あぶさん、5年ぶりの新作発表 | まぶたはともだち

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最近はプロ野球もお熱です。

突然ですが、ボクが敬愛して止まない人物、あぶさんの残したエピソードで打線を組んでみました。

ちなみに誕生日が同じです。単行本全107巻絶賛発売中!

 

 

1(二)現役36年、62歳で引退(2009年)

2(遊)40代に入ってからスタメン定着(1991年~)

3(左)史上初の打率4割(2007年)

4(一)ホームランを代打だけで31本放ち、落合とタイトル争い(1981年)

5(指)シーズン56号(1994年)

6(中)51歳にしてサードにコンバート(1998年)

7(右)南海を自由契約となるも、素人に混じって入団テストを受け再契約(1983年)

8(捕)開幕戦から日本新記録の5打席連続ホームランを放つも雨で無効に(1979年)

9(左)オールスターで3試合連続代打ホームランを放ち3夜連続MVP(1981年)

 

控え 

・控え捕手がいなくなり急遽キャッチャーを務める

・控え投手がいなくなり急遽登板

・麻雀で九連宝燈

 

 

ひとつずつ見ていきましょうか。

 

1(二)現役36年、62歳で引退(2009年)

説明不要。引退試合で実在選手の名前が入った大量の花束がずらりと並んでいるシーンは正直ちょっと引きました。

 

2(遊)40代に入ってからスタメン定着(1991年~)

Wikipediaによると、当時ダイエーの監督だった田淵幸一が「自分なら景浦をスタメンで使う」と言ったからだとか。

酒びたりの体質がたたって代打しか出来ない、という根幹を成す設定を無視しているあたり、ロクに読んでないのでは。

いや、1986年にも設定を忘れたかのようにスタメンでフル出場してたし、くまなく読んでいた可能性もありますね(信者特有の深読み)(病気)

 

3(左)史上初の打率4割(2007年)

この年は代名詞である物干し竿を捨て、普通の長さのバットで単打狙いに徹していたので、3年連続三冠王とかに比べるとまあまあ地に足着いた展開だったと思います。これでも。

ただ常軌を逸しているのは、シーズン最終戦で4割に到達したのに交代せず、延長戦に突入して「まだマウンドに立ち続ける西口に敬意を表す」とかなんとか言って打席に立ち続けたこと。もちろんそこでもサヨナラヒットを放ちました。マンガのキャラが実在の選手相手にやっていいことじゃないんだよなあ。

 

4(一)ホームランを代打だけで31本放ち、落合とタイトル争い(1981年)

やっぱこれダントツで頭おかしいと思うんですよね。この頃はまだ現実離れした選手じゃなかっただけに。

当時は130試合制だったので、仮に他の打席で全て凡退したとしても31×4÷130で長打率は9割5分4厘。ちなみに長打率の日本記録はバレンティンの7割7分9厘です。もちろん規定打席には到達してないので単純比較は出来ませんけど。

 

5(指)シーズン56号(1994年)

2013年にバレンティンに抜かれました。

 

6(中)51歳にしてサードにコンバート(1998年)

脱税で出場停止処分を喰らった小久保の穴を見事に埋めました。

 

7(右)南海を自由契約となるも、素人に混じって入団テストを受け再契約(1983年)

これは読んでてハラハラしましたね。というかルール上問題ないのか?

あぶさんのホークス愛を感じさせるエピソードでした。

 

8(捕)開幕戦から日本新記録の5打席連続ホームランを放つも雨で無効に(1979年)

これは説明が必要ですね。まずあぶさんが開幕戦で4打席連続ホームランを放つのですが、次の試合で打球を顔に当ててしまい負傷。代打に王天上(フランク・オーテンジオ)が出されます。

ここで彼が三振をすると打席があぶさんの責任になってしまい、記録が途切れてしまうところだったのですが、王天上は幸いにして特大のホームラン。新記録をかけた打席は一ヵ月後に持ち越されました。

そして復帰戦、あぶさんは見事にホームランを放ち新記録達成。しかしすぐに雨が振り出し、懸命に試合進行を急いだホークスナインでしたが、雨天ノーゲーム。次の試合では村田兆治の前にあっさり打ち取られてしまうのでした。

我ながらめっちゃ詳しく覚えてるな。10年近く前に読んだきりなのに。

 

9(左)オールスターで3試合連続代打ホームランを放ち3夜連続MVP(1981年)

これはWikipediaを見て「そういえばそんなこともあったな」ってなった程度で正直良く覚えてないです。出直してきます。

 

 

さてもう二ヶ月前の話ですが、ビッグコミックオリジナルにあぶさんの特別編が掲載されました。

みんなは買ってくれたかな?

