コラァ、どかんかい!!!
(in イタ語)












これはウチの夫が運転しているときの決まり文句である。

ウチの夫は運転すると人が変わる。
普段穏やかで平和主義の夫がクレイジードライバーへ豹変する。
まさにマンガ「こち亀」の’本田’のようである。

こっちの人々はみんな運転が荒いことで有名である車
例えば、
2車線の道があたりまえのように4車線くらい
になっているほど皆さん前に出るのに必死である。
交差点などで信号が変わった瞬間、ポールポジションをゲットしようと前へおどりでる車、スクーターで、横断歩道を渡っているご老人が轢かれそうになるのは日常茶飯事。
必殺技は横はいり。
車の鼻っ面を出してしまえば後ろの車が避けざるをえないので
新型歯ブラシのようにわずかな隙間にドンドン入っていく。
イタリア人の間でも
特にローマ、ナポリはヒドイらしい。
地域別に車の保険代を比べるとナポリがダントツ倍額であるそうな。
ローマも負けてはいない。
ローマナンバーで北部の街を走ると恐れられるらしい。
日本での平和な運転に慣れてしまっていた私は
この仁義なき弱肉強食の世界でとても生きてはいけない。
特にウチの夫みたいなのがウヨウヨいるせいで。
日本から来た友人3人を後部座席に乗せたことがあるが、
顔が硬直していた。

ゴ、ゴーカートみたいだね。ドクロ

と婉曲に夫のドライビングテクニックを表現していた。
確かに運転はうまい。
急いでいるときなど他の車を避けながら面白いほどスイスイ進んでいく。
しかし水面を華麗に進む白鳥も水面下は必死に水かきを動かしているように、
彼は口が動く。
ありとあらゆる罵倒、悪態の言葉を吐くので
そのバラエティーの豊かさに
「車中へヴィー級イタリア語講座」
が開講できそうである。
のろいのに道の真ん中を走って渋滞を作り出している車などいようものなら
追い越す際、メラメラ般若メラメラの形相で罵倒する。しかもジェスチャー付きだ。
ギアを換え、ハンドルを握りながらよくもまあできるもんだと関心する。

日本でやったら相手に殺されるであろうイタリアンドライバーの習慣を
リストアップしてみた。
1.高速道路などの多数車線のあるところでは
最左車線はとにかく速い車優先なので
前の車を追い抜かすときはピッタリ後ろにくっつき、
バッシングランプをバシバシ浴びせかけ、
それでもダメな場合はクラクションを鳴らしまくって車線から追い出す。
2.スクーターの場合、道が込んでたら、
対向車がいようが反対車線に躍り出て前進。
3.右(左)折専用車線だけ青信号で前に進めるとき、
曲がらなくても入っていき、
直進待ちの車の最前列につける。
4.救急車の後をちゃっかりついていく。
などなど。
1番がウチの夫の十八番である。
助手席に乗っているとめっちゃこわい。

ちょっともっと車間開けなさいよ

と夫の顔を見ると
形相がもっとコワイ。
普段おとなしい分、
ここで発散してのであろう。

ノロノロ走る車に遭遇してうちの夫が
子に言っていた。

こんな走り方をしちゃ他の車にむかっメイワクむかっだよパンチ!
僕を見習ってうまい効率的な運転をしなくちゃ。
大きくなったら柔道手裏剣運転の仕方手裏剣柔道を教えてあげるからね。


パーやめてくれぇぇぇぇぇ!!
ヽ(;´Д`)ノ