2023年11月24日(金)13時開演
京都劇場

キャスト:天海祐希、アダム・クーパー、鈴木保奈美、要潤、宮下今日子、栗原英雄
演出:ウィル・タケット
作:ジュード・クリスチャン
翻訳:土器屋利行

先日同じ劇場で観劇した作品、約1週間ぶりに観ました。
場所は前回と同じほぼ中央、列もだいたい真ん中、少し後ろな感じで、見やすい席でした。
シリアスな作品にもこんなに観客が集まるんだなぁと改めて役者さんたちの力を感じました。
今日も天海祐希さんのオーラはダントツに思えました。

お話は先日と同じです。
戦場で恋に落ち結ばれたマクベスとレディマクベスの夫妻。
そう、レディマクベスは元軍人で、出産後の復帰を考えていたが、難産がもとで体を壊し元のようには動けない。
仕方なく夫のマクベスを支えることとなった…。
娘が16歳になった今も戦争は続いており、マクベスは国王ダンカンの右腕となり国の中心人物に上り詰めた。
かつてレディマクベスが描いた「夫と共に国を治める」夢が、国王の後継者を血縁以外から選ぶという宣言により俄然現実味を帯びる。誰もが次期後継者をマクベスだと確信している。
幼馴染のバンクォーやダンカンの従姉妹のマクダフの言葉に心を揺らがされながらもレディマクベスは大きな夢の実現を信じて夫を鼓舞する。
しかし・・・、マクベスは長きに渡る殺戮の日々やレディマクベスからのプレッシャーに耐えられる精神状態ではなくなっていた…。

前回と変わらない、静かにお話が進む、難しいシリアスな舞台でした。
今日も比較的、声は聴きづらかったのですが、前回よりはお話がわかった、気がします。
今日は特に、戦場で倒れてもなお蘇るよう戦士と、母の「無念」の想いが自分由来だと苦しむ娘が印象に残りました。
同じ舞台を日をあけずに観て、感じるものや印象に残るところが異なるのは面白いものです。

マクベス役の役者さんは厳しい精神状態のマクベスを真に迫って演じられていたと思います。
寄り添うレディマクベスの天海祐希さん、美しいドレス姿がまぶしいほどにお似合いで、本当に美しく見惚れました。
元軍人の自分と、母であり妻である自分との間で、激しく葛藤するレディマクベス、夫を信じるがゆえに追いつめてしまうことをなかなか自覚できない。
いよいよもう、打つ手がないことを思い知るレディマクベスが取った行動は・・・、これもひとつの愛のカタチなんだろうなぁとぼんやり思いました。

2回観ても、実は今一つハッキリ「理解」できない気持ちが残りました。
レディマクベスに名前がなく、かの有名なシェイクスピアの戯曲「マクベス」の悪名高いマクベス夫人であることは認識しつつ。
彼女は元軍人だったという設定はしっくりこないなぁと思いました。
マクベスの物語自体をよく知らない(何度か演劇舞台は観ていますが、原作は読んでいません。)ため、私の理解が及ばなかったのかもしれません。
セリフもそれなりに難しかったし、自分の力量の足りなさが理解し難い理由のすべてのように思います。

時間を経て、もう一度見たら、もしかしたら感じ方も変わるかもしれません。
とにかく、天海祐希さんの存在がとても大きいお芝居ではありましたが、マクベス以外の俳優さんはすべてベテランで私が良く知った面々で、期待通りの演技をされていました。
キャストが変わるとまた雰囲気も変わるので、できれば同じキャストでの再演されるといいなぁと思います。