今年も大きな台風がやってきました。
このような時期は、いつもぴょん太がCCFSを発症した2018年を思い出します。
大阪北部地震や、西日本豪雨が発生した年で、
その夏の台風は私が経験した台風の中で、一番強烈な台風でした。
繊細な子どもたちには、天候的にもあまりにもストレスがかかる時期です。
くれぐれもご自愛いただけたらと願います。
昨日に続いて三池先生の本から・・・
******************
D 後遺症としての不登校状態に対する対策
慢性疲労症候群から少しずつ回復を果たし、学校社会に復帰したいと思いはじめたとしても、その気持ちだけで復帰できるほどこの状態は甘くない。
勉強など手につかず頭にもなにも入ってこない状況が数ヶ月も持続したあとに、いきなり学校に戻れるはずもない。
また大人数の中に入ると、緊張が頂点に達し、エネルギー消耗が激しい。
この段階ではまだ学校社会に向けて、大きな三つの要素が立ちはだかる。
一つは長期間の療養にもかかわらず生活リズムが回復しないこととあわせて、一日を活動的に過ごすエネルギーの不足状態が持続していることであり、
二番目には長い間の闘病生活と学習・記憶機能障害からほとんど全員が学力低下をともなっていること、
そして三番目には長い間の学校社会からのひきこもり的生活のなかで対人関係の自信が失われていることである。
ここからはじまるリハビリテーションが重要な意味をもっている。
学校社会復帰に向けて、しっかりとしたリハビリテーションメニューが組まれなければならないことを強調したい。
中途半端な体調で戻すことが治療などと考えないようにしなければならない。
これが基本である。
1.体力・気力の補填
・・・
2.学力の遅れに関する支援
・・・
3.対人関係への自信
・・・
4.午後からはじまる教室の開設
・・・
・教育カリキュラム開発
授業により知識をためこむカリキュラムは、脳の全体的な活性にはつながらないことを述べてきた。
脳に知識を詰め込む能力は、確かに必要である。
しかし過剰なまでの現代偏差値知識詰め込み教育は逆に、もっとも重要で、情報全体の収斂をおこなう脳の「前頭葉」の廃用性萎縮をきたす危険性がある。
子どもたちが思考し判断し、そして創造する訓練をするカリキュラムの開発に国をあげて取り組まなければならない。
・・・
宮沢賢治が、花巻農学校時代に実践した教育は、
「物事を頭の髄から納得できるような教え方をし、好奇心をもたせ、実際に目でみて手で触ってたしかめさせた。
感動を味わわせ、本質からわかる教え方」であったという。
幼児期からの知育教育は、この基本的な考え方のうえに構築される必要があるが、現実は子どもたちの学ぶ意欲さえ失わせている。
教育が狂育であってはならない。
この本の冒頭で述べたように、自らの存在意義、存在感が周囲の保護によって感じ取れる状態がなければ知育教育ははじまらないのである。
・部活を制限せよ
・・・
・開かれた学校へ
・・・
・早めに社会体験を
・・・
・国語教育を充実させよ
・・・
・子どもたちの権利と義務
これまでの私は、子どもたちが自分で自分の人生をつくる訓練や、学校で受ける必要性を述べてきた。
彼らの人生を彼ら自身に託すことが、私たち大人としての成熟と考えるからである。
しかし、この提案が、今の日本において、広く受け入れられる状態にないことを憂うのであるが、その理由が日本の大人たちの価値観にあることをこれまでに述べてきた。
・・・
私たち日本の大人たちは、彼らに彼らの人生を返す決心をしなければならないことを訴えたい。
若者たちが、自分で考え、自分をしっかり認識し、自分が幸せと感じる生き方ができる、そのような権利をもつことができるよう祈るばかりである。
自分らしく生きる権利の裏には、大きな義務をともなうのであり、このこともまたしっかり身につけてもらうことが大事となる。
自分の意見をはっきりと主張し、自分の発言に責任をもつことの訓練が学校社会の中でつちかわれなければならない。
・子どもにメンタルヘルスケアを
・・・
・学校開始時間を多様化せよ
・・・
・子どもたちを学校から離そう
・・・
・家庭教育をどう支援する
・・・
・資格試験と大学入学
・・・
・最終的に子どもを守るのは保護者
家族には、問題行動があらわれた子どもたちから逃げることがないようにお願いしたい。
わからなくてもよいのである。
彼らと正面から向き合って懸命に理解しようとする姿を見せていただきたい。
彼らがどのように惨めな状態にあろうとも
「あなたを愛しており、信じており、私たち親が命をかけて守る覚悟である」ことを
彼らに示すことで、大きな事件を未然に防ぐことが可能となる。
子どもたちの人生は、責められ、なじられ、馬鹿にされつづけたものが多く、さらに叱咤激励されても、こたえる力は残されていない。
しばらくの間はひきこもることもやむを得ないのであり、この状況下でこそ、彼らを真に支えられるのは家族でしかない。
もし、家族が見放してしまうようなことがあれば、彼らには生きていく場所がなくなてしまうので絶望的となり、自らの死を含む犯罪へと向かうこともありうる。
******************
本当に・・・
ぴょん太がやっと、食欲も増え、顔色が良くなり、
家での生活が退屈になりだして、やっと、やっと元気が戻ってきた!!!
と喜んだのも束の間・・・
回復期に入ってから、学校社会に戻るまでが、極期とはまた違う、苦悩の日々でした。
元気が出てきても、まだ、学校に行ける気はしない・・・
一年以上、ほぼ寝たきりで、筋肉が衰えていたので
リハビリしてくれそうな病院を探しましたが、近くの小児科では見当たらなくて、
リハビリルームのある内科で相談しましたが、
「高齢者ばかりだから・・・」と、いまいち納得できない理由で断られました。
(なので、三池先生は、入院してのリハビリを推奨されているのだと思います。)
それで私は、地元にあるスポーツクラブを回り、その一つが、保護者同伴であるなら中学生でも会員になれると言ってもらえて、
コロナ禍に入るまで、ぴょん太と通いました。
ぴょん太が、元気になってきて、笑顔も増えて、運動できる姿が見れて、
そして、一緒に過ごせたその時期のことは、とても良い思い出となっています。
ただ・・・こういうこと一つひとつが、本当に手探り状態で、とても孤独であったことを思い出します。
初めから、CCFSの概念を取り入れている発達外来・・・
少々遠くても、あんどう先生のクリニックへ行っていたら、きっと折々、アドバイスをいただけていたであろうし、あんどう先生のところでは、リハビリ施設があったので、
このような苦労はしなくてよかっただろうな・・・と思います。
というか・・・
極期を味わうこと無く、回復できていたであろうと思います(T_T)
子どもたちがあらゆるストレス要因に悩まされる現代・・・
日本中の小児科の先生方に、CCFSの概念を理解していただけたらと願っています。
そして、三池先生の進言を受けて
国が、今後、できるだけ早く
CCFSの概念を理解し、周知し、思春期病に陥ってしまった子どもたちのために、思いやりあふれる盤石な教育システムを、真剣に構築してくれることを心から願っています。
(2024.8.28)