※盛大にネタバレしてます!!
※ヒロインの名前は「沢村綾」ちゃんです!!
※萌え、ツッコミあり!!
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綾「京都で合宿なんて、どうかと思ってたけど」
カナコ「来ちゃえばけっこう楽しいね!」
綾「うん!・・・でも。午前中は観光できたけど、午後からは・・・・・・」
カナコ「蒼凛高校剣道部名物。地獄の1000本素振りが待ってるわ・・・」
綾「ほんと・・・なんで女子高生になってまで、夏休みに部活で苦しまなきゃならないんだろう・・・」
(σ・∀・)σ好きでやってる部活でしょwwwww
カナコ「あんたに付き合って、剣道部入ったアタシに一言は?」
綾「・・・・・・ごめん」
カナコ「あははっ!素直でよろしい!ま、あんたの実家って剣道道場だし、仕方ないよね。しかも、あんた無駄に強いし。今じゃウチのエースじゃん。あたしも鼻が高いんだから」
綾「カナちゃんが居るから、部活も楽しいんだよ。ほんとありがとね」
ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノカナちゃんはいい子だね
カナコ「もぉーーっ!うれしいこと言ってくれるじゃないっ!」
ドンっと、照れたカナちゃんが、私の背中を叩いた。
綾「いった!」
カナコ「!あっ」
綾「え」
カナちゃんが、私の後ろを見ながら声を上げる。
私も、つられて後ろを振り向く。
草むらの奥の方に、私のお気に入りのキーホルダーが、飛んでいくのが見えた。
スクバに付けてた、キラキラした猫のキーホルダー。
カナちゃんとおそろいで買ったやつだ。
カナコ「ごめっ!アタシが吹っ飛ばした!」
www元気だねwww
綾「もー、乱暴なんだから」
カナコ「探してとってくる」
草むらのある林はけっこう深くって、小さなキーホルダーを探すのは大変そう・・・
綾「いいよ、私が行ってくるから」
カナコ「いや、行く行く。あたしのせいだし」
綾「・・・もうすぐ集合時間だし、集合場所までけっこうあるし」
カナコ「そうだけど」
綾「集合場所までダッシュして、探し物してるから遅れますって監督に報告するのと、ここでのんびり探して、のんびり集合場所に向かうのだったら・・・さて、どっちがいいでしょう?」
カナコ「・・・あ、なるほどね。あんたちゃっかりしてるわ」
綾「そーいうこと。はい、じゃあ、さっそくダッシュお願いします!」
カナコ「りょーかいしましたっ・・・・・って、報告したらまた戻ってくるから。あんまり奥に行っちゃだめだよ」
綾「うん、わかった。・・・ごめんね」
カナちゃんは笑顔で、私の頭をポンポンすると。
集合場所へ向かって、走っていった。
綾「・・・さてと、探さなきゃ。・・・こっちの方に飛んでいったんだけどなー・・・」
ガサガサと林の中に入っていく。
草むらはやっぱり深くて、探すのはほんとに大変そう。
綾「早く見つけて、カナちゃんを安心させてあげなきゃ」
草をかきわけながら進んでいくと、向こう側に何かが見えてきた。
綾「・・・お寺?にしては小さいけど・・・」
wwwどう見ても神社www
綾「こんな所にも、お寺があるなんて、さすが京都」
ちょっとボロくなってる、お寺の前に立ってみる。
上の方に飾ってある縄もボロボロで。
横で結んである紐が、今にも取れそうになってる。
あんまり手入れしてもらってないお寺が、ちょっと可哀そうに思えてきた。
綾「・・・これ、直してあげたら。キーホルダー探すの、助けてくれますか?・・・・・・なんてね」
ひとり言をつぶやきながら、近くにあった箱を台にして、紐を結び直してみる。
綾「よいっ・・・・・・しょっと。うん。これで少しはマシになったかな・・・・・・・っえ!?じっ地震!?」
突然ぐらぐらと地面が大きく揺れだした!
台に乗っていたせいで、私の体もバランスが崩れて・・・・・・!
綾「きゃぁっ!!」
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・いったぁ・・・・い・・・・・・。
・・・・あ・・・・・・・
・・・・・台から落ちちゃった・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・のかな・・・
綾「い・・・たた・・・・・」
起き上がって、スカートのすそをパンパンとはたく。
綾「え!?」
ここどこ!?
