映画の主人公はギルバートグレイブ
演じるジョニーデップなんですね。
エンドーラという小さな街で、小さな
雑貨屋に勤め、父は何年も前に何も
言わずに地下室で首吊り自殺、過食症
で数年も家を出たことがない母、障害
を持つ弟、それに妹二人と一緒に暮らす
という設定。
当然、この4人を養っていて、自分の
ことをする時間もお金もない状態。
将来への希望や自分に対しての興味も
失ってしまっている彼は、目の前の今
をとりあえず生きるだけの存在になって
しまっている。
彼の働く雑貨屋の近くにチェーンて展開
するスーパーができて、店の雰囲気も
やや重たい感じ。
そこにいつも贔屓の奥さんが来るのだが、
もちろん物品を購入してくれるものの、
彼女の目的はグレイブとの不倫である。
事あるごとに配達の依頼をしては、小さな
子供達を外に追い払い、彼との逢瀬を
楽しむというわけ。
しかし、グレイブ自身は、楽しいわけでも
なく、ただ奥さんの言われるがままに
時間を過ごしてるだけ。
そんな停滞した心に風穴を空けるのが、
旅する途中で、キャンピングカーの故障
のため、エンドーラにしばらく滞在する
ことになったベッキーである。
やはり異性の存在はすごいね。
今までの人生が一変するくらい大きい。
もちろん相手の心のあり方にもよるのだけ
ど。
とにかく心が広いと言うのか、そのもの
をあるがままに受け入れることができる、
そんな感じ。
グレイブの屈折した心も、障害をもつ
アーニーの存在も、普通の人間として
受け止めることができる。
だから、グレイブの失敗で水が嫌いに
なったアーニーを、優しくいざない、
一緒に川遊びをして、再び水の恐怖から
解放してあげることができたんだろう。
アーニーは旅人だから、キャンピングカー
が直ると出発してしまうのだけど、最後の
月夜に河原でグレイブとアーニーが一緒に
過ごした時間はとても素敵に描かれていた
と思う。グレイブは彼女によって、笑顔と
自分を取り戻せたのだ。
アーニーの誕生日の後、母親が急死してし
まうのだが、兄弟4人は、家に火をつけ、
車に乗って晴れ晴れとした表情であての
ない旅に出るラストは、グレイブの再生
を象徴的に表したシーンだった。
それにしても、全編にわたり輝くのは、
アーニー=ディカプリオの演技である。
とにかく、文句ナシにうますぎる。
20歳前後だったと思うが、アカデミー賞
とったのもうなずけます!
発達障害のグレイブの弟という役柄なのだ
が、屈託のない笑顔だけでなく、しぐさの
一つ一つが、ほんまに障害あるんちゃうん
と思わせるくらい。給水塔に登ったり、木
登りをして、アーニーはどこ?とゲラゲラ
笑いながら問いかける様子や、ことある
ごとに、18にもなって母親にとびこんで
甘えるところなど、うまいなと思う。
グレイブがアーニーを風呂に入れ、ちょっと
したミスで、その場を離れてしまい、
数時間空けてしまって戻ったときに、そこ
にいろという命令を忠実に守って、裸の
まま震えながらお風呂に入っていたシーン
があり、それをきっかけにお風呂に入らな
くなってしまう経緯があるのだが、その
設定を上回って、アーニーに入り込ん
でる感があり、ジョニーデップにはかわい
そうだが、ディカプリオがこの映画を牽引
してるよな、と感じてしまうのだ。