小島先生が、それぞれのチームの感想箱を渡してきた。
岩下が一枚引き抜く。
「男子チームなのに、とても良かった。特にドラムの音が良かった」
続けて、もう一枚。
「木琴が特に良かった。途中で間違えたのはあったけど」
それを聞いた瞬間、岩下が叫ぶ。
「やっぱバレてた!」
みんなが笑った。
今度は古田が一枚引いた。
「男子チームはまとまっていた。ギターの一生懸命さが良かった」
中村が少し照れながら笑う。
他の紙も、ほとんど褒める内容だった。
五人は感想を読みながら笑い合った。
ただ、
三沢だけは少し浮かない。
キーボードについて書かれた感想が、一つもなかった。
伴奏だから目立たない。
しょうがない。
そう思いながらも、少しだけショックだった。
でも、そのことは誰にも言わなかった。
三沢も一緒になって笑っていた。
少し落ち着いたころ、
小島先生が前に立った。
「これで一年、二年と続いた音楽の授業は終わりです。みんな、お疲れ様でした。これからは勉強頑張ってください」
そう言って、音楽の授業は終わった。
三沢は最後に、横を見た。
長澤さんがいた。
一瞬だけ目が向く。
胸がドキドキした。
その鼓動は、しばらく止まらなかった。
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『恋心』目次-プロローグ、第1話から読む
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