「りさー来世は男と女どっちがいい?」


みんなが1度はしたことがある定番の話題。


『んー』


「私はまた女の子がいいなぁ」


『どうして?』


「女の子って楽しくない?」


なんかキラキラしてるじゃん!って


それは男の子でも変わらないんじゃないのか。という突っ込みは心の中だけでしておく


「理佐はどっちがいい?」


『私は男の子かなー』


「絶対イケメンになりそう」


『そうかな』


「だって男装した理佐イケメンだもん」




そういえばKEYABINGOの男装企画で私の姿を見て涙してくれたことがあったね



『ってか私たち来世でもまた逢えるかな?』


「どうだろ。でも私は理佐とまた逢いたいな」


ふふっと微笑むあなたの言葉をどんな気持ちで受け取ればいいのだろうか





私は由依のことが好き。




これでいう好きはもちろん友人としてではなく、女の子として。付き合いたいとかそうゆう類の好き



だから来世の性別は由依にとっての異性でありたい


由依が男の子が良いと言うならば私は女の子でありたい



現段階では私の恋が実ることは無い。


今、世の中は多様性について寛容になってきたし、グループとしても「偶然の答え」という曲で同性の恋を描いたmvを撮ったから由依もそうゆう嗜好の人がいることを理解していると思う。


けれど、それはあくまで「理解」しているだけであって、「許容」でもなければ「同類」でもない。


つまり、どれだけ私が好意を示しても由依が私に対して友愛以上の感情を抱くことは無いだろう。


だからもし来世でまた由依と逢えるなら、今とは違う関係で巡り逢ってまた同じように恋をしたい。


今世はもうこの運命に抗わず友達として、この関係だから出来ることを沢山すると心に決めている。






『もし会えても由依は私のこと認識できなそう』



ちょっとからかうように言ってみた



「絶対分かるよ!高身長で小顔のスマイル王子が居たら、理佐だ!ってなるよ」


『なんでもう私の来世の姿決まってるのさ』


由依のたまに出る天然に思わず笑ってしまう。


「え、今世の姿反映されるんじゃないの?」


『そしたら由依は由依のままってことじゃん』


「確かに、、」


『でもそれだったら来世で会ってもすぐ分かるね』


「ね!そのまま恋に落ちちゃったりして」





ほら。やっぱり由依の中では恋愛=異性という方程式が確立されている






『それイケメンなら誰でもいいってことじゃん』



「どうしたの?」


報われない恋と由依の恋愛観に対する不満から声のトーンが下がってしまっていた。


『あ、いや、由依が変な男に引っかかりそうな発言するから心配になっちゃった』


筋の通らない言い訳。


「なにそれ、じゃあ理佐が私のこと守ってよ」


『えーどうしよっかなー』


淀んだ雰囲気を変えようと、おちゃらけた感じで取り繕う



「じゃないと私、どんな悪い奴に引っかかるかわかんないよ?」




ほんっとこの子は良くも悪くも私の心を動かすのが得意のようで


はいはい恐れ入りました。


『今世でも来世でもちゃんと守ってあげますよー』


ぶっきら棒に言ってはみたものの、自分で自分の首を絞めるってこの事か。と実感する



「じゃあ理佐は私のボディーガードって訳だ」



なんだか嫌な予感がする


『そこまでの貫禄はないけどね』


「私のことを守る立場だから、絶対に私のこと好きになっちゃダメだからね」


人差し指を私の目の間で円を書くようにくるくると回して笑みを浮かべている



これもしかして勘づかれてる...?


同性からのありがた迷惑な好意を遠回しに振っているのか、はたまた単純に来世のことを想像して楽しんでいるだけか、


『心配ご無用です』


後者であることを祈りつつ無愛想に会話を続ける






「もう、素直じゃないなぁ」




呆れ口調で放たれたその言葉の真相は私の予想を大きく裏切った。


「理佐は私のこと全然分かってない」


『どうゆうこと?』


呆気にとられた私を見て、やれやれとでも言いたげな表情の由依


「私が誰彼構わず好きになる恋愛体質の女だとでも思ってるの?」


『そんなこと思ってないよ!』


「それか、恋愛は異性間でしか成り立たない!って固定概念に縛られてる頭の悪い女に見えてる?」


『だから!そんな風に思ってないって!』


大きなため息をついたあと、畳み掛けるように核心をつく問いをなげかけられる



「じゃあ、私が理佐からの想いを受け止められないとでも?」




みなまで言わずともこの言葉の意味を理解できない私ではない。





『でも』


これ程までに分かりやすく両想いが保証された状況下で私は未だ勇気が出ない。






「でもじゃない」


煮え切らない私の言葉にピリオドを打ち、鋭い視線で私を圧倒する





覚悟を決めろ渡邉理佐。




自分を奮起させ心に秘めていた想いを打ち明ける




『由依のことは私が守る。』


「うん」


『誰にも渡したくない』


「うん」


『私だけのものになって欲しい』







「喜んで」


お望が叶ったのか優しい口調に戻り満足気な表情で笑っている



恋愛について固定概念を抱いていたのはむしろ私の方だったのかもしれない。


由依は性別とか関係なく私という一人の人間としてちゃんと見てくれていた。


もう言い訳はしない。


前世とか今世とか来世とか丸ごと由依の人生私が絶対幸せにするんだ