~ブログ版 第94号~
~新生児聴覚スクリーニング~
当院では生まれた赤ちゃん全員に対して、退院までの間に聴力検査(自動ABR:難性脳幹反応)を実施しております。
赤ちゃんが寝ている間に、小さな音を聞かせ、反応を確かめます。 検査は数分から 10 分ほどで終了します。 自動 ABR(聴性脳幹反応)と 自動 OAE(耳音響放射)の 2 種類 の検査機器がありますが、どちらも赤ちゃんに痛みや負担は全くありません。
どうして検査を行うのですか?
赤ちゃんは、お母さんのおなかにいるとき から音を聞いており、言葉を話すまでは周 りの言葉・歌・物音など、さまざまな音を 聞いて学んでいます。 赤ちゃんの言葉は、家族との生活の中で一緒に喜んだり楽しんだりす ることによって育っていきますが、もし赤ちゃんの耳が聞こえにくいこと に気づかずにいると、言葉の発達が遅れたり、コミュニケーションがと りにくくなることがあります。 赤ちゃんは、自分から聞こえないことを知らせることができませんし、 耳の聞こえは外見では分かりにくいものなので、生まれてすぐに検査 することが大切なのです。
新生児聴覚スクリーニングって?
赤ちゃんの 1000 人のうち 1 ~ 2 人は、生まれつき耳の聞こえにくさ があると言われています。 新生児聴覚スクリーニングは赤ちゃんが受けることのできる聞こえの簡 易検査であり、専門の施設でさらに詳しい検査を受けた方がよいかど うかを選別するための検査です。
検査の方法
当院では、2021 年 2 月より従来の自動 OAE から自動 ABR に変更 しました。 検査はお母さんの入院期間中、生後 2 日から退院までの間に行っています。
検査結果の見方
検査結果は、「パス」あるいは「リファー(要再検)」の 2 通りです。 パスは、聞こえの反応があったという意味です。 リファーは、今回の検査では反応が確認できなかったため、より詳し い検査が必要という意味です。耳が聞こえていないと判断されたわけ ではありません。赤ちゃんの体調、耳垢や羊水の影響によってもパスしない場合があります。
赤ちゃんの健やかな成長のため、看護部と検査課が連携して 「新生児聴覚スクリーニング」を行っています。