2024年1月27日(土)12時30分開演
森ノ宮ピロティホール


キャスト:望月歩、小路勇介、秋元真夏、街裏ぴんく、森本華、岩本晟夢、長谷川朝晴、鈴木杏樹
上演台本・演出:マギー
原作:内田けんじ作/監督 映画「鍵泥棒のメソッド」


リブート(reboot)とは?ですね。
原作の映画、観ました。
堺雅人さん、広末涼子さん、香川照之さんなどが出演されていて、面白い作品でした。
名探偵コナン版のアニメも見ました。コナン版は大まかな設定が原作どおりで、展開は全く異なるものでした。
今回はマギーさんが原作映画を大胆にアレンジし、役者全員が輝き、ガツンとくる台詞を用いて、ドキドキするようなエモオモロい作品作りに挑戦されたようです。(パンフレットの「ごあいさつ」より)
この大胆なアレンジ他、脚本家のマギーさんと演出家のマギーさんが全身全霊で取り組まれた作品、これぞリブートに違いない、と思います。
結構えげつない感じの事件が起こりますが、鑑賞後感は悪くなく、マギーさんお見事、と思いました。


売れない若手俳優の桜井と伝説の殺し屋のコンドウ、全く接点のない二人。
ある日銭湯でコンドウが転んで記憶を失ったことから、二人の人生が入れ替わる。
桜井は自分の行き詰った人生の巻き返しを図るも、何分コンドウの正体がわからないことから、アブナイ橋を渡ることになる。
それでも運に見放されずに裏社会の男・工藤から依頼されたコロシを引き受けた形で、その標的である綾子との接触に成功する。
一方、自分が殺し屋であることをすっかり忘れ、自らの素性がわからずに困惑するコンドウは売れない俳優・桜井の人生を辿り始める。
その過程で知り合った雑誌ライターの香苗に惹かれ、なぜだか俳優業も板に付き、ささやかな幸せをかみしめている。
再び絡み合う、桜井とコンドウの人生、綾子の店で諸々の登場人物が集まり、事実が少しずつあらわになる。
コンドウの記憶は戻るのか、桜井の行く末は、香苗、綾子のこれからは…?

ある程度ストーリーを知っていても、やっぱりドキドキハラハラする要素があって、物語の発想や組み立てがとても上手いなぁとまた思いました。
殺し屋なんていう、日常的に関りようのない職種が普通に存在して、だからこそ、何かと命の危機を感じることになり、ハラハラしちゃうんですよね。
いろいろ心臓に悪い。
コンドウさんは伝説の殺し屋だけど、大きな秘密があって・・・、実は殺し屋と言えども、みたいなオチもおもしろいと思います。
そもそも観客には見えている入れ替わりが、登場人物たちの中で把握しているのは少数、という構図もよくできているなぁと思いました。
どんな風にアレンジしても、元の物語がよくできているから、作品としては面白くなって当然なのかとも思いますが、マギーさんは舞台上での人物の描き分けとか、場面転換の方法とか、個性的で面白くてすごいなぁと思います。
感情移入を誰にするか、で物語の捉え方は異なるように思いますが、それぞれの想いがひしひしと伝わってきて、最後の辺りはうるうるしました。

皆さん、上手いと思いましたが、やっぱり鈴木杏樹さんが素敵だったかな。
カッコいいし、可愛いし。
真夏さんの演技も相当上手かったと思います。
個人的には長谷川さんが好きで~す。

ぐいぐい見せてもらって面白いお芝居でした。