ジョジョが生まれる前から「モンテッソーリ教育」がブームのようだ。

教育本はもちろんのこと、「モンテッソーリ取り入れてます!」と声高に謳う幼稚園や保育園。

至るところでこの言葉を目にする。

このモンテッソーリ教育というのものがどのように展開されているのかは知る由もないが、

元々はイタリア人の女性医師が知的障害のある子どもに向けて開発したもの…というのは

いつかの知的障害のセミナーで聞いたことがある母だった。

それが気づけば、エリート育成みたいな教育法に取って代わってしまっている。

 

さて、ジョジョが3歳の頃のお話。

当時、保育園探しに奔走していて、いくつかの園に見学に行ったジョジョと母。

我が家の検討基準としては、モンテッソーリとか◯◯教育法とかはどうでも良くて

家から近くてジョジョが打ち解けやすいアットホームな園であることが第一優先だった。

そんな折、数ヶ月前に小規模園がオープンしたと耳にして、すぐさま見学予約。

リトルなんちゃらという名前の、都内にいくつか系列園がある保育園だった。

 

当日、30代後半くらいの若い園長先生が出迎えてくださる。

保育士さんにしては、なんだかオシャレな装い。

お話を聞くと、こちらの園では家庭の雰囲気を重視しているそうで、

先生たちお揃いのTシャツ(制服)やエプロン・割烹着の着用は禁止しているらしい。

いやいや、エプロンって家庭的でない?とツッコミを入れそうになったが、そこは黙っていた。

つまりは、意識高い系のファッショナブルなママに育てられる感じを演出したいのだろう。

 

さて、うちの園の特徴は〜という説明が始まる。

それが冒頭のモンテッソーリ教育である。

そして具体的に行なっていることを細かく紹介くださった。

 

1  おままごとセットは皆、陶器を使用。(プラスチック製は使わない)

2 その他の玩具も、木製だったり陶器であったり。(とにかくプラスチック製はNO)

3 給食の食器も全て陶器を使用。

4 世界地図のお勉強

5 浮世絵の模写

6 英語のお勉強

7 九九を覚える…

 

お話を聞きながら、違和感と嫌悪感でお腹いっぱいになっていく母。

これってモンテッソーリなの??

単なるエリート育成保育園では??

 

どちらにしろ、ジョジョには縁がないのは明白だった。

 

最後に、これまで加配を必要とする子を受け入れた経験があるかを聞いてみた。

もちろん答えはNOだそうで、そして最後に彼女は言った。

「知的な遅れがあるお子さんにモンテッソーリ教育が適しているかどうか…」

 

!!??

 

モンテッソーリ教育を実践する先生がモンテッソーリの始まりを知らない不思議。

なんたる皮肉!そしてなんとも薄っぺらい!!

 

呆れ返って帰路に着いた母である。

 

それから。

ジョジョは株式会社が運営するキッズなんちゃらという系列多数の保育園に入園した。

そこも入ってから知ったのだが、今時のブームで集客しようと

例に漏れず「モンテッソーリ教育」の看板を掲げていた。

 

が、しかし。

本部からはモンテッソーリ教育の教材を使った授業をするようお達しが来ているそうだが、

現場の先生たちは人手不足もあり、とにかく忙しい。

要するにそんなことに時間を割いている暇はない!というのが本音だそうで

実際にはまったくといって例の教育法の時間など設けられていなかった。

そもそも、モンテッソーリが何たるかの勉強会すら先生たちになされている訳でもなく。

なんとなく聞こえが良いからという理由で、言葉だけが一人歩きしている。

氾濫する「モンテッソーリ」の現実。

 

天気の良い日にはお散歩に行き、電車に手を振る。

春にはお花見をして秋にはどんぐりを拾い、寒い冬も「風の子」になって駆け回る。

そしてお腹いっぱい給食を食べ、みんなでお昼寝する…

大好きな先生の声で聞く紙芝居タイム。

割れる心配のないプラスチック製玩具で派手に遊ぶことの何が悪いのか。

 

なんとも幸せな日常の繰り返し。

うん、ジョジョにはこれで良かったのだ。

いやきっと、健常児の子たちにとってもこれが最適解なのではないか。