『小児型慢性疲労症候群(C C F S)とは、子どもの日常生活を支える活動エネルギーが消耗あるいは枯渇した状態である。
この状態では視床下部を中心とした生命維持にかかわる脳機能低下と、それに引き続く高次脳機能低下が確認される。
すなわち著しい易疲労性と学習・記憶機能障害が中核症状となる。
初期にはだるい,疲れるという訴えと同時に、頭痛,腹痛などの自律神経症状が出現し、エネルギー低下の状態にともなって活動性が低下する。
結果として学校社会生活が破綻しはじめ,週に1日,月に数日の休養日が必要となる。重症化するにつれ休養日が増加し、ついには全く登校できなくなる。
疲れやだるさの行き着く先が生命力低下としてのC C F Sなのである。
したがって、
まだ日常生活が持続できている
初期の段階で
C C F S の概念を適用し、
休養を与えること
によって予防につなげることが極めて重要となる。』
三池 輝久
~『こどもの心のハンドブック』
平成 1 4 年度厚生科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)
「小児心身症対策の推進に関する研究」班 編 P.106 より~
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https://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/sinsin.pdf
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2018年、夏・・・
ぴょん太が、『起立性調節障害(重症)』という診断を受けたものの、
私は、途方に暮れていました。
対処法と言えば、待合で動画を見るように言われ、
・成人になれば治る病気なので、焦らず見守りましょう・・・
・水分を一日2L
・塩分を多めに
・立ち上がるときは、足をXにして、頭をゆっくり上げる
・辛くてもできるだけ体は起こしておくように・・・
・血圧を上げる薬を処方するので、効き目が出るまで様子を見るように・・・
初診では、このようなことしか言われませんでした。
おそらく、起立性と診断された人は、皆、こんな感じだと思うのですが、
皆さん、それで納得できるのでしょうか?
ぴょん太は、その時、喉の乾きを自覚することさえ鈍くなっていて、胃腸が弱り、水を飲むことも辛そうでした。
また、塩を多めにといっても、具体的な指導はなく、過剰に摂っても、腎臓に悪そうだしと思って、私は、大量に摂らせることはなかなかできませんでした。
(初診で点滴をしてもらうことができれば、ぴょん太は随分楽になれたのではいかと思っています。)
立ち上がることもできず、鉛筆さえ持つこともできず、食べることもろくにできず、暑いと言ったり寒いと言ったり、眠ることさえままならないぴょん太を目の前にして、私は、何が起こっているのかも、どうすればよいのかもわからず、目の前が真っ暗でした。
私が、CCFSについて認識できたのは、ぴょん太が起立性と診断されてから、
もうほぼ3年後・・・(T_T)
アマチャンさんが、三池先生の本をブログで紹介してくださったときでした。
なので、いつ思い返しても、
初診で、CCFSの概念、対応を教えてもらえていたなら、
どんなに気が楽になっていただろう・・・
私ももう少し穏やかな気持で、もっとゆっくりぴょん太を休ませてあげることができたのに・・・
と思ってしまうのです。
もちろん、CCFSの光線療法や、薬物療法だけでは、効果は薄いと私は感じています。
(著書からは三池先生も、深部熱を下げることにとても苦悩された様子が伺えましたが、これは、東洋医学で解決することが可能であると私は実感しています。)
けれども、三池先生や友田先生、CCFSの研究に携わってこられた先生方が、本気で子どもたちと向き合い、積み上げてこられた研究成果は、わたしに、これだ!という確信と方向性を与えてくれました。
わたしは、我が子が学校に行けなくなってしまって苦悩している親御さんに、是非、CCFSの概念を知っていただきたいと強く願っています。
起立性(OD)と診断されることの問題点は、
子どもたちの苦しみの原因が、
『低血圧』『脳に血流がいかないことなのだ』と思わされること。
また、私を含め、多くの親が
医師から『いつかは治る病気(大した病気ではない)』、と聞かされることによって、我が子の苦しみに気づくことができず、学校や勉強にこだわり続けてしまうことだと思います。
(けれども、重症にもなると、大した病気でないと言われたのに、
そうとは到底思えない我が子の苦しみを見続けることになります。
為すすべもわからず、まさに地獄です。)
低血圧が一番の問題ではないのです。
起立性低血圧を起こしてしまうほどに、脳が危機的な状態に陥っているということが
非常に深刻で重要なことなのです。
是非、三池先生の本を読んでいただきたいと思います。
そして、現実を受け止め、親の思いは置いておいて、
我が子がなぜこのような状態に陥っているのか、
我が子にとって何が一番良いのかを考えていただきたいと願います。
とても苦しいことですが、親が現実を早く受け止めることができれば、
お子さんの回復も早まるはずです。
もし、対処を間違えると、深刻な二次障害、後遺症をもたらす可能性がとても高いのです。
いかに、迅速に良好に子どもたちの脳を癒やしてあげれるかということを考えていっていただきたいと強く願っています。
(2024.2.21)