8月末に挙げたブログの続きになりますが、ゴールデンカムイ全31巻を読み上げるのに約一週間かかりました。

まずはストーリー展開を読み進めるためにざっと読み進めるのですが、それでも一週間かかりました。


それだけ読み応えのある作品でした。

物語は日露戦争後の明治末期の北海道。北海道のどこかにあるアイヌが隠し持ったとされる莫大な量の金塊を巡る争奪戦。




同郷の幼なじみで戦友の寅次(トラジ)の遺言で、寅次の妻、同じく幼なじみの梅子(ウメコ)の眼病の高額な治療費を手に入れたく砂金で一攫千金を狙う 日露戦争の英雄 杉元佐一(スギモトサイチ)。除隊後に北海道で砂金取りをしている時、偶然アイヌの埋蔵金の話を聞き、山で助けられたアイヌの少女と手を組み、金塊争奪戦に参戦。


小樽近郊のアイヌコタン(集落)に住む、狩猟の能力に長けた アイヌの少女 アシㇼパ。昔アイヌが集めた大量の砂金を巡って砂金を知るアイヌたちが殺された。殺されたアイヌの一人がアシㇼパの父親らしいが…!? その真相を確かめたく山で出会った杉元と協力関係に。


日露戦争で日本軍に大きく貢献した陸軍最強部隊第七師団27聯隊小隊長 鶴見中尉(ツルミチュウイ)。軍事資源に恵まれた北海道と戦友や愛する者が眠る満州やウラジオストク、北海道を含む極東連邦国家を作り、日本の反映のために金塊争奪戦に参戦。中央政府に目を付けながらもアイヌの金塊を追う。


箱館戦争で亡くなった幕末の侍、新撰組の鬼の副長 土方歳三(ヒジカタトシゾウ)。亡くなったと言われていたが、実は密かに監獄に収監されていた。アイヌの埋蔵金を知る中心的な人物と繋がりがあり、土方を始め網走監獄の囚人たちに金塊のありかを示す暗号となる刺青をとある人物に彫られる。刺青囚人たちの一斉脱獄を機に旧友の永倉新八(ナガクラシンパチ)や強靭な囚人や用心棒たちを従えて、果たせなかった蝦夷共和国の再現、北海道の独立と多民族国家を作るためにアイヌの金塊を追う。



何度かゴールデンカムイの事をブログにしているので、内容が被ってしまいますが、

漫画を通して明治期の北海道、近代日本史、日露戦争、当時のロシア情勢、アイヌ文化、樺太の少数民族の文化、アイヌの埋蔵金…などが楽しく学べる漫画だというのは何年か前から知っており、アニメを観たのをキッカケで単行本の購入に至りました。



 

 



1話、1冊の内容がとても濃いので、ざっと読むのにも時間がかかってしまいましたが幸せな時間でした。


今は細かな点まで見逃さないよう、ゆっくり丁寧に読み返しています。




数多くの名言や印象に残るシーン、好きなキャラクターばかりで、どこを紹介しようか迷ってしまいます。

…ネタバレにならない程度に印象に残ったシーンを二つほど。



【27巻 第267話】
差別は無知から生まれる

これは人類誕生から今日までに至ることで最大の課題だと思います。未だに民族同士、他民族との争い事が絶えないのは無知ゆえの差別や偏見からでは? それだけではないと思いますが、綺麗事では済まない、簡単に無くすことができない…。
改めて考えさせられる一言でした。



【25巻 第242話】
物語序盤から杉元(スギモト)アシㇼパと共に行動している刺青囚人の白石(シライシ)。前半は約立たず扱いでズル賢くおふざけ担当のキャラクターだったが、中盤は杉元の代わりにアシㇼパを守ったりと意外にも情に厚くカッコイイ奴だった。
奇人変人ばかりのゴールデンカムイのキャラクターの中で実は一番まともな感覚を持ったキャラクターでは?…と個人的に思ってます笑。ずっと雑に扱われてきた白石が主人公ペア二人に信頼され、報われたシーンに感動しました。

私もちょっと泣いてしまいましたよ。。。
(良かったね、シライシ笑)




特に物語の後半は見どころだらけで、謎の多かった前半~中盤の答え合わせのようで、驚いたり、切なくなったりで、漫画でこんなにワクワクしたのは25年振りくらいではないかと。


連載はとっくに終了していたので、何も知らない状態でアニメ、単行本と一気にゴールデンカムイの世界を堪能でき、未だに興奮が冷めません。

一度読んで終わりでなく勉強になることも多々あるので、繰り返し読んで楽しめる点で、単行本を買って良かったと思いました。