2006年 TBS

出演:森山未來・上野樹里・玉山鉄二・内山理名・樹木希林・古田新太・麻生祐未

原作:萩原浩

 

現代の青年・健太と戦時中の青年・吾一がタイムスリップで入れ替わってしまう物語ですが、結末が健太か吾一かで意見が分かれます。

私はずっと気になってたのですが、やっと「これが近い!」と思える答えに辿り着いたので、最後に考察を書かせて頂く前に、まずはストーリーを読んでみて下さい^^

 

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2005年9月12日

高波注意報を無視して車で海にきた尾島健太(森山未來)

波を期待してのサーフィンだったが、逆に大きな高波に飲み込まれてしまう。

 

ーーー同時刻・同地域ーーー

昭和19年9月12日

飛行訓練で空中を飛んでる練習生の石庭吾一(森山未來の二役)

突然のエンジントラブルで機体は激しく揺れ、頭を打ち意識が朦朧とする中、

目前の禍々しい巨大な雷雲に吸い込まれるように海に墜落していく・・・

 

          *

浜辺で目覚める健太。

恋人のミナミから貰った左手首のミサンガは無事だった。

ふらふらしながら起きて、サーフパンツのポケットから車のキーを取り出すが

車が・・・無い!?

車を探して歩きだすが景色が違う・・・ここはどこだ!?

 

脱水症状でふらふらになりながら水を探すと、1軒の小さな古民家が見えて走り出す。

庭先の桃の木の実を取ろう(盗ろう)とよじ登るが、民家の娘が出てきて、健太の異様な出で立ちに驚き悲鳴を上げると、その悲鳴に驚いた健太は木から転落して気絶してしまった。

金髪坊主に派手派手パンツだもん。

 

再び目覚めると、家主の澤村キヨ(樹木希林)が健太を見つめている。

キヨ婆が白湯を出すとそれを一気飲みする健太。

「サルマタは洗って干した」「あとでふんどし出すから」

・・・あれ?

自分の姿を見ると、浴衣の下はスッポンポン!

「死んだじーさんの越中じゃ小さいかもなwフォフォフォw」

 

とにかく早く帰りたい健太は電話を頼むが、電話は村長のとこにしかないと言う。

マジか!?

キヨ婆は若いのに真っ白な頭の健太を苦労人だと勘違いして夕飯まで勧めてくれた。

「てーしたもんはねーけど」

その通りで、メザシが1匹・たくあん一切れ、カボチャ煮少々と具なしの味噌汁に唖然とするが、おひつを持って入ってきたキヨ婆の孫娘の澤村文子(内山理名)を見たら、その美貌に顔色が明るくなる単純な健太であった。

 

ふと、居間の日めくりカレンダーに気付くと、

昭和・・・19・・・年???

 

文子の両親はすでに他界しており、キヨ婆とふたりで暮らしていて、ここは

「なつみ村」だと食べながらキヨ婆が喋ってる最中に、空襲警報がけたたましく鳴り響く。

防災訓練???だと思う健太だが、キヨ婆に言われるまま雨戸を閉めに行くと、空には爆撃機が飛んでいる!

え?・・・ええぇーーーー!?

 

          *

 

一方、吾一の方も病院で目が覚める。

窓際のベッドから外を見ると、「FamilyMart」や「KOC」などの横文字が乱立する風景に敵国アメリカかと思う。

医者が入ってきて、「車のナンバーからあなたは尾島健太さんと確認が取れましたよ」「体の方は問題な・・・」ガツン!!!

医者をぶん殴り逃走を図る吾一。

 

エスカレーターを逆走し、自動ドアにぶつかり鼻血を出しながらも外に出ると、

車はビュンビュン、ガングロにモヒカン、コスプレ等々の人々の姿に、

「ここは、一矢も報わずに無駄死にした人間が落ちるアメリカ地獄に違いない」

絶望でへたり込んだところで病院警備員たちに確保され、静脈麻酔で眠らされる。

 

ーーー吾一は夢を見るーーー

まだ妹のよし子が生きてた頃の夢だ。

外は暗く大雨の中、母親(宮地雅子)が氷を買って帰宅する。

高熱を出してるよし子のためだ。

だが、父親(田中要次)は「酒は買ってきたのか!」

酒はないと言う母親に空になったぐい吞みを投げ付けるクズ父。

 

母親を罵倒する父親に心を痛ませ、そっと襖を閉める吾一少年だが、ボロ小屋住まいでは筒抜けだ。

よし子が「お兄ちゃんは中学に行かないで本当に予科練に行ってしまうの?」「うちが貧乏なのに私が病気ばかりするから・・・」

吾一は優しく「御国のために行くんだよ」

そして、幼いよし子は天国へ旅立ちます。

 

そんな夢から覚めると、知らない男女が医者と話してるのでまた目を閉じます。

会話から、それが尾島健太の両親で、自分が健太に間違われてることを知ります。

3人が病室から出ていくと、おかしいのは自分の方かと思えてきます・・・

俺は狂ってしまったのか!?

