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【ファイ 悪魔に育てられた少年】殺し屋たちの愛の物語~あらすじ~
2才前の時に「白昼鬼」という5人組の犯罪グループに誘拐され、「ファイ」という
名前を付けられ、5人の父親に育てられた少年の物語です。
人殺しなんて朝飯前なのが、リーダーのソクテと武闘派のボムス、サイコパスなドンボム。
殺しは担当外っぽいのがグループの頭脳・参謀のようなジンソンと、グループの良心・心優しい吃音のギテ。
この5人がファイの父となり、それぞれの得意分野を伝授したので、学校に行かずとも知識や格闘技、運転や音楽や武器の扱いからピッキングまで嗜む17才に成長しました。
ただ、折檻はあったでしょう、全身アザだらけで地下室に閉じ込められてましたから。
真っ暗な地下室で、ファイには怪物が見えて怪物に怯えるのです。
なぜ怪物が見えるようになったか?
終盤で出てくる誘拐された時のことがきっかけでしょう。
両手を縛られ、頭には袋を被せられて狭い箱に閉じ込められます。
最初は「パパ」「ママ」「助けて!」と泣き叫びますが、箱から出された時には嘔吐までしてて死にかけてました。
この恐怖で一時的な記憶の喪失なり錯乱が生じて、ギャーギャー騒がずおとなしく育て易い子になったのかもと推測。
リーダーのソクテのことはアボジ(お父さん)、他の4人はアッパ(パパ)で区別されてますが、ソクテをアッパと言ってる時もあるんですよね。
ちょっと字幕の翻訳に甘いとこがあって、ジンソンパパが死ぬ時の字幕が「お父さん」になってるので、ソクテのことをジンソンに聞いてるの???
話が噛み合わないなとよくよく聞いたら「アッパ」って言ってるの!
「パパは知ってたの!?」
これなら流れOKなのよ。
それと、このシーンで「育てたのは俺だ!」
これも「育てたのは俺たちだ!」じゃないかなぁ~
終盤でジョンミン刑事が白昼鬼の正体に気付き、署に電話しても誰も出ないシーンで
「白昼鬼を捕まえたのに!」
いや、捕まえてないだろまだ!
もっと言えば、タイトルの「悪魔に育てられた少年」も「怪物に育てられた少年」
の方が物語と合ってるのですよ。
翻訳したの韓国人かしら?
所々「?????」でした。
日本語吹替版はどうなってるんだろ?
字幕のままなのだろうか・・・
なので、あらすじの方は流れ的に自然なセリフに直してます。
で、このジンソンがね、めっちゃタイプです♥
静かに確実に仕事をこなすんですよ~♪
「ナチスが最も恐れた男」のグンナーもそうですが、物語にひとりは欲しいキャラです♪
なので、最初に死んじゃったのは残念です( ノД`)シクシク…
もっと生きてる姿が見たかった・・・
ジンソンの死をファイが殺したと勘違いしてる方多いですが、ジンソンは自分で引き金を引いたんです。
ジンソンは、ファイには自分が成し得なかった好きな道を歩ませたく、常にファイを1番に考えてました。
実父殺しなどさせたくなかった。
結果、ファイは苦しみジンソンに銃を向けてる。
ファイに撃たれてしまったら更にファイを苦しめる・・・
だから自分に向けられた銃を両手で包み込み、自分の胸に押しつけ自ら引き金を引きました。
ジンソンからファイへの最期の愛です。
ファイが実際に殺したのは5人の中ではソクテだけです。
それもやっとです。
そんなファイがあっさりとジンソンパパを殺せるはずがありません。
ジンソンパパのパソコンの前には、ジンソンが幼いファイにギターを教えてる写真が飾ってありました。
自分が好きな道に進めなかったから、ファイには好きな絵の勉強で芸術大学に留学させたかったのでしょう。
