こんばんは!
暑さのせいで、なかなか疲れの取れないまなみんです!!
更新が遅くて大変申し訳ございません(T-T)
疲れのせいか、夜更かしができなくて・・・←年のせい
それでは史進ルート、第四章ラストです('-^*)/
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響いた悲痛な声。
陳達さんが、私たちの前に立ちはだかった。
そして、陳達さん越しに大量の矢が襲い掛かってくるのが見えた。
史進「陳達!!」
陳達「はあぁっ!!」
陳達さんが、矢に向かって剣を振るった。
矢のほとんどは弾いたけれど、全てではなかった。
陳達「ぐ・・・っ!」
郁里「あ・・・あ・・・陳達、さん・・・」
それ以上、私は何も声を発することができなかった。
史進「馬鹿っ!弱い者は放っておけといっただろう、陳達!」
陳達「へ、へへ。たまたま、ここに立ち止まっちまっただけですよ、頭・・・」
弱々しい笑顔を浮かべた後、陳達さんはその場に崩れ落ちた。
郁里「陳達さんっ!!」
史進「動くな、原!!」
郁里「でもっ!陳達さんがっ!!」
史進「お前が動き、敵の標的にでもなってみろ!陳達の働きが無駄になるだろう!」
きっぱりと言い切った史進さんの唇は、わずかに震えていた。
(あっ・・・・・一番辛いのは、史進さんなんだ・・・)
見ると、楊春さんが目にも止まらない速さで陳達さんに近づき、ぐったりとした体を抱えている。
それも史進さんの計算のうちだったのかもしれない。
史進「逃げ切れるか・・・きわどい・・・」
大蛇は暴れ狂い、史進さんの隊の兵たちは少しずつ数を減らしていた。
郁里「史進さん・・・!」
史進「なんだ」
郁里「囮でもなんでもいい。私を使えないかな」
史進「な・・・っ、何を言っているんだ!?」
郁里「私だからこそ、敵の意表をつけることがあるなら、使ってほしいの」
史進「ふざけたことを言うな、弱いくせに・・・」
郁里「弱いって・・・強いって、なに?史進さん」
史進「どういう・・・意味だ?」
郁里「ただ剣の腕があれば、強いって言うの?」
不思議そう表情を浮かべる史進さん。
一方で、私はなぜか心が・・・落ち着いていた。
その時!
史進「原、ここも危ない。逃げるぞ」
史進さんの声に天空を見ると、狙ったように大蛇が私に踊りかかってきた。
郁里「・・・・・!」
突然、胸のあたりが熱く、熱を持ち始めた。
(なに、これ・・・っ。胸が燃えるように熱い・・・!)
見ると、胸が光を放っていた。
あたり一面を真っ白に染める。
次の瞬間、大蛇が苦しげに身をくねらせ始めた。
そして・・・フッと突然、その姿を消した。
郁里「き、消えた・・・?」
さっきまで、隊を苦しめていた大蛇は、あとかたもなく姿を消していた。
敵陣に焦りの色が見て取れる。
(妖術が使えなくなったとか?)
