2023年11月16日(木)16時開演
シアタードラマシティ

キャスト:永井大、入山杏奈(Wキャスト)、森迫永依、浜谷健司、広田亮平、大藪丘、櫻井佑樹(劇団EXILE)、中野恵那、菅原ブリタニー、加藤貴子、宅間孝行、山崎静代(映像出演)
作・演出:宅間孝行

タクフェス第11弾は、始まりから何かと波乱が続いたそうです。
まず当初のキャスト北野日奈子さんが体調不良のため降板、入山杏奈さんと高柳明音さんのWキャストでスタート。
その後、石黒英雄さんが仙台公演で胸部疲労骨折のため降板、10日の稽古期間を経て、大阪公演から永井大さんが登板されたそうです。
で、なんと大阪公演からパンフレットを大急ぎで印刷しなおしたそうな。
いやぁ、お疲れ様、としか言いようがありません。

結構綱渡りのような状態の中での上演だったようですが、とてもできの良いお芝居だったと私は思います。
不自然だったりたどたどしいところは全くなく、チームワークのいい、息の合った演技でした。

今更ですが、「タクフェス」とは「TAKUMA FESTIVAL JAPAN」の略称で、宅間孝行さんが2013年に立ち上げた演劇プロジェクトだそうです。
・・・、と、エンタメ日記に毎回書いてきました。
それは正しいと思うのですが、自らの観劇記録に間違いがありまして。
初めて第5弾公演「ひみつ」(2017)は「タクフェス」の存在を知らずに職場の若者と出かけました。
第6弾公演「あいあい傘」(2018)を見たつもりになっていましたが、実は見ていませんでした(笑)。
第7弾公演「流れ星」、第8弾公演「くちづけ」、第9弾公演「天国」、第10弾公演「ぴえろ」は「タクフェス」と認識して鑑賞。
前説、ファンサービス、ダンス等、タクフェスならではのイベント(?!)も把握して参加しましたとも。
ということで、タクフェス歴7年、6回目の鑑賞なので、そこそこファン認定してもらえそうかもしれません。

なのですが、今回のタクフェスは私は森迫永依ちゃん目当てで見に行った感じです。
永依ちゃんはバラエティー番組「プレバト」の俳人として認識したため、その演技はみたことがありませんでした。
今回の舞台では、ちょっとした棒読み感とか素人っぽさを「演出」されているように感じて、めちゃ実力のある俳優さんなのかも、と思いました。
前説に登場してくださったのも嬉しかったし、作品途中の「撮影コーナー」でも初々しい感じで、マジ可愛かった。
今回はそこそこ後方席だったので目が合うということはありませんでしたが、まずまず満足しました。
その前説では、恒例の出演者の私物を賭けてのじゃんけん大会がありました。
そもそもじゃんけん激弱な私ですので、ハナから諦めモードではありますが、とりあえず参加しました。
じゃんけん相手は永依ちゃん。
私はたまたま2回勝ったところで彼女の「法則」を推測しじゃんけんに臨み・・・、なんと最後の二人に残りました。
お相手のお顔はちょっと後方で良く見えませんでしたが、私よりは少しお若い感じの妙齢の女性、一度あいこで・・・、なんと勝ち残ってしまいました。
びっくりです。こんなこと、初めて。
で、いただいたのは加藤貴子さんのサイン入りのめぐりズムでした。
めちゃ嬉しい~。

 

 

と、いうことで始まる前にずいぶんテンションが上がってしまいました。
ちなみに景品(?!)は、帰りにグッズ売り場で受け取ることができました。
これって本当にくださるんだなぁとちょっと感動しました。

長い前置きになりましたが、今回のタクフェスも期待を裏切らない、良い出来のお芝居だったと思います。
主演のお二人は、短い準備期間とは思えない仕上がりに見えました。

ところで、いつもはパンフレットを参考にあらすじなどを記録するのですが、今回のパンフレットには何故か物語の紹介がないぞ…。
この「晩餐」という作品は、記念すべきタクフェス第1弾の演目だったようで、つまりは10年以上前の作品ということです。
もちろん、その間いろいろと世情の変化もあり、演出はまさに2023年版だとは思うのですが・・・、10年経って上演しても普通に古い感じがしない(昭和を思わせる演出は、ある。)のも凄いなぁと思います。
作品が内在するテーマは実は普遍的なものがある、ということでもあるのでしょうか。

で、その物語ですが、まぁ、ファンタジーですね。
2025年のある町のシェアハウス「イノヘッド」が物語の舞台。
60年後の未来(2085年)からやってきた男女3人。
齢60を過ぎようとしている高槻耕太郎は、自分が生まれてすぐに事故で亡くなった母親にどうしても会いたくて、時の天才少女たまが発明したタイムマシンに乗って2025年にやってきた。
耕太郎を心配して同行した妻氷見子と天才少女たまと共に、3人は不審な行動をとる怪しい者なりに、宇宙人や旅芸人などに間違えられつつも、若き日の耕太郎の父純二と、会いたかった母舞子と、不思議で個性的なシェアハウスの住人達との共同生活に溶け込んでいく。
皆、気のいい仲間であるが、それぞれに誰にも言えない何かを胸に秘めていたりする。
未来から来た彼らの知らない遠い昔(実は現代)のもろもろ、何かとかみ合わない会話、その中で少しずつ見え隠れする「何か」
未来に帰る前にやらなければならないこと、やりたいこと、そしてやってはいけないこと。
思いがけない事態に直面しつつ、未来に生きる彼らはある決断をする。

なんだか、あらすじにはなってないな。
ま、よくわからないお話だったってことか。(乱暴すぎる感想ですね。)
自分だけの覚え書きとしては充分な感じです。
タクフェス作品の例に漏れず、笑いの要素満載なのに、シリアスに泣ける場面が必ずあって、カモな私はもれなくそこで泣いて。
唐突に記念撮影の時間が始まったり、お芝居の最中に客席に話しかけたり。
今回は家族の絆とか、思いやる心とか、大切な何かを思い出させてくれる展開があり。
最後は恒例のダンスタイム~。どこまでも楽しませてくださいました。
終演後の、そこそこダラダラとしたしゃべりも面白かったし。


お芝居の締めくくりは「その後(未来)の家族」の映像で、なかなか凝った作りだと思いました。
セットはシェアハウスのリビングダイニングがメインにあって、2階とか庭とかがわかりやすくしつらえてあり、タイムトラベルする洗濯機とか部屋の様子とか、計算されて上手く作られているんだなぁと感じました。
今回のテーマは家族愛、と思います。
とてもピュアな気持ちがそこに感じられて、ぐっときましたね。
10年前の作品でも、その底に流れる大切な何かは揺るがないし、胸を打つものなんだとしみじみしました。
因みに初演の純二役は宅間さんだったそうです。
当時は20代の役がぴったりで、今は60代に手の届くような約か~、と、たった10年ではありますが、時の流れを感じたりも。
タイムトラベルものなので、年齢とか関係性がややこしいんですけどね。
そんなこんなをふまえつつ、いつも思いますが、次回作も期待大です。