2006年 TBS

出演:森山未來・上野樹里・玉山鉄二・内山理名・樹木希林・古田新太・麻生祐未

原作:萩原浩

 

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ーーこんなところから筑波山が見えるーーー

健太の父親(古田新太)が運転する車の後部座席から、街並みの向こうに見える筑波山を現代から見る吾一。隣にはミナミもいる。

ーーきっとここは少年倶楽部で読んだ異世界に違いないーー

 

退院して健太の家に上がるが、室内は見たこともない物ばかり。

訳が分らず暗い表情の吾一。

父親は前日のサーフィンのことなど質問するが答えようもない吾一。

その様子に記憶喪失を疑い、泣き崩れる母親(麻生祐未)と動揺するミナミ。

少し休んだ方がいいとなって、ミナミは吾一にキスをして帰っていった。

ーーーーー吾一倒れるーーーーー

 

健太の部屋を恐る恐る見ると、沢山貼ってあるミナミと健太の写真に衝撃を受ける吾一。健太と自分が瓜二つだと知る。しかもカラーだ。

ーーー健太は今どこにいるんだ?ーーー

 

今度はテレビをいじる。テレビがONになると、放送で「2005年」と言ってる。

ーーー2005年!?ーーー

カレンダーを見ると、そこにも「2005年」

雑誌の山から適当にチョイスしても「2005年」

その山から日本史の教科書を見付け、年表を見ると・・・

日本の敗戦が書いてあった・・・

 

そんなバカな・・・

 

夕飯には御馳走が並ぶが、敗戦のショックでうつむいたままの吾一。

「たまには飲め!」とビールを勧める父だが、健太と飲むのは初めてだ。

母親も一杯くらいならと勧める。

 

ひとくち飲むと、「苦い!」と声が出てしまった吾一だが、やっと聞けた健太の声に喜ぶ両親。

また勧めると今度は「美味い!」と言う。

そして、「色々・・・ありがとうございます・・・」

ありがとうございます!?

に衝撃を受けるふたり。やはり具合が悪いんじゃないか!?

 

「お話・・・したいことが・・・あります・・・」

「私は・・・あなたたちの息子では・・・ありません・・・」

「石庭吾一と申します・・・」

 

母は泣き出し、父も悲しむ姿に、吾一はグラスのビールを飲み干し、

「なーんちゃって♪」
と誤魔化す吾一に、担がれたと大笑いするふたり。

 

          *

 

健太の方は激しく悲惨だ。

乱暴に分隊士室に連れて行かれると、兼子分隊士(石井正則)の命令で、その場でバットで背中や尻を叩かれの暴行を受け、「俺は石庭じゃねぇーーー!」なんて言っても誰も信じてくれない。

同期の古屋(浅利陽介)と久保田(内田滋)が運んでくれて、宿舎のハンモックに寝かせてくれたが、顔も腫れあがり、全身に激痛が走る。

宿舎には布団もベッドもない。

大部屋で全員ハンモックで寝るのだ。

 

「教えて欲しいことがある・・・」

「俺は一体誰なんだ???」

健太は記憶をなくしたことになった。。。

 

          *

 

朝、健太の部屋で軍隊体操をする吾一。

自分が60年後の日本にいることを理解し、暫くは健太でいることにした。

携帯が鳴り、適当なボタン操作をするとミナミの声だ。

「遊びに行こう♪」

 

パジャマのシャツにチノパン姿で、リビングの母親に直立不動で、

「出かけてまいります!」

青ざめた母が「ちょっと待って」と違うシャツを持って戻ると、

吾一がテーブルのキウイフルーツを皮ごと食べている・・・

 

パジャマとシャツの区別も付かず、キウイの食べ方も忘れた健太を不憫に想い、

泣きながら抱きしめる母・・・

 

ミナミがママの車で迎えに来てドライブデートだが、助手席の吾一は落ち着きのない猿のようにキョロキョロと外の景色を夢中で見てる。

見る物見る物が初めてだもんね。

 

まずは健太の大好きなケンタッキー♪「健太のケンタ♪」

吾一は慎重に周りを見る。

変なことしないように、現代人を装わないとだ。

次にミナミの食べ方を真似る。

ポテトを食べるミナミ

ポテトを食べる吾一

ドリンクを飲むミナミ

ドリンクを飲む吾一

チキンを食べるミナミ

チキンを食べる吾一「!?美味い!!!」

※この「美味い」笑えたw※

 

「あれ?ミサンガどうしたの?」

吾一には分かりません。

「あ、身代わりになったんだ♪」「ミサンガのおかげで助かったんだね♪」

 

