僕はフォートネルソンのキャンプ場でもう一日休むことにした。ムリをして走り続けるよりは、快適な場所があればゆっくり休んだ方が1ヶ月後には走行距離が伸びることになる。なるべく疲れを貯めないように気をつけないといけない。
キャンプサイトをシェアしたモーティンは早朝にはもう出発していた。「ジャスパーかバンフでまた会おう(両方ともカナディアンロッキーの大きな町)」とは言っていたけど、モーティンは少ない荷物でゴリゴリ走るタイプのサイクリストなので、僕が彼に追いつくことはもうないかもしれない。
久しぶりに洗濯をしたり、スーパーで買い物をしたり、小さなアウトドアショップで防寒グッツを物色しているうちにすぐに時間が経ってしまう。レジ袋を沢山かかえてキャンプ場に戻ると、使い込まれたゴアライトの3人用テントを見つけた。見覚えのある日本製のテントだ。
「おおぉぉっ!!」
ホワイトホースのキャンプ場で毎晩のように料理とビールをシェアした日本人チャリダーのグーナイとユキコちゃんだ。彼らもフォートネルソンに到着したのだ。彼らの方が先にホワイトホースを出発したのだけれど、僕がどこかで追い越していたらしい。お互いに再会を喜び合う。その晩は彼らのテントで夕食をシェアすることになった。
↑夕食の前にiPodで邦楽を聞かせてもらう。ユキコちゃん選曲中。
僕の持っていたCDウォークマンはアラスカで壊れてしまっていたので、普段はFMラジオで洋楽を聴いていた。独り言以外は耳に流れ込む日本語がまったくない生活をずっと続けていると「聴覚的飢餓状態」になる。なぜだか他人の喋る日本語がムショウに聞きたくなるのだ。母語の響きを脳が欲するのだと思う。
そんな時、リズムに乗せた日本語を聞くと鳥肌が立つぐらいカンドーしてしまう。砂漠でさまよって脱水症状ギリギリの人が、キンキンに冷えた生ビールをジョッキでゴクゴク飲むようなものだと思う。…なんだか良く判らなくなってしまったけど、、、えっと、とにかく、邦楽も捨てたモンじゃないゾ、と僕は言いたいのである。
ちなみに僕がリクエストした曲は、、、、、ミスチルでした。
↑スープをかき込むグーナイ。モノモライになっていたらしくてこの日は目が真っ赤だった。
夕食はポークソテーと、山盛りのマカロニと、そのゆで汁で作るキャベツ入りのスープ。全部彼らが作ってくれた。彼らはキャンプ用のコッフェル以外に家庭用のフライパンも持っているので、ポークソテーもふっくらと美味しく仕上がる。食べ物はチャリダーのガソリンなので美味しいものを作るための道具は重くてかさばっても大事だと思う。
* * *
この日の夜はテントが浮き上がるほどの大雨になり、次の日も雨が止みそうにないのでもう一日フォートネルソンに停滞することになった。ふつう雨の日の停滞は憂鬱なものだけれども、彼らが居たので退屈することもなく、のんびりとした良い休養になった。
* 追記 (2006.03.07) *
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