『ファニー・ガール』 | 気のむくままに

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『ファニー・ガール』を観てきました。


脚本:イソベル・レナート
改訂台本:ハーヴェイ・ファイアスタイン

演出:マイケル・メイヤー
振付:エレノア・スコット
タップ振付:アヨデレ・カセル
演出補:ジョハンナ・マッケオン 

【キャスト】
望海風斗、坂本昌行
水田航生、高泉淳子、益岡 徹、中尾ミエ他

実在したブロードウェイのコメディエンヌスター、ファニー・ブライスの波乱万丈な半生と愛を描いたミュージカル。

とにかく、望海風斗さんが素晴らしかったです。
ほぼ出ずっぱりで、歌って、踊って、演じて。
コミカルで、一途で、パワーがあって、豪快なのに繊細。
そんなファニーを、望海さんが全身で生きていました。

『マスタークラス』でマリア・カラスの人生を生きた時にも、「なんて凄い方なんだろう」と思いましたが、今回のファニー・ブライスも凄かった。
役によってまったく違う人物を立ち上げながら、舞台を引っ張っていく力。
改めて、望海風斗さんの凄さを感じました。


そして、坂本昌行さん。
坂本さんの持っている色気と、素敵な歌声が、この役ですごく生きていました。
余裕を感じさせる受けの芝居をしながら、その奥には男性としてのプライドや苦悩も滲んでいる。
あの色気なら、ファニーが好きになるのも納得です。
二人がお似合いでした。

私が坂本さんの舞台を観るのは3作品目なのですが、これまで「彼に合っている」と思える役に巡り合えていなかった気がして。
今回、やっと巡り合ったように感じました。


作品そのものも、とにかく楽しかったです。
指揮者の塩田明弘さんの盛り上げ方も見事でした。
オーバーチュアから手拍子で客席があたたまり、その後も指揮で舞台と客席をつないでいく。
休憩中にも「塩田さんの指揮は楽しいね」という声が聞こえてきました。

私自身も、いつもより気持ちが解放されていた気がします。
素直に、拍手や歓声で感情を表現できる。
周りのお客さんもどんどん盛り上がっていく。
劇場で観るからこその楽しさを、たっぷり味わいました。

タップやダンス、ショーの場面も楽しかったです。


そして、今回は音楽との出会いも大きかった。

観る前にWOWOWの番組で、望海さんと坂本さんが歌う
『People(ピープル)』
『Don’t Rain on My Parade(パレードに雨を降らせないで)』
『I Want to Be Seen With You in the Night』
の3曲を聴いていました。

その時は「素敵な曲だな」と思って聴いていたのですが、実際に作品の中で聴いてみると、また全然違う。

『People』は、ファニーが人を愛することの素晴らしさを知り、「人を思いあえるっていいよね」と歌う美しいバラード。
『I Want to Be Seen With You in the Night』は、ファニーとニックの恋の始まり。
作品の中で聴くと、二人の姿に思わずニヤッとしてしまったり、ふとした時にメロディーが残っていて、口ずさんでいたり。
やっぱり、作品の中で聴くと感動が大きい。

そして『Don’t Rain on My Parade』。
1幕ラストで聴いた時の興奮はすごかった。
ファニーの強い決意が、あの歌に全部乗っている。
そして、状況が大きく変わったラストでも歌われる。
同じ曲なのに、そこではまた違う、さらに深い力強さを感じました。

曲を知っているからこそ、その時のファニーの心情と重なって、より深く響いたのだと思います。

今回、私はB席で観劇しました。
日生劇場の2階席は観やすくて、私は好きです。
最近はチケット代もどんどん高くなって、どうしてもミュージカルを観る本数が減ってしまう。
そんな中で、B席という選択肢があったからこそ、今回この作品を観ることができました。
そして、こんな出会いがある。
だからこそ、これからもB席を作ってほしいなあと思います。