どういうことか確かめようと、史進さんの方を振り向いた。
すると・・・。
史進「・・・・・っ!」
見ると、史進さんがうずくまったまま、わずかにうめいている。
郁里「史進さん!どこか怪我しましたか!?」
慌てて、そばへと駆け寄る。
史進「・・・くそっ。俺は・・・また・・・また・・・!」
郁里「え・・・・・?」
史進さんが震える声で何かを吐き出すように小声でつぶやく。
しかし、何を伝えようとしているのかは、わからない・・・。
兵士「頭!高廉が突っ込んできます!」
味方の叫ぶような声に、ハッと視線をあげた。
見ると、恐ろしい形相で敵軍がこちらに向かって突撃してくるのが見える。
どうやら大将らしい人が、先頭に立って馬を駆っている様子。
きっとあれが高廉だろう。
その剣幕に、背筋が冷たくなる。
郁里「史進さん!ここは危険です!逃げましょう!」
史進「・・・・・」
史進さんの顔はまだ、真っ青だった。
わずかに何かに怯えるように、体が震えていた。
敵はすぐそこまで迫っていた。
高廉「お前がこの隊の大将か!よくもやってくれたな、覚悟しろっ!!」
wwwよくもやってくれたな、って変なのwwwお互い様だろ、戦争中なんだからwww
郁里「史進さん!逃げて・・・っ!」
そう叫んだときだった。
あたりに、刃の交わる鈍い音が響いた。
www「刃の交わる音」って、決して鈍い音ではないと思うよwww
郁里「みなさん・・・!」
見ると、史進さんの隊の人たちが、必死に高廉を食い止めていた。
兵士「おい、あんた!今のうちに頭を・・・!」
郁里「は、はい!」
味方のみんなは、壁を作るようにして私と史進さんを守ってくれている。
高廉たちの激しい攻撃に歯を食いしばりながら耐えていた。
郁里「史進さん!あなたが立たないと、みんなが・・・!」
史進「あ、ああ・・・」
かろうじて、返事はしてくれたものの、史進さんの呼吸は荒く、相変わらず顔色は悪いままだった。
少しずつ、高廉に押され始める。
郁里「史進さん、立ってください!」
史進「・・・・・」
郁里「大丈夫です、負けたりしません!かならず、宋江さんたちが助けにきてくれます!」
力の限りそう叫ぶと、近くにいた味方の一人が剣を振りながら私に話しかけてきた。
兵士「どうして、そう思う!」
郁里「え・・・だって・・・高廉が本隊に勝ったら、負けて逃げる人たちを追いかけるんじゃないですか?それなのに、お城に引き返そうとしたら・・・頭の良い呉用さんなら、何かに気付くんじゃないかと・・・」
兵士「はっ!なるほどな!おいみんな、うちの隊に朱武殿のような知恵者が増えたぜ!」
その声に、壁をつくっていた仲間のみなさんが、笑い声と共に気を入れ直した。
(・・・・・?遠くに、また新しい土ぼこり・・・)
遠くから、たくさんの馬の蹄の音が近づいてくるのが聞こえた。
忍び寄る死の予感に、私は体を固くする。
兵士「おおっ・・・!あんたの予想は当たったな!」
郁里「え・・・・・っ!」
兵士「あれは、本隊だ!!」
???「郁里ちゃん!無事か!?」
駆けつけたのは・・・。
郁里「林冲さん!!」
林冲「!史進・・・?」
林冲さんが、史進さんに気遣わしげな視線を投げかける。
林冲「・・・!まさか!」
郁里「え?」
林冲「郁里ちゃん、話はあとだ。誰か!早く史進を馬に乗せろ!」
その間にも襲い掛かってくる高廉の兵を押し返しながら、林冲さんが叫ぶ。
徐々に本隊が高廉軍の周囲を囲みだし、形勢は逆転した。
しばらくして、高廉軍は城の方角に逃げていった。
(あっ・・・逃げられた・・・。でも・・・とにかく・・・助かった!)
死神の鎌が、喉元から去っていくのを感じながら・・・私は全身の力が抜けて、立てなくなってしまった。
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本陣の林冲さんや宋江さんが来てくれたおかげで、私たちはどうにか切り抜けることができた。
怪我をした人たちを治療したり、食事をとったりと、激戦を終えた全軍が、今リラックスしている。
郁里「陳達さん・・・大丈夫ですか?」
陳達「ああ・・・すまねえな、心配かけて」
郁里「!謝らないでください。私たちを守ってくれたせいで・・・」
陳達「いいんだ、俺がそうしたかったんだから・・・。それより、頭はどうだい。大丈夫か?」
郁里「・・・みたいです」
陳達「・・・よかった」
そう言うと、陳達さんは目を閉じた。
( ̄□ ̄;)!!
郁里「陳達さん!?」
軍医「今は静かにしてやってくれ。とにかく、体を休めることが必要だ」
郁里「は、はい・・・」
ビックリしたわ!死んじゃったかと思ったじゃん!!
