劇場にて。
10/10
市子(杉咲花)は同棲している恋人の長谷川(若葉竜也)からプロポーズを受ける。その翌日に彼女は失踪した。警察へ届け出ると…過去のある事件やら、市子の名前が違っていたり、市子が存在していなかったり、彼女の情報が不確定要素だらけで溢れ出てくる。しかし市子と言う女性を追っていくたびに、彼女が生まれた時から背負ってしまっている、とてつもない境遇を知っていく長谷川。市子とは…誰なのか?
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A-studioでこの映画の番宣の時に、監督が熱烈なオファーのお手紙を彼女に送られていたというお話。法廷遊戯を観た時にも彼女の圧倒的な演技力に気圧されてしまっていた私は、この映画もぜひ観たい!と思って公開初日に劇場へ。今年最後のすごい映画に出会えたって感じ。いやぁ、彼女がアカデミー賞をとるかもしれない!と期待してしまう。
市子と言う女性が、生まれ持って「自分の名前」で生きられない苦しみと絶望の境地。それらを全て無しにしてしまいたくなった暴走、暴動。苦しいほどよくわかる。人生って過去に「思い出したくないような傷」があったとしたならば、それを「未来でまっとうに、必死に生きることで、上から塗りつぶしていけば、全てなかったことになるんじゃないか」と思う瞬間もある。だけど少なくとも彼女の過去の事実は消えない。なかったことには出来ない。でも隠し通したい。知られないままで行けるんじゃない?という心境もわかる。そう思ってしまうほど…彼女に関わる人たちが恋人も含めてあまりに優しすぎるから、また切ないんだなぁ。
他の人のレビューで、俺が〇〇であってもきっと彼女を助ける!というのを書かれていたのを見て泣きそうになった。だってもし実際にこういうことを知ったら普通の人はきっと逃げる奴ばっかりだろ!こんな重い過去の人間なんて、ふつうは背負えないだろう…と思ったから。世の中は優しい人も多いんだなぁと思って嬉しくなった。私が見てきた世界では、本当に逃げる人ばっかりだったから。自分と重ねてしまう。必死に追いかける恋人の長谷川を見ながら、市子とは比べられものにならないけれど、私の背負ってきたことを見ても、夫はそう言えば逃げなかったなぁ…という思いが改めてこみ上げてきました。
非常に重いお話なので、引きずられる人にはあまりおススメできません。
でもこういう「人には絶対に言えない過去」を背負って生きている人間も、この世にはいる。その現実も知っておこう、と思う勇気のある人にはぜひ観て欲しい。
月子と市子。画数ばっかり考えてしまったのは本当に職業病(笑)
檜原有輝 ひばらゆうき スケジュール
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