※ネタバレしてます!!
※簡易レポです!!
※でもツッコミは入れます!!
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宋江「なに・・・阮小五が・・・」
林冲に連れられて梁山泊へ戻った郁里は、すぐに阮小五が捕らえられてしまったことを報告した。
郁里「ごめんなさい・・・!私のせいで・・・」
戴宗「・・・子猫ちゃんが気にすることじゃない。奴らは性根が腐ってる。お前さんにぶつかったのだって、わざとかもしれない」
史進「・・・金・・・か」
李俊「ああ。それにしても、顔が割れてたのは、阮小五の不運だ」
林冲「阮小五を捕らえたのは、おそらく梁中書の手のものです」
宋江「なに・・・」
宋江の顔色が変わる。
李俊「あいつら、うちに財宝を奪われたこと、かなーり恨んでるからねぇ・・・」
史進「見せしめで、すぐに処刑する可能性も・・・ある」
郁里「そんな・・・・・・!」
林冲「おい、史進!」
史進「・・・・・・!配慮が足りなかった」
林冲「それはさておき・・・宋江さん、進軍の許可をお願いします」
宋江「・・・・・・・・・」
林冲「今、阮小五を欠かすわけにはいきません。なんとしてでも助け出さないと・・・」
李俊「この進軍に関しては俺も賛成だ。阮小五は絶対殺させねぇ・・・」
宋江「しかし・・・今は、曾家の脅威もある」
宋江の言葉に、場がシンと静まり返る。
宋江「手薄の梁山泊が攻められれば、ひとたまりもない」
林冲「じゃあ、どうすれば・・・!」
宋江「呉用はどう思う」
その場の全員が呉用を見る。
呉用は郁里を見ると、わずかに笑みを浮かべた。
呉用「・・・私も、梁中書を攻め、阮小五を取り戻すべきだと思う」
林冲「呉用さん!じゃあ・・・・・・!」
呉用「すみやかに進軍の用意を。もし梁中書を放っておけば、曾家に攻め入られたときに挟み撃ちに遭う可能性がある」
その場が一気に盛り上がる。
宋江「・・・いいだろう。梁山泊頭首の私の名において、戦を始める。それぞれ、出陣の準備を」
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進軍が決定し、梁山泊内は一気に慌しい空気に包まれる。
呉用はますます忙しくなり、食事をとる暇さえなくなっていた。
地図を見ては、なにやら考え込んでいる。
郁里「阮小五くん・・・無事でしょうか」
呉用「・・・それは分からない。無事であることを祈るしかないな」
郁里「私のせいで・・・」
呉用「私は、阮小五に感謝している」
郁里「え・・・・・・」
呉用「君を無事に梁山泊に返してくれたこと。もし、君に何かあったとしたら・・・私は阮小五を恨んでいたかもしれない」
郁里「呉用さん・・・」
呉用「出陣をすぐに決めたのは、そんな思いがあったからかもしれない。戦いに私情を挟むとはね・・・」
自嘲気味に呉用が微笑む。
呉用「私は、君をなくすのが・・・とても怖い。しかし・・・これからは、戦いに集中したい。だから・・・」
郁里「え・・・・・・」
呉用「君は、梁山泊に残りなさい」
呉用の言葉に、郁里は愕然とした。
郁里「どうしてですか・・・・・・!」
行くつもりだったんかい!( ゚ ▽ ゚ ;)
呉用「今回のことで分かっただろう。君が危険にさらされると、我々は身を挺して君を守ろうとする。結果、阮小五は捕まった」
郁里「それは・・・・・・っ」
呉用「今、君は梁山泊にとって、特別な存在だ。勝利へと我々を導く天女。天女を守らなければならない。そんな意識が働いている」
郁里「私は天女なんかじゃ・・・・・・!」
呉用「君がどう思っているかは関係ない。要は周りがどう思うかだ」
郁里「そんな・・・」
呉用「悪いことは言わない。ここに残ることが、梁山泊のためでもあり、君のためでもある」
郁里「・・・嫌です」
イライラ・・・(-""-;)
呉用「聞き分けのないことを言うな」
郁里「阮小五くんは私のせいで捕まりました。その阮小五くんを助けるために、私も力になりたいんです」
何もできないくせに(-""-;)
