平成28年10月26日、成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(円滑化法)の研修を受講しました。
講師は東京家庭裁判所後見センターの日景聡裁判官です。この研修は10月4日に実施されたのですが、申込が殺到して、あっという間に満席になってしまい、私は受講できませんでした。
やっぱり法改正は皆関心が高いですね。
このたび再度DVDで研修が開催されるというので、受講することができました。
以下、受講の感想です。
円滑化法は①郵便物等の回付嘱託、②死後事務の2つについて定めています。
①郵便物等の回付嘱託
これは被後見人の財産調査のために郵便物を後見人のところに転送するというものです。
被後見人の通信の秘密(憲法21条2項後段)を制限するものですから、限定的に認められるものですね。
3度目以降の再度の申立てはなかなかハードルが高そうな印象を持ちました。
②死後事務
従来も、後見人が死後事務を応急処分・事務管理を根拠に行うことはありました。
この改正は、それにお墨付きを与えるものです。
たとえば、遺体の埋葬・火葬を従来の応急処分・事務管理を根拠に行うか、この改正規定に基づいて裁判所の許可を得て行うかについては、後見人の判断に基づくということなんですね。
この裁判所の許可審判はかなり迅速にしてくれるようですし、閉庁時などやむをえない場合は事後の申し立てでも審判をしてくれるようなので、「審判待ってたら遺体が腐っちゃうよ!」という心配はなくなりました。
裁判所の許可を得ておけばその後の相続人とのトラブルも防げますし、私としてはやはり許可を得て行いたいと思いました。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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