大失恋ストーリー67(ダッシュでお見舞い)
彼の携帯はそれからも何回もかけ続けてんけども
「電波のないところか電源が入っておりません」ばっかりやってん…。
彼のためにキレイに片付けた部屋の真ん中にある、
一人暮らしにはピッタリサイズの小さなテーブルの上に
ケチャップスパゲッティを盛り付けたお皿が2つ。
そのテーブルの前で携帯を握り締めて一人で座り込む私。
彼氏の車の音が聞こえてくるかもしれんと思うて
テレビもつけずに静かな部屋に一人ぽっちで彼を待っとった。
静かな部屋には時計の秒針の音だけがしよったわ。
部屋も私もあんまりにも静か過ぎたんか知らんけど
その秒針の音が異常にうるさく感じたのを覚えとるわ。
そしてその秒針が何周回ったんやろか…
約束の時間から6時間過ぎた深夜の1時になって
彼から電話がかかってきてん!
私は携帯握り締めたまんまやったからワンコールで電話に出たわ。
「もしもし?どうしたん?何かあったん?」
すると彼はメッチャ元気なさそうな小さな声で言うた…
「今日はごめん…。実は仕事中にちょっと倒れてしまって
病院に運ばれて今やっと家に帰ってきた」
「え?倒れたって!?え?え?どしたん?
ってか大丈夫なん??あわわわ…」
私はひたすら動揺しまくったわ…
そしたら彼が弱々しい声でボソッと言うてんよ。
「今日はマミたんに会えるの楽しみにしとったんやけどな…。
むちゃくちゃ情けないわ…ごめん」
それ聞いて、なんか喉が熱くなってきて涙が出てきてん。
「今からめっちゃダッシュでお見舞い行くし!!!待っといて!」
私はなぜか興奮してもぉて泣きながらも半ギレ状態で彼に怒鳴ってもた。
続く…