serial number『海の凹凸』 | 気のむくままに

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観劇日記の様になってますが、気になりましたら、読んで頂けますと嬉しいです。

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【作・演出】  詩森ろば


【出演】川田希、西原誠吾、荻野友里、杉木隆幸、かんのひとみ、山下直哉、串田十二夜、花岡すみれ、/竹下景子


水俣病支援者をテーマにした作品。


人の生き方、社会の在り方、詩森ろばさんの脚本は、社会問題を身近な事として表現していると感じました。なかなか残酷な話だなあと感じました。

1980年代、大学近くで印刷屋を営む安元は、その講座の記録をまとめてほしいと依頼を受けたことを機として水俣に深く関わるようになる。
それから10年あまり、水俣病をはじめとする公害問題は解決を見ないまま、講座は少しづつ衰退していき‥
昔学生運動をしていた印刷屋の安元、横浜から水俣病の勉強会をしたいと訪ねてきた女性加山、水俣病について研究している大学助教授田中、教務課職員、大学生、作家らが登場人物です。

水俣病患者の写真が吊るされていて、その写真を登場人物達が外していくところから始まります。
彼らの活動拠点である、安元の印刷屋の一室が舞台。
彼らの活動を通して、水俣病について公害被害を受けた人の症状、遅発性水俣病のこと、受けてきた差別、水俣にとってメチル水銀を垂れ流してきたチッソ工場がどんな存在感であったか等‥を知りながらも、物語は支援運動をしている、市井の人達の苦悩や問題や社会の問題がメインです。
面白い視点だと思うし、だからこそ身近な問題として感じられた気がします。

問題としては、公害問題は企業が問題を知りながらも、なかなか認めない為に、更に公害が広がってしまうこと。国が救済するのに時間がかかりすぎ、支援する人達も、長い運動期間となることで苦しくなったり、問題の本質からのズレ患者の思いに寄り添うことを忘れ、運動をすることが目的になってしまう危険性も示していました。
大学助教授の田中は、水俣病に関わり大学から不当な待遇をうけていて、それでも彼が支援運動の中心になっていた時は良かったが、彼がそこから去ることになった時に団体は消滅してしまいます。田中が中心となっていた支援団体で、カリスマとなる人がいないと活動が続かないのは、彼を尊敬する人が集まり彼に依存していたことも感じました。

水俣病の支援運動にのめり込み、安元の家庭は不和となっているんですよね。これはどうなの?まあこういうことって、他のことでもあることですが、
ここまでならそういうことはよくあるよな、と思いましたが。安元は水俣問題に水俣の地で取り組みたいと、自分の支援運動の思いを分かってくれる加山と水俣に移住する為出ていくのです。加山もパートナーと別れ。
身近な人を傷つけて、社会運動に酔っていないか??と思ってしまいました。
支援運動を続ける事と日常生活の両立も大きなテーマですが、最後恋愛が絡んだのは?2人はあくまで同志であった方が、しっくりしたと思います‥。


公害問題、日に日に世界は悪くなりって感じですよね。

竹下景子さん、役柄もですがオーラが1人違いました。
西原誠吾さん、彼の台詞の強い芝居、久しぶりに見られて嬉しかったです。