霊衣の厚薄は
人間の運命に大関係があります。

霊衣の厚い人ほど幸福者であり、
薄い人ほど不幸です。

また霊衣の厚い人は温味があり、
接する人に快感をあたえ
多くの人を引きつけますが、
それは霊衣に包むからでしょう。

これに反し薄い人に接すると
冷たく感じ、不快、寂寞、
長く一緒に居られません。

このような意味によって
人は霊衣を厚くするよう努める事こそ、
幸運の基です。

世間よく急激に出世した人や成金輩が、
いつしか失敗没落するような事があるのは
この事によるものでしょう。

すなわち成功の原因は
自己の力量手腕、努力によるものとし、
増長慢に陥り、利己的独善的となり、
贅沢三昧に耽る結果、

多数者から憎み、怨み、嫉み等の
曇りの想念が蝟集します。

霊衣は光を失い、薄くなり、
ついに没落するものです。

また何代も続いた名家や
富豪などが没落するのは、

元来社会的上位にある人は
それだけ国家社会から恩恵を受けている以上、
それに報いなければなりません。

大いに社会に向かって
善事を行いこれによって
絶えず曇りを消すべきです。

しかし多くは
己の利欲のみを考え、
利他的行為に乏しい結果曇りの方が増量し、

形態は立派であっても
霊の方は貧窮者同様になっています。

その為霊主体従の法則によって
ついに没落する事になるものです。

人間は善徳を積み
霊衣を厚くする事こそが、
幸福者になる唯一の方法です。

世間よく、
自分は生まれながら不運であると
諦める人がいますが、

これらも
この事を知らないからで気の毒なものです。

konishi.M