法務省Q&A「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」 | 成年後見日記

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「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が本日(平成28年10月13日)施行されました。

 

法務省がホームページにQ&Aを掲載しています。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00196.html

このQ&Aを見れば改正のポイントがわかります。

 

この改正の主な内容は

(1) 成年後見人が家庭裁判所の審判を得て成年被後見人宛郵便物の転送を受けることができるようになったこと(郵便転送。民法第860条の2,第860条の3)
(2) 成年後見人が成年被後見人の死亡後にも行うことができる事務(死後事務)の内容及びその手続が明確化されたこと(民法第873条の2)
の2点です。

 

さて、このQ&Aのポイントを見ていきましょう。

 

①改正法の規定は成年後見のみを対象としており,保佐,補助,任意後見及び未成年後見には適用されません

⇒これは大切ですよね。間違わないように気をつけねば。でも死後事務については保佐、補助の場合でも代理権付与されている範囲では認められてもいいような気がするのですが…。


②成年後見人が後見事務の一環として成年被後見人の葬儀を執り行うことはできません。
 もっとも,成年後見人が,後見事務とは別に,個人として参加者を募り,参加者から徴収した会費を使って無宗教のお別れ会を開くことは可能と考えられます。  

⇒これはちょっと驚きました。本人がとても大切にしている宗教があったら、その宗教にのっとって葬儀を行うのが本人のためかと思うのですが…。それが後見人の仕事ではないといわれればその通りですが。じゃあ他に誰がやってくれるのでしょうか?親族がいない方は生前に葬儀について契約を結んでおいた方がいいですね…。

埋葬・火葬(納骨は埋葬・火葬に準ずる)までは家裁の許可があれば後見事務の一環として認められるけれど、葬儀は含まれないとうことですね。後見人の業務範囲が明確になったのはよかったと思います。

 

この改正法については、10月末に東京家庭裁判所の裁判官による研修を受講する予定ですので、さらに理解を深めたいと思います。

 

(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
 

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