大失恋ストーリー68(彼の家)
彼との電話を切ったらそのままカバン持って家を出たわ。
私はかなり感情的になってもぉとった。
仕事中に倒れたってどういうこと?
いっつも元気いっぱいだったやん?
病院行ってきたってどうやったん?
ケガなん?病気なん?どうして倒れてもぉたん?
もう大丈夫なん?
頭の中は彼のことでいっぱいだった。
電話しとるときにもっと落ち着いて彼の話を聞いておけばよかった。
倒れたって聞いただけで彼のことが心配でたまらんようになって
とにかく早くかけつけたい、彼に会いたいって思うて
彼の詳しい事情も聞かずにイキナリ今から行くとか言うて
電話を切った自分はアホやわ。
家を出たら通りは静まりかえっとった。
夜中の1時過ぎやしね。
私の走るミュールのカツッカツッカツッって音が響いとったわ。
駐車場までの真っ暗な道を思いっきりダッシュしてん。
車に乗り込んで彼の家に向かって走り始めてしばらくして気付いたわ。
私・・・彼の家がどこなのかハッキリ覚えてへん…
だいたい覚えてる道をあっちこっちして少し道に迷ったけど
なんとかやっとこさ彼の家に着いた。
そして彼の家に着いてまた気付いたわ。
彼…そういえば実家に住んでたんやった…
時計見たら深夜1時半やし…常識もへったくれもなさすぎやで…
考えナシってのはこれやからアカンわ。
私は彼の家の玄関の前でしばらく考え込んでもぉた。
続く…