成年後見制度利用促進委員会の「第1回 不正防止対策ワーキング・グループ」の会議が平成28年10月19日(水)開催 されました。
ここで、各委員から「不正防止策」が提出されています。
リーガルサポートの川口純一委員からもリーガルサポートとしての「不正防止策」が提出されました。⇒http://www.cao.go.jp/seinenkouken/iinkai/wg/huseibousi/1_20161019/pdf/siryo_5-1.pdf
私もリーガルサポートの一会員ですので、どのような不正防止策が提出されたのかチェックしてみたいと思います。
ここで注目したいのは次の2点です。
① 監督機関の再構築とその強化
② 後見制度支援信託に並立・代替する方策の検討
①では、家庭裁判所の機能を「司法判断に関する事務及びそれに付随する事務」と「監督事務作業等司法判断を伴なわない事務」に分化し、後者につき専門性を備えた監督機関を設置し移管することが望ましい、としています。
つまり、通常の監督(定期報告書のチェック等)については、裁判所ではなく別の機関が行うということです。これは私も賛成です。財産目録のチェックなどはそもそも裁判所のする性質の仕事じゃないな~と常々思っていました。
リーガルサポートは会員監督のノウハウがありますからこの監督機関の一翼を担えるのではないでしょうか。不正防止策の中でも実績をアピールしてますね。
監督を強化するためには、預貯金通帳の原本を確認することが不可欠です。
現在は家庭裁判所は後見人に1年に1回通帳のコピーを提出してもらっていますが、このコピーの偽造によって横領が隠ぺいされ被害が拡大するという事件が後を絶ちません。
そこで、家庭裁判所は監督人に年に3~4回は通帳の原本を確認することを求めています。
新しくできる監督機関でも、おそらく監督人のように預貯金通帳の原本を確認するのは必須になってくるのではないでしょうか。
②では、被後見人が構築した財産構成を変動させずに、既存の金融機関において取引を継続できるよう、預金の解約を家庭裁判所の許可を要件とする定期預金等の開発を金融機関等に促すとしています。
このアイデアについては、私も後見制度支援信託をした際に、ある親族後見人から「今の銀行で裁判所の許可なくおろせないようにすればいいのに」と言われたことがあり、本当にそうだな~と思ったことがあります。これは実現するといいですね。
会員の不正の防止に注力してきたリーガルサポートの経験やノウハウが詰まった不正防止策だと思います。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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