ、今頃は、国中の奴らが気づいてるはずだ」

戴宗「朝廷が武力を以て梁山泊に命令をきかせた・・・そんな噂が広がれば、オレたちも形無しだな」

阮小五「そういえば、戴宗さんは、どうしたあの軍勢に気が付かなかったんですか?」

戴宗「ま、朝廷には頭の切れる奴がいるってことだよ。大がかりな調練をするとは聞いちゃいたんだが・・・まさかその軍がこれだけの速度で移動してくるとはな・・・」

阮小五「おそらく、朝廷としても、こっちの不意を突きたかったんでしょうね」

李俊「・・・飛脚屋も、随分ともうろくしたなぁ」

戴宗「・・・おいお前さん、このオレを年寄扱いするなら、ちったあ覚悟しろよ」

呂方「でっ・・・でも、なんであいつらは自分たちで方臘を討たないんだ?」

扈三娘「ったく、呂方はおこちゃまだねぇ。人形がたくさんいたって、戦えやしないだろうが」

呂方「人形?」

扈三娘「そうさ。あそこにいるのは、官軍とは名ばかりの腑抜けの軍隊だからね。率いている武将だって、大したことないだろうよ」

呂方「じゃあ、今すぐここで討っても・・・」

林冲「いや、彼らを倒したところで、あとには恐らく童貫が控えているはずだ」



“どうかん”という人の名前とともに、場がざわついた。



(よっぽど、強い人なのかな・・・)


林冲「それに・・・腑抜けた軍とはいえ、これだけの数を始末するのは骨が折れる。大方、オレたちが疲弊したところで童貫軍が叩く・・・という寸法だろう」

李逵「じゃあ、いったい、どうすりゃいいんだよ!」

史進「・・・頭」



それまで黙って話を聞いていた史進さんが口を開いた。



史進「考えを聞かせていただきたい」

宋江「・・・・・」

史進「頭の意見は梁山泊の皆の意見。俺は、頭の本当の気持ちが知りたい」

宋江「私の考え、ねえ・・・」



宋江さんの考えが知りたいという史進さんの言葉に、宋江さんが優しく微笑んだ。



宋江「先も言ったように、私は方臘も討つべきだと考えている。民の営みを阻害して私腹を肥やすのは、官だろうと賊だろうと許しがたい。それに、これまでに制圧した王慶、田虎から、梁山泊へと流れてきている者もいる。梁山泊の兵力は、それだけ大きくなっているんだ」

史進「つまり頭は、そうやって梁山泊の力を大きくし、最終的に、朝廷を倒そうと考えている。そう理解しても?」

宋江「・・・正確には、少し違うかな。私は、この国を平和な国にすることを目指しているんだよ。そのためには、方臘を討つ必要もあるということだ」

史進「・・・承知」

林冲「宋江さんがそう言う気持ちなら、オレはそれに従うよ」

宋江「・・・皆は、どうだい?」



宋江さんが広間を見回し、尋ねた。

それぞれ、少し腑に落ちないところはあるようだったけれど、お互いにうなづきあい、宋江さんの意見に従う意思を見せた。



宋江「・・・わかった。では、梁山泊の総意として、朝廷には出陣の意志を伝えよう」



そう言うと、宋江さんは広間を出て行った。



呉用「・・・私も、部屋に戻った方が良さそうだな」

郁里「じゃあ・・・」



立ち上がる呉用さんを支えようと手をのばしたけれど、軽く制される。



呉用「いや、今度は急く必要がない。いい機会だから、歩く練習がてら、一人で戻る」

郁里「でも・・・」

呉用「心配には及ばない」



そう言うと、呉用さんはゆっくりと広間を出て行く。



(大丈夫かな・・・)



追いかけてその体を支えたいとは思うものの、なんだか拒否されたようにも思えて、その場を動くことができなかった。



李俊「ったく、モヤモヤするったらないぜ」



沈黙を破るように、李俊さんが声を張り上げた。



李逵「モヤモヤって、なにがだい?」

李俊「なんだかんだ言って、結局は軍師ドノの思い通りになってるんじゃねぇかって気がするんだよ」


wwwそりゃ、頭脳派だからねwww


(呉用さんの・・・思い通り?)