勉強、パソコン、音楽はジンソンから学びました。
次に愛すべきパパはギテパパです。
ファイへの愛情表現がママっぽいです。
ファイがとにかく好きで好きで、1番露骨な愛情表現でした^^
ギテパパもファイを生かすために自ら手を離し死にました・・・
ギテパパ素敵過ぎでした。
ギテパパがいなかったら、凄い暗くてハードボイルドな作品になってそうです。
ファイには運転テクニックを伝授。
ボムスはパパというよりお兄ちゃんですね。
殺しはへっちゃらですが、ファイの実父殺しには暗い表情でした。
でも、ソクテには逆らえません。
ソクテがいたから生き延びられたような事情があると思います。
ジンソンの大きなヤケドの痕のように、5人とも孤児なので幼少時代には色々あったのではないでしょうか。
武器庫でのファイとの格闘では、何度もファイを殺すチャンスはあったのに結果逃げられました。
なので、最期にファイにむかって何発も撃ちますが、本当に殺す気で撃ったのか疑問が残ります。
ファイには格闘技と武器の扱いを伝授。
そしてドンボム。
サイコパスの快楽殺人者です。
このパパに関してはファイへの特別な愛情は感じられませんが、最期にファイがいるであろう方向を見つめ笑って死んでいったシーンでは、
「成長したな息子よ!」
な感じはしました。
ファイにはピッキングとナイフ捌きを伝授しました。
最後にソクテです。
とにかく歪みに歪んでますが、実は誰よりも深い愛情を持っているのです。
仲間に対しても。
終盤での銃撃戦になる倉庫に入る前に、ギテには外の見張りを命じます。
突発的なことが起きた時、殺しのできないギテは真っ先に殺されるからでしょう。
銃撃戦になり、ドンボムが刺されればその刺した相手を撃ち、ボムスが撃たれればその撃った相手を撃つ。
こういう愛です。
一般的な愛し方を知らないので、
好きな女(ヨンジュ)を犯し、ヨンジュと相思相愛のヒョンテクの足を切り落とし、
自分のモノにしたくて足に鎖を付けて監禁し、逃げないように足の指を切り落とす。
なんとなくですが、ソクテはヨンジュを犯したけど、監禁してからはやってない気がします。
犯したら自分の方を振り向くと思ってたけど、監禁して一緒にいても心は自分に向かない。それに苛立ち虐待する。ますますヨンジュの心は凍り付き感情を失う。
それでもヨンジュを側に置きたかった。
ヨンジュは知りませんが、ファイはヨンジュが愛したヒョンテクの子です。
もしソクテが奪わなければ、ヨンジュとヒョンテクは結ばれていたかも知れません。
その贖罪の気持ちもあってファイを生かしたのかも知れませんね。
でも、ヨンジュを「お母さん」「ママ」とは呼ばせませんでした。
面倒臭い男です。
「ファイ」という名前は「ファイの木」から付けましたが、アジトの植木屋の屋号は「ソクファ園」です。
ソクテとファイです。
「ファイ」という名前を付けた時から、「ソクファ」のようにひとつの絆で結ばれたい気持ちだったのでしょうか。
とにかく心の内が読めません。
ファイは奇異な環境で育つも心根の良い子に育ちます。
でも怪物が見えます。
ソクテ自身もそうでした。
怪物を消すには自分が怪物になることを身をもって知ってる愛情表現が、ファイを汚し怪物にすることでした。
まぁ~、とにかくややこしい男ですが、キム・ユンソクさんが超名優さんなので
恐ろしく惹き付けられらるんですよ。
うちのオババが大好きな俳優さんです。
で、終盤でのソクテの行動が意味するものは?
悪徳刑事のチャンホに拉致されたファイがほのかに心を寄せる女子高生のヨギュンはなぜチャンホは殺されたのに無事だったのでしょうか?