綾「さっきと場所がちがう・・・?」
いやいやいやいや、そんなばかな。
綾「こんな・・・赤いの・・・無かったよね?」
www鳥居ねwwww
あったっけ?
いや、でも、無かったはずないよね。
やだ、私落っこちたショックで、変になっちゃったのかな?
綾「・・・い、一回カナちゃんとこに戻ろう・・・」
と、振り返ってみても。
綾「お寺もない!?」
wwwだから神社www
これじゃ、道わかんないよ・・・
やばい・・・どうやって戻ればいいかわかんない・・・
京都なんて初めて来たし、ここがどこだか全然わからない。
誰かに道を聞きながら戻るしかないかな・・・
wwwケータイあるだろwwww
??「おい!」
綾「!」
後ろから男の人の声。
こ、これって、私に言ってる?
??「そこの女!止まれ!」
ガッと後ろから肩を掴まれた!
綾「ぃやっ!?」
思わずあげた大声に、その男の手が離れる。
恐る恐る振りかえると、着物を着た人が私を見ていた。
??「お前、ここで何をしている」
なんだかものすごく怒ってるみたい・・・
??「・・・ここで何をしている、と言っている」
これって地元の不良かなにか?
私、絡まれてるのかな?
wwwいくら京都でも不良が着物なんか着るかいwww
??「おい!何をしていると聞いてるんだ!」
男の人は、腰に差している刀みたいなものを持って、にじり寄ってくる。
綾「・・・・・・ぁっ、あの・・・・・・」
??「これ、以蔵。それくらいにしとけ」
以蔵「・・・龍馬」
わっ、また男の人が増えた!
龍馬「悪かったのう。以蔵も、悪気があったわけじゃないんじゃ。ゆるしちゃり」
・・・けど、この人は怖くない感じ・・・・・・
綾「・・・は、い・・・」
私はただ頭をコクコクと、うなずかせるだけしかできない。
龍馬「・・・・・・ん?服が異国の物だと思っとったが、君は異国人じゃないみたいぜよ」
綾「イコク?」
お兄さん、めちゃめちゃ方言がきつい。
京都っぽくないけど、この人も観光客なのかな?
龍馬「そういう格好で歩いてると、京都はあぶないぞ」
綾「そ、そうなんですか?」
ふ、普通だと思うんだけど・・・
女子高生のひとり歩きは危ないってこと?心配してくれたのかな。
龍馬「まだまだ、攘夷のやつらがいっぱいおるからね」
綾「ジョウイ?」
龍馬「異国人ぎらいのやつらだ。以蔵もそうだしな」
以蔵「・・・・・・」
綾「はぁ・・・・・・」
ぜんぜん意味がわからない・・・・・・
龍馬「でも異国の服を着てるってことは、おんしはどこから来たんかのう?」
おんし?って、私のこと?
綾「と、東京からなんで、京都の地理が全然わからなくって」
龍馬「ん?とうきょう?知らん土地じゃのう」
東京知らないって!
お兄さんこそ、どっから来たんだろう・・・・・・
綾「なので、実は迷子になってて」
龍馬「ほうかほうか、じゃあ、どこに泊まってるんかのう?宿がわかれば送り届けるぜよ。その格好で一人歩きは危ないからのう」
わ!やっぱりこのお兄さん優しい!
