髪を切りました。いつも通りの短髪に戻りました。
行ったところもいつも通り「早い、安い」の1000円カットなわけですが、
この短髪の状態で美容院に行って「カッコいい髪型にしてください」なんて頼んだら
美容師さんはどう対応するんだろう?
というロクでもない考えがふと浮かんだマンモスコーチです。
皆さん、こんにちわ。
さて、今回は「走る」という動作について、理論的な面からお話したいと思います。
…と思ったのですが、理論として書き始めると長編シリーズ化すること間違いなし
ということに気が付いたので、「走り方の見るべきポイント【初級編】」に変更します。
さて、早速本題に入りたいところなのですが、その前に一つ注意がありまして。
短距離走というのは「スタート区間」、「加速区間」、「トップスピード区間」の
3つの区間に分けて考えることができ、区間ごとに走り方が異なってきます。
うちの教室で教えているのは主に「スタート~加速区間」の走り方で、
これから書く内容もそこに絞ってお話しします。
理由としては、もちろん「教室のスペースが足りないから」というのは一番なのですが(苦笑)、
幼児~小学生に短距離走を教える際にスタート~加速区間を重視する理由として
・幼児や小学生の短距離走は距離が短く、重要度がスタート区間>トップスピード区間のため
(高学年は運動会で70~80mを走りますが普通はコースが直線ではないのと、
年齢的な体力&筋力的な面から、本来の「トップスピード」になる&活かすことができない)
・スタート区間での初期加速がしっかりしなければ、その後の区間は上手く走れない
(逆に言えば、初期加速が上手くいけばそれに乗ってその後もそれなりに走れる)
・球技系と共通して重要になるのは初期加速であるため
(球技で50mや100mといった「直線」を走ることはない)
といったことが挙げられます。一応、このことを前提として読んでください。
まず、「走り方」を見る際に判断基準になる最もわかりやすいポイントとしては、
「ヒザ」「腕」「体の傾き」の3つを挙げることができます。
最初に「腕」ですが、これは前回の練習メニュー②とまったく同じで、
「肘を曲げたまま、前後に真っ直ぐ振る」のが早く走るポイントになります。
①腕の動きと足の動きは連動する(腕を早く、足をゆっくり動かすのは不自然かつ困難)
②肘を伸ばして振るより、肘を曲げて振った方が早く振れる(実際にやってみるとわかります)
③ゆえに、肘を曲げて腕を早く振れば、足も早く動く
ということです。
次に、「ヒザ」について。
よく「ヒザを上げて走る」という風に言いますが、これ、実は正しく伝わりにくかったりします。
「ヒザを上げて」と言うと、前回書いた骨盤後傾型の走り方になる子が非常に多いんです。
確かにヒザは上がってるんですけどね…。さすがにこれじゃ早くは走れません。
なので「ヒザを上げる」ではなく、「ヒザを前に出す」と言う方が正しく伝わります。
そして、もう一つ大事なのが、「ヒザを曲げて(鋭角にして)」前に出すという点です。
(あまりいい見本ではないのですが、準備体操なしで1発撮りしたものなのでご勘弁を・苦笑)
ちょっと画像が荒いのと小さいのとでわかりにくいかもしれませんが、
「ヒザを曲げて+ヒザを前に出す」ことで、
足が後ろに流れずに素早く前に出すことができるようになります。
これは肘を曲げた方が早く振れるのと一緒で、ヒザを曲げた方が早く足を動かせます。
また、ヒザを曲げる(上げる)ことでその直後に地面を蹴る(踏む)ためのパワーも増します。
なお、このときに「かかとをお尻につけるように」するとヒザを曲げやすくなるのですが、
「かかとをお尻につけるように」と言うだけだとヒザを前に出さずに(上げずに)曲げて
かかとだけを上げようとする場合があるので、あくまで「ヒザを前に出す」ことを優先し、
その上でかかとについては+αとして伝えた方がいいでしょう。
最後に、3つ目の「体の傾き」について。
ポイントとしては「体を前に倒す」ことと、「前方斜め下を見る」ことです。
左と右、どちらの方が早く走れそうかは一目瞭然かと思います。
まず、体を倒すことで地面を蹴って得た力の方向をより多く前にもっていくことができます。
また、これは実際に体を起こした状態と倒した状態とで試してみてもらいたいのですが、
体を倒すことで先に述べた「肘を曲げて前後に振る」ことと
「ヒザを曲げて前に出す」ことがやりやすくなります。
ただ、これにも注意点がありまして、「体を倒して」と子どもに言うと、
①アゴを引いて首だけを前に倒す
②体は倒しているが前を見ようとアゴを上げる
③倒し過ぎて前に倒れそうに感じるのを踏ん張るために大股になり過ぎる(下の図)
(大股でヒザより前に着地しているためバランスが悪く、地面を蹴る力も弱くなる)
といったパターンになることが非常に多くあります。
①と②は「前方斜め下を見る」ように伝えたり、
静止した気を付けの姿勢から腰だけ曲げてアゴを動かさないようにすることで直していきます。
また、③は「骨盤前傾」が強いタイプ(前屈がベタっとできるタイプ)によく見られるのですが、
「足をヒザの真下に下ろす(真下を踏む)」ようにします。
さて、これで3つのポイントをすべて説明し終えたわけですが、
前回書いた練習法は基本的に、これらを踏まえた上でのメニューになっています。
ですので、前回の練習法をお家でやって各部位の動きを強化しつつ、
時間のあるときに公園などで実際にお子さんの走ってもらい、
今回書いたポイントがどうなっているかフォームをチェックしてあげてください。
運動会は子どもにとっても親御さんにとっても一大イベントです。
走るのが得意な子は上位を獲って活躍できるよう、
走るのが苦手な子は順位を一つでも上げて喜べるよう、
少しでもお役にたてたら幸いです。
あ、なお今回は【初級編】でしたが、中級編や上級編をやる予定はありません(笑)
いや、それやり始めると長編シリーズ化するのは目に見えてますし、
そこまでの時間を割ける余裕はちょっとありませんので…。