李俊さんの言葉に、その場に残っていたみんなが考え込むような表情を見せた。



史進「・・・俺はそれでも構わん」

李逵「そりゃどういう意味だぃ、史進さん」

史進「呉用殿がどう考えていようと、頭の意志は今聞いた。それで十分だ」

李逵「史進さんは、そうかもしれねぇけどよぉ」

郁里「・・・李逵さんは、みんなが幸せになれるようにしたい、ですよね」



つい、二人の会話に口を挟んでしまう。

みんなの視線が私に集中した。



郁里「確かに、呉用さんが何を考えているのかは、私にもわからないけど。でも・・・みんなの、この国の幸せを考えているのは間違いないと思うの」

戴宗「最近じゃ、それすらも怪しいと思うんだがな」

郁里「呉用さんが私利私欲で動くような人じゃないことくらい、みんな知ってるでしょ?」

李俊「・・・それは認めてもいい。ただな、軍師ドノの場合は、いちいち癇に障るからな。ついつっかかっちまうんだよ」

郁里「子供なんです」

李俊「・・・は?」

郁里「子供なんですよ、呉用さんって」


うっわー!!!むっかつくー!!!何様だよ、アンタ!!!!!\(*`∧´)/


李俊「・・・・・」

郁里「なかなか、素直になれないんですよ。もしかしたら、素直になったら負けだと思っているのかも・・・」



私がそう言うと、みんながニヤリと笑みを浮かべた。



李俊「確かにな」

林冲「素直じゃないし」

阮小五「照れ屋ですよね」

戴宗「恋愛には不器用ときた」

李逵「でもさ、いつでも一生懸命だよな!」



ようやく、広間の空気が柔らかくなっていく。



李逵「・・・かぁぁぁ。なんか、うまく誘導された気がしねぇでもねぇが・・・仕方ねぇ。姉ちゃんに言われちゃ、これ以上文句は言えねぇやぃ」

林冲「それじゃあさっそく、出陣の準備をしないとね」



わいわいと言いながら、みんなが出て行き、残された私はほっと息を吐いた。

呉用さんのどこか思いつめたような横顔が思い出される。



(・・・ほんと、子供みたい。本当は、何を考えているんですか?呉用さん・・・)




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(呉用さんはいったい何を考えてるんだろう・・・)



最近は触れられることも減っていた。

そして、触れる時も、直接的ではないことが多い。



(きっと、考えていることが伝わってほしくないときは、私に接触しないようにしているんだよね・・・あれ?でも・・・)


www呉用さんが気の毒でしょうがないwww



ふと、あることに思い当たる。



(呉用さんが怪我をしていたとき、看病で触れていたし、移動するときに支えることもあった。それなのに・・・どうして、呉用さんの考えを察することができなかったんだろう)


郁里「どうして・・・」



考えを巡らせる。

何かに引っ掛かりを覚えそうになったとき・・・。



呉用「何を難しい顔をしているのだ?」



ひょっこりと呉用さんが姿を現した。



1:明日の朝食のこと

2:呉用さんのこと←

3:ボーっとしていただけ



郁里「呉用さんのことを考えていました」

呉用「・・・あまり、からかうものじゃないぞ」

郁里「だって、本当のことですから」

呉用「そうか・・・私もだ」

郁里「え・・・」

呉用「考えていたら、無性に顔が見たくなって・・・だから、来た」

郁里「あの、呉用さん、寝てなくていいんですか?あんまり動くと、傷に障るんじゃ・・・」

呉用「ああ、大丈夫だ。ずいぶんと調子はいい。それに、郁里に渡したいものがあってな」




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ヒロインちゃんは、呉用さんはああだこうだと、人にペラペラ言い過ぎだと思う。


私が男なら、こんなおしゃべりな女、嫌だわ・・・