 

同時に激しい尿意が襲ってくる。

便所を探したいが、まだ麻酔が効いてて歩けずに床を這ってたら、今度は可愛い女の子が入ってきた。

鴨志田ミナミ(上野樹里)で健太の恋人だ。

「健太!何してんのよ!」

股間を押さえて悶絶の吾一に、「おしっこ?」

どこからか持ってきた尿瓶を渡して、更には手伝ってあげて、やっとたっぷりのおしっこが出せた吾一。

ミナミは色々話しかけてくるが、喉を押さえて声が出ないフリをした。

 

          *

 

健太の方は防空壕に避難するために外に出ると、自警団が見回りに来た。

健太を甥っ子だと言うキヨ婆。

 

ーーその様子を木陰から見てる軍人の青年がいるーー

 

避難する道中、キヨ婆が位牌を忘れたことに気付き「戻る」と言い出す。

「もう無理よ!」

文子は止めるが聞かないキヨ婆に、

「俺が行きます♪」「世話になったお礼です♪」

戦争だと思ってない健太は余裕のかたまりである。

俺ってカッコイイ~♪なんてお気楽で澤村家に戻るが玄関は施錠されていた。

結局鍵を持ってる文子も戻ってきて、自分が被ってた防災頭巾を健太に渡し、

健太の「勇気」に敬礼する。

その可愛さに健太悶絶。。。

 

が!2機の爆撃機がすぐ真上を飛んで、上空から何か光るものを落とした様子に、

さすがの健太も真顔になった。

頭巾を被り、仏壇から位牌数個を懐に入れながら、

「これじゃまるでホントにタイムスリップしたみたいじゃないか!!!」

・・・タイムスリップ!?

 

玄関先では文子が怯えてしゃがみこんでいる。

「ぼ・・・防空壕へ・・・」

いや、今外へ出たら標的にされる・・・

「あそこへ・・・」

文子が指した先には井戸があった。

水は無く浅い井戸に隠れると、健太は頭巾を文子に戻して、文子に覆いかぶさって

自分が盾となった。

※いざという時は守れる男だな健太は※

 

空から何か降ってはきたが、それはミサイルでも爆弾でもなく、ふたりは無事だった。

 

その夜のせんべい布団の上で、健太は朝からを回想する。。。

バイト先をクビになった健太を説教する父親に反発する健太。

父親の「俺は働いて家族を養ってる」発言にカチンときて、

「それのどこがえれーんだよ!!!」

家を飛び出して、ケンタッキーでミナミに愚痴るが、「パパさんが正しい」と同調してくれない。

「ね、腕出して」

健太の左手首に手作りのミサンガを巻き付けて、

「ミサンガが切れる時、その人の願いが叶うんだよ」

そして、おばあちゃんのお見舞いに行くからと健太と別れる。

 

まだ一緒にいたかった健太はむしゃくしゃして金髪に染めて海に行って溺れた・・・

 

これは夢じゃないんだ!!!

本当にタイムスリップしたんだ!!!

 

翌朝、キヨ婆が爆撃機から落とされたビラを読む。

ビラには【日本に勝ち目はないから降伏しろ】と書かれてた。

 

タイムスリップのショックで寡黙な健太に、

「本当は逃げ出した兵隊さんでねーの?」

「憲兵なんか呼んだりしねーから安心しろ」

「日本は負ける」

「食べるものもロクに無くて勝てる訳ねー」

そんな危険なことを言うキヨ婆にハラハラする文子。

 

そこにふたりの軍人が勝手に上がり込んできて、

「どけ!ババァ!」とキヨ婆を突き飛ばす。

「見つけたぞ石庭ぁーーーーー!!!」

キヨ婆と文子に向かって、

「この男は石庭吾一!霞ヶ浦航空隊の飛行練習生だ!!!」

はぁーーーーーー!?

「おまえの葬式の準備までしてたが、たまたま休暇中の杉田が夕べおまえをここで見たんだ!」

※木陰の軍服の青年だ※

 

無理矢理連行され、軍用車に乗せられ山口班長(桐谷健太)にぶん殴られる健太。

筑波山を背景に軍用車は走っていく・・・

 

②に続く

【僕たちの戦争】結末はどっちだ!?~あらすじ②