これまでなら殺人現場で自分の顔を見た者は始末してました。
死期が近いことを悟ってるので、顔を見られても今後に差し支えないことと、ヨギュンがファイに危害を加えることはないからです。
チャンホは生かしておいたら必ずファイを始末しようとします。
ファイの実母を始末したのはファイの顔を見られてるから。
ファイが実父を殺したことを知ってる存在は誰もいなくなったのです!!!
こういう愛し方なのですソクテは。
最後の仕上げは自分をファイに殺させて、ファイを完全な怪物にすること。
それも完遂しました。
愛するファイの手で死ねて、最期は幸せでしたね。
微笑みましたからね。
ファイ役のヨ・ジングくん、この時まだ15才ですよ!
いやー、もうホント凄い・・・
キャストさん全員凄い・・・
エンドロールではファイが描いた笑顔のパパたちやヨンジュやヨギュンのスケッチブックが流れます。
ソクテは木になってて、木の根が絡まってます。
それはファイが見てた怪物に絡まってる根と同じです。
怪物は銀色に光ってました。
その素材感は、グニョンの部屋にあったベッドメリーからぶら下がってるぬいぐるみと同じです。
あの怪物はファイ自身で、ソクテという根にがんじがらめにされてた幻影だったのでしょうか・・・
スケッチブックにはファイの自画像も描かれてて、目が細くてファイだと最初は思いませんでした。「誰?」「パク室長?」
エンドロールが終わり、病院の庭のベンチでくつろぐヨンジュの姿。
ソクテに撃たれましたが順調に回復してそうです。
オレンジ(正確にはデコポン)の袋を持ったファイに気付き笑顔になるヨンジュですが、次第に不思議そうな表情になりエンド。
ええーーーーーーーーー!?
どういう意味!?
ファイは誘拐された頃は目がまん丸で可愛い顔立ちでしたが、環境のせいでしょう
「あなたは顔付きが変わった」
とヨンジュは言ってました!
ソクテが死んでから、そういえばファイの顔は一切出てません!
顔付きが変わったんだ・・・
あのファイだと思わなかった自画像の目!
目付きがすっかり変わったんだわ!
ファイは殺し屋になったんだ・・・と私は思いました。
仕事の依頼は主にジンソンの携帯。
生きてますからね携帯。
チョン会長の射殺も復讐かと思い込んでましたがビジネスかもです・・・
目付きが鋭くなり、ソクテのような目付きになりつつあり、
「誰かに似てる・・・?」と不思議そうな顔をした。
この映画は考えだしたらキリがないかも知れません。
怪しい翻訳以外は実に巧妙で隙がありません。
ひとりひとりの個性もしっかり表現されてるので最初から最後まで面白い作品です。
ハッピーエンドが好きな私ですが、この作品は大好きです^^
【更に考察】
白昼鬼の5人とヨンジュは孤児です。
「ソンジ園」の出身がハッキリしてるのはソクテ・ギテ・ヨンジュの3人。
悪徳刑事のチャンホも恐らくソンジ園出身だと思います。
ソクテを「兄貴」と呼んで、刑事になれたということは戸籍もあるからです。
ソクファ園に住民登録がされてるのはヨンジュとソクテと成人男性2名とジョンミン刑事は言ってました。
ギテは確定でしょうが、もう1人はジンソンだと思います。
ボムスとドンボムは、もしかしたら戸籍がないのかも知れません。
ソクテたち以上に複雑な育ちで、ソクテに拾われて生き延びたので殺し屋の実行犯
として恩返ししてるのかなと思いました。
「ソンジ園」はカトリックです。
盲目の指圧師の十字架をソクテが気にしたのは、あの十字架はソンジ園の子はみんな持ってるので裏を確認したと思います。
そこには「ソンジ」と書かれてましたが、あらすじには「ソンジ園」で書きました。
指圧師を殺さなかったのは、同じ孤児院出身なのもあったかもですね。
この物語はひとりひとりの個性がちゃんと立ってて、それぞれの魅力がきちんと表現されてるのです。
人間性が生きてるから何度観ても面白いのかもです。