振り返ると、史進さんがわずかに首をうなだれて座っているのが見えた。
きっと、全責任を一身に帯びているのだろう。
私はそっと、そばに近づいた。
郁里「史進さん・・・」
声をかけると、史進さんはわずかに体を震わせた。
郁里「あ・・・史進さん、腕・・・」
見ると、腕には矢傷があった。
史進「・・・・・」
郁里「ありがとうございます、史進さん」
史進「え・・・・・?」
郁里「助けてくださって。本当に死ぬかと思いましたが、史進さんのおかげで生き残れました」
史進「・・・そんなことは、ない」
史進さんの声は、驚くほど小さいものだった。
史進「俺は、弱いな。朱武を怪我させ、陳達を瀕死に追いやり、味方をたくさん失った・・・」
郁里「・・・・・」
史進「俺のせいで・・・。とてもじゃないが・・・追いつけない」
郁里「・・・追いつけない?」
史進さんの言葉の真意を探ろうとしていると・・・。
背中から穏やかな声がかかった。
林冲「史進、郁里ちゃん。・・・・・二人とも、ここにいたのか」
郁里「林冲さん・・・」
林冲「陳達は、どう?」
郁里「・・・まだ、何とも」
林冲「そう・・・。心配だろうとは思うけど、仕事は仕事だ。これから今後についての会議をするらしい。二人とも、来てくれるかな」
郁里「・・・はい」
史進さんも小さく頷き、重い腰をゆっくりとあげた。
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宋江さんの幕舎で、会議は始まった。
すんなりと勝てたわけではないせいか、全員表情がかたい。
宋江さんは、それでものんびりとした構えで現状を説明した。
宋江「・・・高廉は逃がしてしまったね。現在、高廉は籠城。しばらくは膠着状態かな」
林冲「籠もられると、城攻めは厳しいなぁ・・・。犠牲もばかにならないし」
宋江「うん。それに、高廉には妖術もある」
私は、あの大蛇の姿を思い出して、小さく身震いした。
隣で史進さんが、ちらっと私を見た。
(気にして、くれたのかな?)
宋江「とはいえ、梁山泊に喧嘩を売るために柴進を捕らえた高廉だ。できれば、ここで徹底的に叩いておきたい」
場が緊張感に包まれる。
宋江「喜ばしい報告もある。柴進を取り戻せたことだ。史進が瞬時に状況を判断し、機転をきかせてくれたようだね」
史進「俺は何も。柴進殿を助けに行くことを思いついたのは、原ですから」
宋江「ほう・・・・・それは、ずいぶんとお手柄だ」
全員の視線が私に集まる。
1:たまたまです
2:大したことはしてません
3:史進さんのそばにいたから←
郁里「それはきっと・・・史進さんのそばにいたからだと思います」
史進「え・・・?」
宋江「・・・・・ほう」
郁里「史進さんのそばにいると、頭が冴えるんでしょうか・・・」
宋江「・・・ふふ、そうかもしれないね」
史進「・・・・・」
宋江さんが、意味ありげな笑みを浮かべる。
史進さんはというと、少し顔を赤らめていた。
(あれ、私、何か変なこと言ったかな?)
www無意識の罪www
宋江「今、呉用が新たな策を練っている。それまでは警戒しながらも待機する。何か意見は・・・?」
宋江さんは周囲を見渡した。
しかし、誰も声をあげる人はいない。
宋江「うん。なら、会議はこれで終わりとしよう。しばらく、動きはないと思うが、各自気を緩めないようにね。油断は、身の破滅だ」
宋江さんの言葉に全員がうなずくと、会議は自然と散会した。
史進「・・・・・」
史進さんは、じっと何か考えこんでいるようだった。
(今は、そっとしておいたほうがいいかな?男は一人になりたいときがあるって、陳達さんも言っていたし・・・)
そう思い、一人で幕舎を出ようとしたときだった。
史進「・・・原」
郁里「は、はいっ?」
手首を掴まれ、呼び止められた。
思わずドキッとして声が上ずってしまう。
史進「・・・ちょっといいか」
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戦場のシーンは、ツッコミどころがあんまないので寂しいですwww
っていうか、宋江さんの戦装束は派手すぎじゃ・・・
大将は、あえて派手なカッコするものなのかな?(兵の士気を上げるためとか・・・)
てことで、本日の私的名ゼリフ~
「いいんだ。俺がそうしたかったんだから」 by 陳達
カッコイイ!!さすが少華山の数少ない常識人間www
以上!!