コロナウィルスの影響で、被後見人(本人)の施設、病院、グループホーム等が軒並み面会制限となっています。
成年後見人の業務の中で、ご本人との面会というのは、一番大切な業務だと思います。
そして、一番楽しい業務でもあります。
ご本人とお話ししたり、施設等の担当者から普段のご本人の様子を伺ったりします。
面会に行くと、喜んでくださる方が多いので、こちらもうれしくなります。
そんな面会が制限されてしまい、仕方がないこととはいえ、とても残念です。
こんなときに活躍するのが、「絵葉書」です。
私は、ときどきご本人に絵葉書を送ることがあります。
はじまりは、精神障害で入院中の方と仲良くなるためでした。
その方に最初に会いに行ったときのことは、今でも覚えています。
あいさつして自己紹介したのですが、そっぽを向いて、となりに座らせてもらうこともできない状態でした。
途方に暮れた私は、担当の看護師に「どうすれば仲良くなれるか」と藁にも縋る気持ちで相談しました。
その看護師といろいろ話している中で出てきたのが「絵葉書」でした。
「入院中の方は手紙をもらうとうれしいし、きれいなものが好きな方なので、絵葉書なんてどうでしょうか。」
その看護師の言葉に従って、事務所に帰ってすぐに絵葉書を書きました。
内容は「今日は会えてうれしかった」というシンプルなものです。
次の面会のときに、おそるおそる近づいて行った私に、笑顔で挨拶してくれたときは、思わず心の中でガッツポーズをしてしまいました。
その後は、面会のあとに季節の花の絵葉書を送り、誕生日カード、クリスマスカード、年賀状なども送るようになりました。
今ではいろいろお話してくれるようになったその方は、あるとき「絵葉書をもらうとうれしい」と私に打ち明けてくれました。
成年後見業務には、ご本人との信頼関係の構築が不可欠となります。
その信頼関係の構築に、絵葉書が大きな役割を果たしてくれました。
面会制限で会えないこんなときこそ、ご本人に絵葉書を送りたいと思います。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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