知らない人だけど、頼りにさせてもらったほうがいいかも。
一応、危なくなったらすぐ逃げれる準備はしとこう・・・
綾「えっと、確か・・・旅館でテラダ・・・何とかだったと思うんですけど」
龍馬「寺田屋?ほう、こりゃこりゃ。わしらと同じ宿じゃきに」
綾「そうなんですか?」
以蔵「寺田屋にこんな女はいなかったはずだ。おい、何が狙いで嘘をつく!」
こっこの人、私のこと嫌いなのかな・・・
綾「ほ、ほんとうです。今日から泊まる予定だったから、まだ行ったことはないですが・・・」
龍馬「以蔵、女子を怖がらせるもんじゃないきに。ちいと助けるくらいなんでもないじゃろう?」
以蔵「しらん。勝手にしろ」
そのまま男の人は、そっぽを向いてしまう。
なんで、こんなに嫌われてるの・・・・
??「以蔵の言う事も一理あるな、龍馬」
わっ、また誰か来た。
龍馬「おう、武市。遅かったじゃないか」
武市「遅かったんじゃない。どうするつもりか見ていたんだ」
三 (/ ^^)/武市さ~ん
龍馬「見てたんなら、早く声をかければいいじゃないか?」
タケチという人は、一度私の方を見ると、すぐに龍馬さんの方に向き直る。
武市「龍馬は、自分が国を動かす人間だという自覚はあるのか?」
龍馬「おう、あるある」
武市「ならば、こんなところで油を売っている場合じゃないのでは?」
ギラリと武市さんは再び私を見る。
うっ・・・こ、こわい・・・・・
武市「それに、今日は龍馬がどうしてもというから、以蔵まで連れてきたんだ。こんな小娘の相手をしている場合か」
こ、こむすめって。
龍馬「相変わらず、武市は窮屈じゃのう。おんしはあんまり気にするな。こいつはそういう奴じゃ」
綾「は、はあ」
って言われても気にするよ。
明らかに私邪魔そうだし・・・・・・
しかも、何だか会話の内容も、時代劇みたいになってきた・・・・・・
もしかして、近くで撮影とかしてて、その役者さんだったりするのかな?
龍馬「とりあえず、こん子をそのままにしておく訳にもいかんからのう、連れていくぞ」
以蔵「・・・・・・・・・」
武市「・・・・・・・・・」
二人は、もう一度私を見る。
・・・・・・でもなんだろう?
武市さん、怒ってるわけじゃないみたい・・・・・・
なんか、複雑な表情をして、そのまま気まずそうに目をそらしてしまう。
龍馬「連れてっちゃる前に、ちくと用事があるんじゃ」
綾「用事ですか?」
龍馬「お客さんを、迎えに行かなけりゃいけないんじゃ」
綾「むかえに・・・」
龍馬「ほいじゃ、一緒に行くかの」
そう言うと、龍馬さんは武市さんと以蔵さんを引き連れて歩き出した。
私も、取り残されないように、急いで後を追う。
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みんなは歩くのが早くて、ついて行くのが精いっぱい。
裏道みたいなところを、どんどん、どんどん進んでいく。
それにしても、町のどこを見ても、普通に着物の人ばっかりで・・・
綾「映画村みたい・・・」
つい、ポツリと呟いてしまう。
すると、武市さんが振り向いた。
武市「・・・・・・・・」
・・・・・・な、なんだろう・・・・・
武市「・・・さっきは、すみませんでした」
綾「え?」
武市「別に、邪魔だからというわけでは、ないんです」
・・・・もしかしてさっきのこと、気にしてるのかな?
武市「だから・・・その・・・」
何か言いづらそうに、目をそらす。
綾「あのっ、ぜんぜん大丈夫です。私こそすみません。助けてもらったのに、まだちゃんとお礼も言っていなくて」
武市「・・・・・・」
綾「ありがとうございました。本当にどこへ行っていいか困ってたんで、すごくありがたいです」
武市さんは、しばらく無言で何か考えていたが、ふとこちらを見ると
武市「・・・龍馬の言うとおり、困っているのならなんとかします。気にせずにいたらいい」
そういうと、少し気まずそうに先へ行ってしまった。
なんだ、この人も悪い人じゃなさそうかも。
綾「はい、ありがとうございます!」
すると武市さんが少しだけ振りかえって。
わ、笑った!
・・・・・・何だかんだいって、この人たちみんな。
いい人たちそうで、ちょっとホッとしたかも。
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かなり歩いているけど、みんなの用事ってどこなんだろう・・・
・・・変なとこに連れ込まれたりとか・・・しないよね・・・
wwwさっき「いい人たち」って言ったくせにwww
それにしても、古いお家ばっかり。さすがは京都ってかんじがする。
??「あ、いたいた!」
あれ、あそこで手を振ってる人って、みんなの知り合いかな?
??「やあ、やっと到着っスね。どこかで斬られてたらどうしようかと思ったっスよ」
ニコニコと笑う、男の子が駆け寄ってくる。
武市「そんな大声を出さなくてもわかっている」
??「えー、本当に心配してたんっスよ」
龍馬「道すがら、ちょっとあってのう。中岡、こん子をちいと、休ませてやってくれ」
慎太郎「承知です。またえらく珍妙な娘っスね」
綾「すいません・・・・・」
ちんみょうっていうの、絶対ほめられてるんじゃない気がする・・・・・
慎太郎「おれは、中岡慎太郎。龍馬さんのお客さんなら歓迎するっスよ」
綾「あ、ありがとうございます」
龍馬「・・・ところで中岡。別口のお客さんは?」
慎太郎「大丈夫っす。ちゃんと中で待たれています」
中岡ってひとは、すっごくニコニコしてるけど。
相変わらず以蔵さんは、ちょっと怖い顔してる・・・
以蔵「おい、龍馬」
龍馬「わかっちゅう」
なんだろ?
