『若い読者のための短編小説案内』を読みました | 自転車で大陸を越えるブログ

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学生のとき自転車で日本縦断、オーストラリア横断。一旦は就職したものの、会社を辞めて北米縦断。次に目指すは中南米縦断。このブログを通じて自転車で海外を旅する楽しさが、なるべく多くの人々に伝わればイイなぁ…と思っています。

”もちろんこれは僕のきわめて個人的な読み方であり、すべての人々の読書の手助けになるというものではありません。僕は文芸評論家ではなく、ものを書く側の人間なので、どうしても「自分がものを書く」という見地から、フィクションを読んでしまうことになるからです。ひとつの作品をテキストそのものとして冷徹に客観的に読み込むというよりは、そのテキストを書くという作家の営為を意識の中心において読み進めていくことになります。”
「僕にとっての短編小説」より

年末に村上春樹さんの『若い読者のための短編小説案内』を読みました。なんだか最近の記事は「おうちゃく書評」ばかりになっている気がしますが、まあいいや…。年末にあと2冊(『犬の人生』と『アフターダーク』)も読んだのでまだまだ続きますよ。

さて、この本は僕が広島のサンモールの一番上にあるビレッジ・バンガードをぶらぶらしてた時にたまたま見つけたんですけど、村上春樹さんの文庫本はほとんど読んでいたつもりだったので、読み残している本を見つけてうれし・びっくりでした。ビレッジ・バンガードは普通の本屋においてないような変な本が沢山あるのでいついっても楽しい。そのときにマーク・ストランド著 村上春樹さん訳の『犬の人生』も見つけたので2冊まとめて買いました。

村上春樹さんはこの本の中でそのタイトルの通り、日本人作家の短編を「作家」としての独自の視点で読み解いていきます。紹介されている短編は、

  □ 吉行淳之助 「水の畔り」
  □ 小島信夫  「馬」
  □ 安岡正太郎 「ガラスの靴」
  □ 庄野潤三  「静物」
  □ 丸谷才一  「樹影譚」
  □ 長谷川四郎 「阿久正の話」

です。当然どの作品も読んだことがありませんでした(それぞれの作家さんの作品すら読んだことがないです…スイマセン)。でもダイジョウブ。この本はそんな読者を対象としています。この本を読んでるうちに、ガチガチの理系な僕でもそれぞれの作品の深い部分を理解できちゃったような気がしました(おいおいホントかよ…)。

この本を読んで個人的には小島信夫氏の「馬」と、丸谷才一氏の「樹影譚」を読んでみたいなぁ~と思いました。特に「樹影譚」は肝心の落ちを当然ながら書いてなかったのですごく気になる~。この本の文体は村上春樹さんが先生としてダメな生徒に日本ブンガクの講義をしているような雰囲気なのでとても読みやすく、すぐに読み終わっちゃいました。第二次世界大戦後に文壇に登場した、いわゆる「第三の新人」と呼ばれる作家さんの作品を少しは読んでみよかなぁ~って思えるとてもよい本でした。




著者: 村上 春樹
タイトル: 若い読者のための短編小説案内