幼いころに、いつも遊んでいた神社がある。
鎮守の杜があって、そばには公園や幼稚園もあって、なかなか賑やかな神社だった。
夏のお祭りには、参道に屋台が並ぶ。
公園の中央に櫓を立て、盆踊りが行われる。
大人になってから、その神社に行ってみると、すでに鎮守の杜はなかった。
台風や地震で、区画整理が行われたのだろう。
鬱蒼とした樹々に囲まれたかつての広い境内は、今は、すっきりとして、こじんまりとしていた。
子供のころの小さく狭い世界が、驚くほど広くなったと、しみじみ思う。
常識だと思っていたことが、正しいわけではなかったとか、
信頼していた相手にいきなり手のひら返しされたりとか。
人生は、自分の力で切り開くものだ!……なんて、エラそうなことを考えていたこともある。
でも、誰も助けてくれなかったわけではない。
意地悪な人もいれば、優しい人もいた。
不幸だと思っていたことも、今の幸せにつながっている。
自分の力だけで、乗り越えられたわけじゃなかったんだ。
――と、新しくオシャレにになった神社を見上げながら、改めて気がついた。