龍馬「どうやら、後をつけられていたみたいぜよ。うっかりじゃ」
あとをつけられた?
後ろから誰か来てるってこと?
どこに・・・・・・・・・・。
以蔵「ふりむくな!」
わっ!お・・・・・怒られた・・・・・・・・。
しかも、思いっきり怖い顔でにらんできてる・・・。
慎太郎「どうしましょう?」
武市「中岡はこの子と一緒に中に入りなさい。たぶん狙いは・・・・・・」
龍馬「わしじゃろうのう」
い、一体なに・・・。
何のロケなのコレ?
ってゆうか、ロケなの?どうゆう設定なの?
龍馬「以蔵、おまえも中岡とこの子について行ってくれ。ワシは囮になって他へ行くきに」
以蔵「おい、斬られるかもしれないぞ!」
龍馬「やらんわけにもいくまい。中で待っている人の警護が今回の目的じゃきに。さて、武市。行くかいのぅ」
武市「私は道連れか・・・・・・?」
龍馬「固いことは言うな。さ、行くぞ」
武市「やれやれ」
龍馬「そう、そうじゃ」
龍馬さんはこっちに目を向けると、おっきく笑った。
龍馬「また後でのう」
龍馬さんと武市さんは、足早にそのまま去って行ってしまう。
慎太郎「じゃあ、おれたちは中へ行きましょう」
ニコニコのお兄さんと、以蔵さんがさっさと入って行ってしまう。
綾「あ、まって!」
もう、今日の私って、あわてて追いかけるばっかりだよ・・・・・・
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
中岡さんに連れられて部屋に入る。
慎太郎「お待たせしましたっス」
部屋の中には、不機嫌オーラ全開で私たちを睨みつけてる、お兄さんが居る。
って、なんでこんなに不機嫌そうな人が多いんだろう・・・・・・。
この人も着物だし、役者仲間か何かかな?
??「遅い!」
慎太郎「すんません」
??「フン、これだから土佐の人間は、信用できんのだ。私の時間を、おまえ達のそれと同じに、安く使うな」
うわ・・・なにこの人。
思いっきり、見下してきてるかんじ。
どこの誰で、何様なのよ。・・・・・・感じ悪いなぁ。
慎太郎「大久保利通さんっス。薩摩の頭脳みたいな人っス」
中岡さんが、こっそりと耳打ちしてくれる。
やだ、思ったことが顔に出てたのかな・・・。
大久保「しかもなんだ、この小娘は?」
こ、こむすめ!
・・・・・・また言われた・・・・・・
大久保「まったく、どういうつもりかは分からんが、女を連れてくるとはね」
慎太郎「も、申し訳ないっス」
中岡さんは、すまなそうに頭を下げる。
大久保「岡田君も岡田君だ。詫びの一言も出てこないとは。まったく土佐の人間は、自分の子に人間の言葉も使い方も、教えることすら出来ないと見える」
!?
カッチーーン!!