そして茨城から渋谷に到着。

冷静を装っても隠せない挙動不審。

同年代の若者がウヨウヨいるが、とても日本人と思えない・・・

老婆とぶつかり、老婆が転倒しても助けない若者たち・・・

老婆を起こしながら、

「こんな世の中を作るために英霊たちは散ったのか!!!」

叫ぶ吾一であった。

 

すっかり意気消沈な吾一との帰り道、ミナミは初めて健太と結ばれたラブホへ寄る。

「私のこと思い出させてあげる」

※そりゃムリだ※

「健太そっくりの別人かとも一瞬思ったりしたけど、見分ける自信ある」

と言い切ったミナミだが、吾一と関係を持っても分らなかった。

 

          *

なんやかんやと恵まれてる吾一と違い、健太の方は地獄だ。

古屋たちから教わった吾一の情報を呟きながら暗記中。

ミサンガに向かって、

「この戦争はあと10ヶ月で終わる」「それまでの辛抱だ」

と奮い立たせる。

 

飛行訓練場に着くと、兼子分隊士が「石庭から飛べ」と言うが、

「記憶が回復してないから危険」と小野寺(田中聡元)が反対する。

健太は「小野寺頑張れ!」と心で叫ぶが、兼子は「ダメ」だ。

「だったら自分が同乗します!」折れない小野寺に大きく頷く健太。

この人だったら安心そうだ♪

だが「分隊士のおっしゃることは絶対だ!」と兼子の腰ぎんちゃくの山口班長。

「そうだ、だからおまえが同乗しろ山口!」

「え!?」

泣きながら飛行機に向かう山口であった。

 

飛行機には乗ったものの、当然だが操縦の仕方なんて分からない健太。

後部座席でギャーギャー山口は煩いわ、鉄パイプで小突いてくるわで、

ムカついて山口をぶん殴ろうとした時、訓練中止の知らせがくる。

「講堂に集まって下さい!」

 

講堂の壇上には片山分隊長(篠井英介)が特別攻撃隊の志願者を募り、

配った紙に名前と○か✕を書けと指示し、ピンとこない健太は気楽に紙を受け取ったが、「なるべく多く特攻隊に志願を希望する!」の畳みかけに、

ーーー特攻隊?・・・カミカゼか!?ーーー

特別攻撃隊が特攻隊だと知って、紙いっぱいに大きく「✕」を書く健太であった。

 

古屋と久保田は「○」を見せ合ったが、山口班長の「✕」が見えた健太、

この時だけは山口がまともに思えた・・・

 

全員の紙を集め、兼子分隊士が片山分隊長に渡す段になって、なんと兼子は紙をまるめて床に叩きつけ、「全員志願です!!!」と敬礼。

 

おいおい!・・・健太あんぐり・・・

 

夜、ハンモックで石庭の手荷物の手紙を読む健太。

妹に宛てで、「もうすぐおまえの所に行くからね」とあった。

天国への手紙だった・・・

 

そして、第一次特別攻撃隊5人の中に久保田が選ばれて去って行った・・・

 

その夜、ハンモックの中でいつ自分が選ばれるかの恐怖で震える健太。

ミサンガに「おまえに会えるまでぜってー死なねー!」「ミナミ!!!」

奮い立たせる。

 

そこに、グデグデに酔っぱらった山口班長が「総員起こし」をする。

ドラまで鳴らして「総員バッターだ!全員廊下に並べ!」

総員バッターとは、並んだ隊員たちの背中やお尻をバットで叩くのだが、打たれても倒れてはいけないのだ。

恐怖を酒で紛らわし、班長という立場を利用しての横暴だ。

真っ直ぐな性格の古屋が山口の前に立ち理由を求めると、山口はバットで古屋を殴りつけた。

 

ついに堪忍の緒が切れた健太!

古屋とは予科練からの付き合いらしく、記憶を失った(フリ)健太にも親友として接してくれてたのだ。

 

山口を「おまえ」呼ばわりの「カス野郎」と罵り、

「何だと!?表に出ろ!」

上等じゃねーか!!!

外に出て、健太をバットで殴ろうとしますが、逆に健太にぶちのめされます。

そこに古屋たちもやってきて、古屋たちにもやられると怯えた山口は惨めにも泣き叫ぶのでした。

 

その翌日、分隊士室に呼ばれる健太と古屋。

第二次特別攻撃隊に選ばれます。山口が手を回したのです。

 

ーーー絶対に生き延びてミナミに会うんだ!!!ーーー

ミサンガを見つめ、軍用車に揺られながら強く想う健太であった。

 

③へ続く

【僕たちの戦争】結末はどっちだ!?~あらすじ③~