Kindle版には載ってないので、マーケットプレイスで買おう(提案)

 

ビッグコミックオリジナルは「新黒沢 最強伝説」とか、吉田戦車の「まんが親」(現でかけ親)も好きでしたけど、正直「フルーツ宅配便」という○リバリー○ルスを題材にした胸糞悪いマンガが視界に入るのが嫌で立ち読みすらしなくなってしまいました(源氏名がフルーツの名前で統一されているからフルーツ宅配便)。

あれ、そういえば「Dr.コトー診療所」ってまだ休んでるんですか?去年の10月くらいに連載再開ってニュースになってましたけど。

 

 

さっそくあらすじを見ていきましょう。

物語は、ダイエー時代の回想シーンから始まります。

球界の超至宝・あぶさんこと景浦安武を擁するホークスが26年ぶりのリーグ優勝を飾った1999年。

東京のある病院で、一人の少年が生まれました。

あぶさんの大ファンであった父・小林平蔵は、彼に景浦という名前を与えました。小林景浦という名前です。

(この話をボクの母親にしたら「名前に景浦はないわ~(笑)」と鼻で笑われました。「一笑に付す」とはこういう態度かと思うくらいの反応でした)

 

それから18年の歳月が経った2017年の夏、高3になった景浦少年はあぶさんそっくりのスイングで頭角をあらわし、都大会準々決勝でプロ注目の投手・柳原からホームランを放つも、惜しくも敗退。

病弱な父親の願いの元、野球を続けてきた景浦少年でしたが、これで彼の野球人生は終わりを迎えました。というのも、母親を含む周囲の人物は、彼の相撲取りとしての天性の資質を指摘しており、それは小林親子も認めるところでした。

「高校野球を終えたら相撲に転向する」、それが暗黙の了解だったのです。

 

しかし時を同じくして、景浦少年の父はいよいよ体調を崩し入院。胃の全摘出手術をすることに。

揺れる心境の中、父親を励ましたい一心で、彼はあぶさんに会うため、大阪の大虎を訪れますが……。

 

 

そこそこ面白かったですね(無礼)。

ドカベンがもう突っ込む言葉も失せるような内容なのでアレですけど、読み切りだと今でもそれなりのクオリティで描けるんだなと安心しました(上から目線)。もうちょっと親子の葛藤とか、なぜ相撲に向いてるのか描けてるなお一層のこと引き込まれたかな、という気がしますが。安直だけど、景浦少年を恰幅良い体型にしたら良かったんでないかい?

 

あと感心したのが、今風の若者の描き方。

回想シーンで中学時代の景浦少年が、いちゃもんをつけてきた相撲少年・鍋島と勝負するエピソードがあったのですが、いわゆるDQNではなく、「景浦が俺のことを大したことないと噂しているらしい、プライドが許せない」という、あくまで品の良い感じの描き方をしているんですよね。彼に応じてまわしをしめる景浦少年も、喧嘩っ早い感じじゃなくて「お前の気が済むならやろう」という態度。かなり2010年代という感じ。

ここではキレている鍋島(1番左)ですが、この後「ケガをすると思ったらいつでも土俵の外に逃げろよ」とまで言っています。あくまで紳士

 

あぶさんは現在もどこの球団にも属していないようで、サチ子さんやサチ子さんの親父をはじめとした大虎ファミリーも健在。

サチ子さんの親父はもう90代のはずなですが、未だに景虎のユニフォームを着て大虎のカウンターに立っています。

景虎も35歳。出番はなかった辺りまだ現役なんでしょうが、そろそろ引退が気になる年頃。父親は規格外にしても、義理の叔父である小林満のように40過ぎまで頑張っていただきたいところです。

 

ドカベンも今年中に終わるでしょうし、「マスターキートン Reマスター」みたいな感じで、あぶさんも不定期掲載で単行本1冊分くらい描いて欲しいよね。膨大な登場人物がいるわけだし…。