呉用「力になるなど・・・自分の能力を過信するな」
郁里「やってみないと、わかりません」
呉用「郁里!」
郁里「呉用さんが何と言おうと、私は一緒に行きますから」
呉用「・・・・・・・」
役立たずのでしゃばりは、乙ゲーヒロインの共通点やね(-""-;)
呉用「・・・勝手にしなさい」
郁里「呉用さん・・・・・・!」
郁里は笑顔になるが、呉用から帰ってきたのは冷たい言葉だった。
呉用「勘違いするな。この進軍、私は君がいないものと考えて行動する」
郁里「えっ・・・」
呉用「戦いの指揮に集中したいと言っただろう。分かったな」
そう言い捨てて、呉用は部屋から出て行った。
郁里は胸の奥に重い何かが詰まったような、そんな気がした。
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準備が整い、ついに進軍が始まった。
大勢の兵士たちが、整然と並びながら進む。
そんな中、郁里を馬に乗せている林冲が、背中からたずねてきた。
林冲「呉用さんと喧嘩でもした?口もきいてないみたいだけど」
郁里「喧嘩なんて・・・そういうわけじゃ・・・」
林冲「じゃあ、どうしてそんな悲しそうな顔してるの?」
1:阮小五くんが心配で
2:呉用さん、ちゃんと食べてるかなって←5UP
3:戦いが怖い
郁里「呉用さん、ちゃんと食べてるかなって」
林冲「はははっ!まるで母親みたいな心配だな」
郁里「だって、食べないと力が出ないし」
林冲「こんなふうに心配されて、呉用さんは幸せ者だな。まあ、オレたちの心配としては、郁里ちゃんと喧嘩していることによって、呉用さんの指揮が鈍ったりしないか、ってそれだけが気になるんだけどね」
郁里「呉用さんは、その程度で揺らいだりする人じゃ・・・」
林冲「自分のことを見くびっちゃ駄目だよ、郁里ちゃん」
郁里「え・・・?」
林冲「呉用さんの指揮に影響を与えてしまうほど、郁里ちゃんの存在は呉用さんにとって大きなものなんだ。そのあたりをちゃんと自覚してもらわないと困るな。その証拠に・・・」
林冲が少し先を行く呉用を見る。
呉用「・・・・・・」
林冲「さっきから、呉用さんがこちらを気にしてるって気づいてた?」
郁里「えっ・・・・・・」
一瞬、呉用と目が合ったが、すぐに逸らされてしまう。
林冲「そういうこと。分かった?」
郁里「・・・・・・はい」
林冲「そうだ。いい機会だから、呉用さんの秘密、教えてあげようか?」
郁里「秘密?」
林冲「呉用さんって、理解できない気持ちになると、敬語になるんだよ」
郁里「え・・・・・・?」
林冲「今回は、きっと、嫉妬。見ていてごらん」
林冲は馬を蹴ると、呉用のところまで駆けていった。
ちらりと呉用が二人を見る。
呉用「何か用ですか、林冲」
wwwwwwwwww
林冲「ほら、言ったとおりでしょ?」
呉用「何の話です」
林冲「ううん、なんでもない」
呉用「なら、早く持ち場に戻ってください」
林冲「うん・・・・・・あ、呉用さん」
呉用「なんです」
林冲「あんまり、喧嘩は長引かせない方がいいよ」
呉用「・・・・・・!」
赤面する呉用に背を向け、林冲は自分の騎馬隊に戻った。
林冲「分かったでしょ?呉用さんがすっごくヤキモチ妬いてるって」
郁里「・・・・・・はい」
林冲「だから、何があったかは知らないけど、早く仲直りするのが梁山泊軍のためだから。でないと、戦いに集中できないだろうし」
郁里「はい・・・・・・」
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日が暮れた頃、軍は野営のために簡単な幕舎を張った。
郁里は話をするため、呉用の元を訪れることにした。
そっと幕舎をのぞくと、呉用の背中が見えた。
郁里「呉用さ・・・・・・」
声をかけようとして、慌てて口をつぐむ。
呉用の隣には、寄り添うようにして扈三娘がいた。
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時間があったので、連続UP!