春分も過ぎ、3月最後の週です。
いよいよ夏へ向け、昼間の長さがこれから長くなりますね。
さて今週ですが、多くの方が普段当たり前に使用していますが、意外に知られていない、お金についてのお話です。
まずは、最も重要なメッセージからお伝えしておきます。
それは、『政府の赤字は、みんなの黒字』という事実です。
現在、多くの政治家が財務省の言いなりになり、増税&緊縮に走り、プライマリーバランス黒字化という、弱い者をいじめて、国を衰退させる方向に向かっています。
これを改めるために『政府の赤字は、みんなの黒字』という事実を我々一人一人がしっかりと腑に落とす必要があるのですが、まずはお金がどのようにして生まれるか、から始めていきましょう。
お金という字は『金(ゴールド)』と同じ字を使いますので、余計に誤解が生じていますが、『お金』は『ゴールド』のように鉱山から採掘した希少性のあるものではありません。
1万円札の製造コストはわずか19円ですので、そのもの自体の価値ではないことが分かります。
もちろん昔は1万円分の『ゴールド』と交換できた『兌換紙幣』でしたが、今の時代は違います。
お金とは、『ゴールド』の裏付けがあったり、誰かの資産があるから発行できるものではなく、誰かが銀行へ行き、銀行からお金を借りた際に『無』から生まれるものなのです。
大切なことなので、もう一度言いますが、お金は銀行によって『無』から生み出されるものなのです。
イングランド銀行の説明でも『商業銀行は新規の融資を行うことで、銀行預金の形式の貨幣を創造する』と言っています。
更に英語ではこの融資のことを『マネークリエーション』と分かりやすい単語を使っています。
しかし、日本語ではなぜか『信用創造』と訳されています。
『貨幣創造』と訳しておけば、今のような誤解は減ったかもしれませんね。
このように現在の経済社会では、お金は銀行から借りた時に生まれるものなのです。
では逆にその借金を返済したらどうなのでしょうか?
当たり前なのですが、借金した際に生まれたものですので、その借金を返済するとお金は消えます。
簿記会計で確認すると、誰が見ても分かる簡単な仕分けです。
一見、不思議かもしれませんが、現代のお金は誰かが借りた時に生まれ、返済すると消えるものなのです。
もちろん『ゴールド』は返済しても消えることはありませんので、これで『お金』と『ゴールド』の違いがより明確になったかと思います。
ただ、これまで借金をしたことがなくて貯金しかない人にとっては、なかなかこの概念は馴染めないのかもしれません。
借金をしなければ、お金が生まれたところを知らないですし、借金を返さないのでお金が消えることもありません。
つまり、借金をしたことがない人にとっては、お金は『ゴールド』と同じようなものになりますので、この辺りが誤解の始まりなのかもしれません。
ただ事実は、お金は誰かが借りた時に生まれ、返済すると消えるものなのです。
ですので、政府が政府の借金を減らそうとするプライマリーバランスの黒字化がいかに愚かな政策であるかが分かります。
政府が借金を返済すればするほど、生まれたお金である日本円が消えていきますので、日本円を集めている我々国民のお金が消えることになり、どんどん我々が貧乏になっていきます。
政府の財政の考え方は、家計とは全く違うのですが、財務省も政治家も政府を家計と同じにしてしまっているのです。
家計では借金は無い方がいいですので、誤解しやすいのかもしれませんが、政府の財政と家計を同じように扱うという過ちを30年以上続けてきているのですから本当に困ったものです。
そろそろ、財務省にも政治家にも、間違いを認めてもらう必要がありますので、来週はこの続きである国債発行、財政出動がどのようなものなのかをお届けします。
とにかく、より良い未来を築くためには、一人一人がしっかりとした知識を身に付ける必要がありますね。
【参考情報】
■【完全解説】ほとんどの国民がだまされている国債の本当の話【国債を発行すると国民は豊かになる】
あんちゃん(安藤裕)のなんでも言いたい放題⁉