【有馬志信】第8話 縮まる二人の距離③ | andante cantabileーまなみんの別カレ日記ー

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攻略記事を検索して来られた方は、「徒然日記」の「!注意!」という記事に目を通してください!!


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※ネタバレしてます!

※選択肢はすべて5UPのものです!



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志信さんの言葉に首を横に振りつつ、ベッドに近づいてくる。



佐治「志信さんとこのお店に恨みを持ってるやつらにやられたんだって?」

絢子「え・・・・・」

佐治「女の顔にこんな傷つけるなんて、最低な奴らだな」



吐き捨てるように十真くんが言った。

十真くんは、志信さんのいろんな事情を知らないんだ・・・・・。

チラリと志信さんのほうを見ると、何も言うなというふうに目で合図を送ってきた。



有馬「あ・・・・・」



その時、志信さんの携帯が鳴った。



有馬「悪い、ちょっと外す」



携帯に出ながら、志信さんが部屋から出て行くと、十真の口調が少しだけ崩れる。



佐治「体は大丈夫なわけ?」

絢子「うん・・・・・できればもう動きたいな、と思っているぐらいなんだけど、志信さんがダメだって・・・・・」

佐治「ふぅん」



十真くんがじっと私を見つめる。



佐治「で?出て行く気になった?」

絢子「えっ・・・・どうして?」

佐治「それだけ痛い目に遭ったら、志信さんのこと嫌になっただろ?」



嫌になる・・・・・?確かに怖かったし、痛かった。

でも・・・・・



絢子「そんなこと・・・・・思わないよ。志信さんのためになるならそれでいいって・・・・・思ったの」



十真くんは、私の言葉に驚いたように目を見開いたあと、ニコリと微笑んだ。



佐治「意外と腹が据わってんだな」

絢子「志信さんと結婚してからかな?前なら逃げ出してたかも」

佐治「体張ってでも・・・か。そういうの、嫌いじゃないんだよな」

絢子「え・・・・・」



不意に十真くんの顔が近づいてきた。

唇と唇が、一瞬触れ合った。



絢子「十真くん・・・・・!?」

佐治「俺も、アンタみたいな人、見つけたいな。でも志信さんのだもんな」



微笑み、十真くんが言った。

そこへ、志信さんが戻ってくる。



有馬「悪かったな、十真・・・・・せっかく来てくれたのに・・・・・絢子?顔、赤くないか?」

絢子「えっそんなことないと思うけど・・・・・」

佐治「じゃあ、俺、仕事あるからそろそろ行くわ」

有馬「ああ、悪いな。忙しいところ」

佐治「ううん、また店にも行くね、志信さん。あっ!絢子さん、あれさ、俺の勝手な嫉妬だから気にしないで」



ひらひらと手を振り、十真くんが出て行く。



有馬「何かあったのか?」

絢子「え?ううん、たぶんからかわれたんだと思う」

有馬「あいつも、まだ子供っぽいところがあるからな」



十真くんにとっても志信さんはお兄さんみたいな存在で。

志信さんにとっても、弟みたいな存在なんだな・・・・・

でも、ひとつ引っかかっていることがある。



絢子「・・・十真くんには何も言っていないんですね?」

有馬「あいつは、自分で芸能人としてのスター街道を掴んだんだ。俺に巻き添え食わせるようなことはしたくない」



大切な人ほど、自分の事情に巻き込みたくない。

なかなかこの人が他人に心を開こうとしないのは、優しさのせいなのかもしれない。



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それから、仕事を休んでいる間・・・・・



有馬「家で暇を持て余しているのも無駄だからな。しばらくは俺の秘書替わりでもしろ」



志信さんのそんな言葉に甘えて、普段の仕事について回ることになった。

志信さんのお仕事はとても忙しい。

朝からはクライアントと打ち合わせや、各店舗の責任者と会談・・・・・

そして夜は経営店に顔を出している。



絢子「よく、体がもちますね」

有馬「まあ・・・・・気力の問題だ」



面倒くさそうに答えつつも、最近はいろんなことを話してくれるようになった気がする。



有馬「さてと・・・・・」



昼間の仕事を終え、車に乗り込むと、志信さんは大きく伸びをした。



有馬「坂井、このあと、分かってるな」

坂井「はい!」

絢子「あれ・・・・・今日はもうお仕事は終わりですよね?」



ここのところ、働きづめだったから、ようやく志信さんが休めると思っていた。



有馬「今日はちょっと約束があるんだ。お前も交えてな」

絢子「私も・・・・・」



向かった先は高級イタリアレストランだった。

そして、そこには・・・・・



絢子「総司さん!」

白金「やあ、絢子さん。・・・・・傷もだいぶよくなったみたいだね?」

絢子「はい!あの時は、ありがとうございました」

白金「俺は大したことは何も。それより、絢子さんにも見せたかったなぁ」



楽しそうに志信さんの顔を見ながら総司さんが笑みを漏らす。



絢子「?なんですか?」

白金「絢子さんがいなくなったときの志信のあわてようをさ・・・・・」

有馬「総司!」

絢子「そんなに慌ててくれたんですか・・・・・」



思わずうれしくなってしまい、志信さんの顔を覗き込んだ。



有馬「そんなことはない。俺がそれぐらいで慌てるはずないだろう」

白金「素直じゃないな」

有馬「総司・・・・・」



圧力をかけるように、低い声で志信さんは総司さんを呼ぶけれど、総司さんは全然気にしていない様子だった。



白金「俺はちょっとうれしかったんだよ。一匹狼だったお前が、誰かを必要としているってことがさ」



穏やかな総司さんの表情に、胸が熱くなった。

志信さんが、私を必要としてくれたということなのだろうか。

契約結婚の相手としてだけでなく・・・・・?



有馬「・・・・・無駄口叩いてないで、さっさとメシ食うぞ!」

絢子「はーい」



怒ったように言いながら、歩き出す志信さん。

そのあとを私と総司さんが続く。



(こんなに幸せな気分を味わうのはいつぶりだろう・・・・・?)



ひと時かもしれない、幸せな時間。

それでも、私はとてもうれしかった。

こんな時間が続けばいい。

そう願ったときだった。

先を歩く志信さんが、前から歩いてくる女性とぶつかった。

それから・・・・・ゆっくりと志信さんの体が前に傾いた。



絢子「え・・・・・志信さん!?」



そのまま、志信さんが倒れた。



白金「志信!」

絢子「志信さん!!」



駆け寄り、その体を抱き起こそうとした。

・・・・・けど、手が滑り、うまくいかない。



絢子「え・・・・・」



自分の手のひらを見、言葉を失う。

私の手を染める、真っ赤な、血。



絢子「いや・・・・・志信さん!いやあ!!」



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本日分、終了~


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