綾「ちょっと!」
大久保「なんだ?」
綾「中岡さんは、私を龍馬さんに頼まれただけです!そんな、侍みたいな格好をして偉ぶって、あなた何様なんですか?困っているところを助けてくれたイイ人たちを、悪く言わないでくださいっ!ってゆうか、他人の親のことまで馬鹿にするなんて、信っじらんないっ!武士の格好するなら、中身も武士っぽく、器の大きいところ見せたらどうなんですか!?」
慎太郎「・・・・・・・」
大久保「・・・・・・・」
以蔵「・・・・・・・・・」
わ・・・みんなポカーンとしてる・・・。
つ、つい言いたいこと言っちゃった・・・・・・。
いきなり、知らない女の子がキレだしたら、普通引くよね・・・。
そりゃそうだよね・・・・。
大久保「・・・・くく」
綾「え?」
大久保「おもしろいな、小娘・・・くくっ・・・・・はっはっは!」
大久保さんは、急に笑い出した。
しかも、思いっきりおなかを抱えて。
大久保「名はなんと言うんだ?」
綾「・・・な、名前ですか?私の?」
大久保「気が向いたら、憶えておいてやろうと思っただけだが・・・まぁいい」
でも見下し態度はかわんないんだ。
おぼえてくれなくたって、いいですーっだ。
・・・・・あ、でも。
この人って、龍馬さんたちのお客さんって言ったよね。
一応、謝っておいたほうがいいのかな・・・。
1:遠まわしに言おう
2:すぐに謝ろう・・・←
3:でも、くやしい
龍馬さんたちに迷惑かけるかもしれないし、ちゃんと謝っておこう。
綾「・・・いきなり、変なこと言って、すいませんでした・・・」
大久保「気にしなくていい」
あれ?意外と心の広い人なのかな?
大久保「小娘ごときの戯事で腹を立てるほど器は小さくないんでな」
ひと言多い!
圧倒的にひと言多いよ!この人!
以蔵「おい、いつまで無駄話を続けるつもりだ」
ギラッと見据えた視線が、私・・・ではなく、大久保さんに突き刺さる。
時が止まったように、二人が睨みあってる緊張感。
以蔵さん、腰の刀に手をかけてて・・・まさか、それをこの人に・・・。
大久保「フン、つまらん男だな。斬ること以外、頭にないのか?」
以蔵「何が言いたい?」
大久保「彼女のボディーガードにでも、なったつもりか?」
以蔵「・・・異国語を混ぜるな。意味がわからん」
以蔵さんはそう言うと、ふすまを開けて出て行こうとする。
ボディガード・・・・・・?
・・・・・ってことは、この人のひどい扱いに、助けに入ってくれたってこと?」
思わず、そのまま部屋を出て行った以蔵さんを追いかける。
綾「あの」
以蔵「なんだ?」
むっ、相変わらずのぶっきらぼう。
綾「ありがとう」
以蔵「・・・・・・」
綾「なんか気使ってくれたんだよね」
以蔵「べつにそんなつもりはない」
あー、照れたー( ´艸`)
綾「・・・以蔵さん、怒ってる?」
以蔵「・・・・・・・・・・・以蔵でいい」
綾「え?」
以蔵「さんづけは馴れていない。だから以蔵でいい。それから怒ってもいない」
そう言うと、顔を見られたくない、とでもいうように、どんどん早歩きになって、いってしまった。
う~ん、やっぱ嫌われてるのかな?
慎太郎「ありゃ、照れてるっスね」
綾「中岡さん」
慎太郎「あ、おれも慎太郎でいいっスよ。むしろ、親しみをこめて慎ちゃんでも」
綾「慎ちゃんって・・・」
慎太郎「おや、お気に召さない?じゃあ、森羅万象有形無償完全無欠の慎太・・・・・・」
綾「慎ちゃんで!」
慎太郎「やっほーい!けってーい!」
あ、明るい性格なんだな・・・・・・。
以蔵「おい、行くぞ」
慎太郎「あ、うん。大久保さん、行きましょうっス」
後ろを振り返ると、いつの間にかイヤミな人も来ていた。
大久保「フン、言われなくてもこちらはそのつもりだ」
そのまま、私を追い越していくイヤミの大久保さん。
以蔵さんを先頭に、大久保さん、そして中岡さん・・・っじゃなくて、慎ちゃんが歩いて、その後ろを私がついてく。
さっきの家の裏口から出て、せまい路地をくねくねと進んでいく。
慎太郎「いやあ、さっきのすごかったっスよ」
綾「え?なにが?」
慎太郎「あの大久保さんに、啖呵切るなんて」
綾「タンカってゆうか、つい、勢いで・・・」
慎太郎「いや、それでもすごい。おれにはできないっス。姉さん、格好いいっスよ」
姉さんって・・・・・・。
以蔵「おい、ごちゃごちゃ言ってるんじゃない。早くしろ」
慎太郎「あ、そうだな。急いで桂さんや高杉さんと合流しないと、ここもそんなに安全じゃないもんな」
そうなんだ。とにかく急がなきゃいけないみたい。
足手まといにならないように、急いで歩かなきゃ。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
前編はここまで。
他のアプリにくらべて、プロローグが異常に長い!